俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月20日(火)

2017-06-20 07:25:48 | 日記

English Haiku by Nobuyuki Takahashi  

A moment, a firework born in the sky:
a moment,it dying.

A cricket chirping:
the faint sound echoes through my whole body.

The bare skin of a dummy cools down hard
in the air-cooled store.

My University dark;
looking up to the castle-hill in the moonlight

A large urn is placed down,
filling with the winter air.


Das Deutsche Haiku von Nobuyuki Takahashi 

Vietnam-Kriegsbrand: ein japanisches
Schloss wird nass in der Regenzeit.

Naechtlicher Weg zu Fruehlingsbeginn;
von woher der Duft des Wassers?

Ein Schneemann steht da susammen mit den
Kindern von derselben Koerpergroesse.

Auf demselben Erdboden, auf dem die
Grillen zirpen,meine beiden Fuesse.

Zusammen mit dem Fruehlingswind biege
ich bei einer Baeckerei um die Ecke.

Takahashi Nobuyuki, geb.1931 in Osaka,
verbrachte seine fruehe Jugend in Dairen,dem
heutigen Lueta(China). Studium der Germanistik
in Matsuyama und Hiroshima, Abschluss durch
Magister-Grad 1963. 1964 Dozent fuer Deutsch
an der Ehime-Universitaet in Matsuyama, 1968
Assistenz-professor. 1973 Professor ebanda.
1994 in den Ruhestand, Professor emeritus.

Die erste Ausgabe des Haiku Magazin KAKAN(1983).
Es ist zertifiziert registriert in Marquis Who's Who
in the World 2017/2018.

★青梅と氷砂糖と瓶に透け/高橋正子
梅酒をお作りになるのですね。6月の上旬から中旬頃に収穫したばかりの青梅で、熟さない内に漬けるのですね。瓶に敷き詰めた青梅、そしてその中には白い氷砂糖と焼酎。ガラスの瓶に透けた青と白は如何にも涼しげです。そして出来上がるのがとても楽しみです。(佃 康水)

○今日の俳句
黄熟の匂い立たせて梅漬ける/佃 康水
梅干しに漬ける梅は青梅ではなく、黄色く熟れてやわらくなった梅を用いる。青梅が黄熟する間に放つ梅の甘くかぐわしい匂いは、「梅仕事」を楽しくしてくれる。(高橋正子)

○夏茱萸(なつぐみ)

[夏茱萸/横浜日吉本町]_[梅桃(ゆすら)/横浜日吉本町]

★夏茱萸の爛々として墓の上/津沢マサ子
★夏茱萸や妻の居ぬ日はものぐさに/村沢夏風
★夏茱萸や昔は子沢山なりし/青柳志解樹
★夏茱萸を含めば渋き旅愁かな/村岡黎史
★取る人のなき夏茱萸のこぼれ落つ/五十島典子
★小ちさき手に夏ぐみ数個のせて来し/TAKAKO
★降りだしてこの夏茱萸の千の揺れ/茜

 夏茱萸(なつぐみ、学名:Elaeagnus multiflora form. orbiculata)は、トウグミと同様にElaeagnus multifloraの変種とされ、日本固有種です。基本種は東アジアに分布しているとされています。高さ2m~4mほどになる落葉低木です。樹皮は褐色で、老木では縦に不規則に剥がれおちます。
 春に淡黄褐色の花を葉腋に比較的多くつけます。花はやや下垂し、基部は筒型で先端に4枚のガク片がつきますが、4裂しているように見えます。花径は1cmほどです。葉は、葉先が鋭三角形状の広楕円形で、幅4cm前後、長さ8cm前後で、葉の縁はやや波打ちますが全縁(葉の縁のギザギザはない)です。葉の表面には鱗状毛があり、葉裏には銀色の鱗状毛が密生し、赤褐色の鱗状毛が混じるので、淡褐色に見えます。グミの仲間(グミ属)では普通ですが、葉裏が淡褐色や黄褐色です。果実は、両端が丸い円筒形で長さ1.5cm前後です。初夏に赤く熟して食べられます。北海道南部、福島県から静岡県の太平洋側に分布します。多摩丘陵では、自生のものは稀で、人家周辺に時々植栽されています。
 「グミ」の名は、漢名「茱萸子」からきているようです。「茱萸」を日本語読みしたもののようですが、はっきりとはしていないようです。「夏」は、初夏に果実が熟すことからです。
 万葉集を始め多くの歌集や文芸等にはその名は現れていないようです。平安時代の「倭名類聚抄」に「和名 久美」として現れているとのことです。江戸時代の「本草綱目啓蒙」などにその名が現れています。
 果実は美味しく古くから食用にされています。有毒であるという報告も薬用にするという報告もないようです。
 多摩丘陵には、この仲間(グミ属)では、以下のように、落葉樹であるこのナツグミとトウグミ、常緑樹であるナワシログミとツルグミを確認していますが、分布域的には可能性がある落葉のアキグミは未確認です。全て花や果実は似ていて葉裏も淡褐色から黄褐色で似ています。葉には多少の違いがありますが、変異もあるので葉だけでの区別は慣れないと結構困難です。多摩丘陵ではいずれも個体数は少なく、なかなか出会えません。
 このナツグミとトウグミは、とてもよく似ていて区別は大変困難です。植物学的にはナツグミでは葉の表面に鱗状毛があるのに対して、トウグミでは(若い)葉に星状毛があることで同定します。一般には、トウグミではナツグミよりも花や実つきがよいことで区別します。トウグミの果実はナツグミよりもやや大きいのですが見た目での判断は困難です。トウグミは、花や実付きがよく、果実もやや大きいので当初は中国などから持ち込まれた種であると考えられたために「唐グミ」と名づけられています。
他の常緑の2種では、葉がやや厚くてやや硬いことで区別できます。また、ナツグミやトウグミでは花期は春ですが、ナワシログミやツルグミでは花期が秋です。果期は、ナワシログミは初夏ですが、ツルグミでは春です。
 ナワシログミは、常緑で葉はやや厚くて硬く、小枝がトゲ状になっていることが特徴です。また、葉は葉先が鈍三角形状の長楕円形で葉縁が波打つことでも区別できますが、慣れないと困難です。花期も秋です。
 ツルグミは、茎がツル状に長く伸びて他物に寄りかかるようになるのが特徴です。葉は、やや厚くてやや硬く、葉先が長い三角形状です。花期は秋です。
 アキグミでは、花期は春ですが、果実が赤熟するのは秋です。また、果実が小さな球形(径7mm前後)なので容易に区別できます。

◇生活する花たち「岩タバコ・雪ノ下・夏萩」(北鎌倉/東慶寺・円覚寺)

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