俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月16日(水)

2014-04-16 08:07:05 | Weblog
★岩に滾る水にかがやく猫柳  正子
猫柳は早春に咲く。川べりに多く、その花は銀色でやわらかである。。岩の間から滾る春の水に映って、その銀色がますます美しい。早春の川べりの情景が浮かんでくる。(古田敬二)

○今日の俳句
どの木々も根元まっすぐ春の影/古田敬二
「根元まっすぐ」がすっきりしていてよい。冬の間に寒風に晒され、雨雪に耐えた木々である。余分なものを落としての「根元まっすぐ」だ。その影が春の影として柔らかなのがいい。(高橋正子)

○クレマチス(鉄線花)

[鉄線花/横浜日吉本町] 

★鉄線を活けて有馬の筆作り/大坪景章
★クレマチス咲く中年は美しき/永井潮
★鉄線花みな平らかに空を向く/高橋正子

 クレマチスはつる性植物の女王といわれるに相応しく、美しい大輪の花を咲かせる。しかも蔓は枯れることなく、毎年新しい枝を伸ばしては、その先に花を咲かせ続け、数年たつうちには、たくましく成長して大きな株になり、夥しい花を咲かせる。
 クレマチスというと外来の花のようにも思われるが、今我々が普通に眼にしてい るものは、日本に自生していたものをベースにしている。日本人はそれを鉄線といって長い間愛でてきた。今日でもクレマチスの総称として、鉄線という言葉を使う人は多い。
 詳しく言うと、日本のクレマチスには、鉄線と風車とがあった。鉄線は花びらが6枚で、風車のほうは8枚だから、容易区別できる。もっとも花弁に見えるものは、萼が発達したもので、本来の花弁は退化して存在しない。
 風車の名は、その形状から来ている。八方に広がった羽のような花びらの形があたかも風車を思わせるのだ。一方鉄線は丈夫な蔓が鉄線のようだからだろう。こちらは中国伝来のものである。
 クレマチスは北半球に広く分布している。欧米のものは花が小さい。そこで日本のように鉢仕立ては余り行われず、修景用に用いられることが多い。最近は日本のものとヨーロッパのものを掛け合わせて、多彩なクレマチスが作られている。
 花言葉は美しさや高潔に関連したものが多い。花の持つ優雅さの現われだろう。


◇生活する花たち「藤①・藤②・石楠花」(横浜箕輪町・大聖院)
コメント (1)
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