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俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表
©髙橋正子 ©Masako Takahashi

9月号投句/平成22年

2010-07-11 13:38:51 | 花冠投句
氷菓食ぶ
高橋正子

朴の花見むと花より高く来し
街路樹に栃の花房氷菓食ぶ
蛍火の高きは水のいろを帯ぶ
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
紫陽花の毬るいるいと寺の門
蓮つぼみ青きとがりのまだ無疵
蓮つぼみ抽き出し二本がくれないに
葛の葉の垂れしは涼し揺れており
日々散れる日々草の花を掃く
白粉の花のうしろから暮れる
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7月10日 俳句メモ6月11日~7月10日

2010-07-11 13:06:26 | 花冠投句
金蔵寺7句
風吹けば白はまぼろしハンゲショウ
半夏生群れたるここはまぼろしか
青き実に西日差し入る白雲木
蓮つぼみ青きとがりのまだ無疵
蓮つぼみ抽き出し二本がくれないに
紫陽花の毬るいるいと寺の門
葛の葉の垂れしがきれい梅雨の山
 日々ペットボトルの水を飲むにつけ
富士湧水ペットボトルに冷えており
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの五つ六つの渓深し
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの消えしは橋をくぐるとき
大風に額紫陽花の裏がえり
枇杷の実に雨は一日止みもせず 正子
額あじさい雨を受けては海の色 正子
わらびもち電話かかればそのままに 正子
青紫蘇の丈の低きの二枚摘む
 津和野回想
鷺舞の二羽に行き逢う旅の途に
瑠璃鶲・野鶲・駒鳥みな知らず
鯵を焼く藻塩さらさら振りかける
朴の花上より見むと上に来し
街路樹に栃の花咲き氷菓食ぶ
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22年1月号投句

2009-11-13 05:12:17 | 花冠投句
冬はじめ
高橋正子

天の日は初冠雪の嶺に照り
冬はじめ富士の裾野の長く長き
刈田ぬくし濃尾平野を行きゆきて
晩秋の水を静かに木曽三川
木曽三川ひとつは鴨がいきいきと
 米原
穂芒の白という色かがやかせ
紺碧の天と対いて刈田あり
近江なり田にコスモスを咲かせけり
東寺の塔たちまち後へ旅晩秋
刈り残る熟田の黄あり瀬戸内は

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花冠12月号(21年)投句

2009-10-15 11:03:46 | 花冠投句
浜の月
高橋正子

海の青日々に深まり柘榴の実
ザクロの実イスタンブールを想いけり
雲奥の浜の月なり虹の円
平らかな虫音が千々に月を浴ぶ
朝はまだ木犀の香のつめたかり
近づいてきて佳き音の祭笛
祭太鼓子が打つらしく軽き音
花の色みな澄みにけり鶏頭は
草を出て草へ飛びけりきりぎりす
鳥渡る異郷の空のうすぐもり
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俳句メモ9月11日~10月11日

2009-10-15 10:08:09 | 花冠投句
花の色みな澄み今朝の鶏頭は
冷やしおく葡萄に露の吹いており
秋夜電車の灯にみなケイタイ読む
秋芝のキャンパス少し坂の上
黄昏の一気に寄せて虫の声
虫の声鈴音のごときが地にころがり
鶏頭の立ったる土の乾ききる
ほうれん草お菜に茹でて暮れ早し
何事も思わず今夜の秋刀魚買う
秋祭りの近き空気がポストまで
新駅の広場に秋風よく通り
林檎食ぶそのあたたかき皮を剥き
黄花コスモス甍ある家を囲みける
晴れし日は桜が紅葉し始めぬ
楽隊のドリル演奏秋天へ
豆腐屋に秋日斜めに差し来たり
新豆腐すっぱと切りしを買い戻る
小さくも山椒黄葉の始まれり
秋冷に水はあたたかし手を洗う
つづれ鳴く虫音のときに高まるも
学生の頃の空なり鳥渡る
秋雨の暗渠にこぽこぽ澄みし音
秋雨の水輪澄みつつ重なり合い
座布団のごとき柿にてさわし柿
大根を刻めば老いもきらきらと
海の青日々に深まり柘榴の実
柘榴の実割ればこぼるることいつも
柘榴の実もろきガラスのごと割れぬ
雲奥に月のあること虹の円
置き始む露も虫音も銀色に
平らかな虫音も千々に月を浴ぶ
日を負うてバッタのみどりみずみずし
日のバッタ草を飛び出て草へ飛び
月の夜があければ木犀の香が流れ
朝はまだ木犀の香のつめたかり
祭笛はたと途切れぬもの書けば
祭笛佳き音なりて遠のきぬ
祭太鼓子が打つらしく弾みけり
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俳句メモ/8月~9月(11月号用)

2009-09-11 15:12:29 | 花冠投句
フェンスより見越す芙蓉の白すがし
葡萄食ぶ一つ一つの冷たさを
夕涼に花壇の花の吹かれけり
 追悼 志賀泰次さん
北の大地を詠みて秋立つ頃に逝き
やわらかな朝のひかりに送り盆
送り盆しずかな鮨のきらきらと
つまみ菜を洗えば濁る水の色
人の死にベランダ秋の風が立ち
雑穀を食べるに菜で足る秋初め
日の色の午後は黄ばみて法師蝉
つくつく法師子らの宿題急かしける
朝顔の絡まる蔓を外に垂らす
家の灯のこぼれぬところ虫の声
ベランダの四角の隅の虫の声
青葡萄急ぎ冷やせる氷水
剥く梨にわが顔映りいたるかも
朝顔の初花空の色であり
朝顔の紺の仰向きがちな朝(信之選)
朝顔の紺一輪を水に挿し(信之・美保子選)
朝顔の紺一輪を食卓に
朝顔の一輪を剪る鋏音
朝顔にパソコン近く置いてあり
秋口の朝顔さすがあわれなり
路肩より聞こえ出したる鉦叩
台風来つつ選挙速報はじまれる
なでしこに月はうっすら照りいたり
月の暈の内のあかりの澄むばかり
ガラス戸を出て聞く虫音強かりし
朝顔のみな外光へ向きし花
花枯れの紫陽花秋冷まといけり
木々の葉も枝も平らに秋朝日
秋冷のわが身にしんと至りけり
秋冷の空の烏の山の声
いつよりか燕無き空青澄める
さびしさは秋の星より降り来る
葡萄一粒つまみ瞳の黒からむ
鶏頭の燃えておるなり大和し国
堰落ちる秋水朝日を満面に
朝顔の垣根の四角風透けり
晴れし夜は空にしろじろ鰯雲
一椀の汁に絞りきる酢橘
秋来たれども次々とハイビスカス
秋光に青き水なる隅田川
秋の星寝に就く前の大空に
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10月号投句/2009

2009-08-09 13:09:39 | 花冠投句
葉桜の蔭から
高橋正子

 築地行四句
築地出て炎暑の風に煽られし
葉桜の蔭から勝鬨橋がよい
炎天の塔より水の浜離宮
遊覧船に手を振り水の涼しかり
朝粥に胡瓜茗荷を漬けて寝る
鶏頭の花が咲き出す原爆忌
被爆手帳も父も死にゆき原爆忌
みんみんの遠き声へと耳尖る
西瓜切ってみなの心に故郷(くに)ありぬ
えのころに夕日の色の風が吹き
蝉一つ鳴き止み遠くまた鳴けり
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俳句メモ/7月~8月(10月号用)

2009-08-09 12:52:59 | 花冠投句
裏の樹に蝉の一つが鳴きとおす
蝉音止み遠くで一つまた鳴けり
明日朝の食事に冷やす梨・トマト
朝日が溢れみんみん蝉がよく鳴けり
西瓜切ってみな故郷をもちたがる
夕立の気配集まる金の雲
鶏頭の花色いろいろ少しずつ
押入れに毛糸あること秋立ちぬ
立秋のコロッケからりと揚がりたり
青梨の冷たき甘さ歯に染みぬ
朝顔に水遣ってから留守にする
被爆手帳も父も死にゆき原爆忌
鶏頭の花が咲き出す原爆忌
原爆忌ラジオに鳴りて朝の鐘
夜の灯に鶏頭の苗涼しかり
朝の手にセロリーの香が移りたる
築地出て炎暑の風に煽られし
葉桜の蔭から勝鬨橋がよい
炎昼の勝鬨橋の開かぬまま
炎天に静もっている築地寺
遊覧船の下りゆく川水すずし
炎天の塔より水の浜離宮
えのころの夕日の色の風が吹き
えのころを誰かさびしい草にする
ゆらゆらと蔓を伸ばして育つ朝顔
樹があれば遠くにみんみん蝉の声
みんみんの声のしてくる遠い空
みんみんの遠き声へと耳とがる
ハイビスカス瞳大きな子の目覚め
ベランダに蝶が来ていて朝涼し
夏蝶の黄がひらひらと留まれリ
夕涼の山も木立もはや淋し
夏の雨降りやみ遠く鳴く雀
みんみんに鳴かれ太陽かっと照り
朝涼の粥噴く音のほかはなき
朝焼けにぱっちり苺の花の白
かなかなに夕べさみしき灯がともり
百合の香よ涼しき風よ買い物に
朝粥に胡瓜茗荷を漬けて寝る
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花冠9月号入稿/7月17日(金)

2009-07-17 11:24:58 | 花冠投句
俳句
夏の雨降りやみ遠く鳴く雀

雨のち曇り
○花冠9月号入稿。後記を書き終わったのが、今朝の2時半。裏表紙は俳句研究秋号の広告を特別に載せ、下段は、いつもの俳句界の広告。

9月号後記
★関東地方は、七月十四日梅雨が明けました。
梅雨明けと同時に一気に来た暑さに、水不足
が心配されます。松山の水がめである石手川
ダムの底が見えた大渇水の年を思い出しまし
た。そのようなことが無いように、願ってい
ます。
★本号に信之先生の「多様な俳句への新たな
展開を」と題した論文をいただきました。本
号のための書き下ろしです。作家の古井由吉
のエッセイ「壊れ物」という考えに端を発し
て「俳句の堅固な習慣の疲弊」へと論を進め、
多様な俳句への新しい展開を論考されていま
す。なかでも、持ち出された芭蕉、草田男の
破調の俳句は、破調に気を取られるより先に、
内容の悲壮感を読者に読ませています。俳句
をゆったりと大きな視野で捉えることの必要
性を感じます。多様な俳句を貫く俳句という
ものを念頭に置きたい。ご味読ください。
★今月は、川名ますみさんの俳句ブログを掲
載いたしました。ますみさんは、三か月に一
度、川崎から山梨に通院されておられますが、
甲斐路の風景が、物珍しく感動をもって記録
されています。私も吉田口から富士山に登ぼ
るために、はじめて山梨県に行きましたが、
甲斐の大いなる山々を越えて通院される逞し
さに驚きます。
★子どもさんたちの俳句、いかがでしょうか。
元気いっぱいな、不思議がりやさん。一服の
清涼剤となることでしょう。いよいよ夏本番
を迎えますが、快く夏を乗り切りたいもので
す。           
★第十八回インターネット俳句コンテスト
(九月一日~九月末日)の審査員は、左記の
通り決まりました。
審査員(五十音順)
 秋尾敏(軸主宰)・木暮陶句郎(ひろそ火主
 宰)・五島高資(インターネット俳句協会理
 事長・俳句スクエア代表)・小西宏(全国
 こども俳句協会会長代行)・高橋句美子(花
 冠同人・慶大俳句会出身)・高橋信之(全国
 こども俳句協会会長・愛媛大学名誉教授)
 高橋正子(花冠主宰)・鴇田智哉(雲編集長)
 仲田和弘(北海道大学名誉教授)・信岡資生
 (成城大学名誉教授)・林桂(鬣の会代表)
 林誠司(月刊俳句界編集長)・脇坂公司(水
 煙俳句会代表)
 皆様、奮って、ご応募ください。(正子)
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2009年9月号

2009-07-09 15:08:23 | 花冠投句
葛桜
高橋正子

青楓そよぎて闇がそよぎたり
朝顔の双葉数えて月が差し
葛桜真昼の風の澄むところ
紫陽花も屋根もあかるき月の下
ベランダのトマトの青き香に浸る
さくらんぼみどりあかるき茎が縦横
夏至の雨つらつら糸のごとく降り
蜜豆に夜の会話の間がありぬ
水無月の夜雨の音の弾みたり
七夕の笹の飾りも活けてあり
昼顔の咲き上るあり木曜日
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2009/6/11-7/9の俳句メモ

2009-07-09 14:24:01 | 花冠投句
梅雨月のものやわらかに耀けり
紫陽花も屋根もあかるき月の下
朝顔の双葉に月の差しきたり
朝顔の双葉のみどりやわらかに
夜更けての会話に蜜豆食べにけり
投げ入れの花に七夕飾りの笹
 水羊羹を作り、子どもたちが喜んで食べた日を、いただいた水羊羹を食べつつ思い出して詠んだ句。
裏庭の笹がそよぎて水羊羹
ベランダのトマトの青き香に浸る
七月の夜雨の音の弾みけり
葛桜わが正体に何もなし
プチトマト摘めば手元に朝日差す
梅雨の夜の涼しさ句集などを読み
夏みかん剥かんと手にして手が大きい
紫陽花の錆びてきていてよき色に
青楓そよげば闇がそよぎたり
夏至の雨つらつら糸のごとく降り
遠闇に雨を呼びたて夏蛙
冷やし水飲み干し遠き夏蛙
かの国は夏至の祭りの最中なる
さくらんぼの茎のみどりのあかるかり
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2009年8月号10句

2009-06-17 08:36:52 | 花冠投句
菖蒲田
高橋正子

時鳥渡りしあとの山青葉
谷の田に菖蒲ほつほつ咲き初めぬ
菖蒲田にときに山気の流れ入る
菖蒲田に水音ひくく巡りたる
山風の菖蒲の花をひるがえす
水こぼす水車の音の菖蒲田へ
緑蔭の高きかぎりを蝶飛べり
山の蝶疵つく羽のうすみどり
覚めし目に風と紫陽花の青と
どくだみの花の十字のこれほどに
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2009/5/11-6/10の俳句メモ

2009-06-10 23:29:02 | 花冠投句
いんげんの曲がり自在にしっかりと
アパートを飾る夕日の花ざくろ
ほうたるを包みし泡に水の音
覚めし目に風と紫陽花の青と
紫陽花に風がさやさや湧き立てり
紫陽花に佇ちて素足の冷えており
栗の花にぶく日に照り窓に過ぐ
栗の花咲けば見知らぬ町親し
白きビル浜に多くて走り梅雨
赤レンガ倉庫広場の走り梅雨
野薊を青いガラスの壜に挿し
青臭きトマトのそばに物を干す
安静の間の午睡青葉冷ゆ
山風の菖蒲の花をひるがえす
蝶飛べリ菖蒲の花の高低を
谷の田に菖蒲ほつほつ咲き初めぬ
菖蒲田に水音ひくく巡りたる
菖蒲田の遠き花にも蝶飛べり
菖蒲田にすずしき花の色多き
花菖蒲遠きもむらさき失わず
水こぼす水車の音の菖蒲田へ
菖蒲田にときに山気の流れ入る
菖蒲田にゴッホの橋のごときがあり
山の蝶疵つく羽のうすみどり
緑蔭の高さを蝶の飛びいたり
田ほとりに花の小さき夏椿
どくだみの花にうすうす日がありぬ
山水の湧き出すところ若楓
葦までの池の水面のさざなみす
野薊の草にこそあれ紅ゆかし
立葵水面の照りを花に受け
落ち水に大きくゆれて白睡蓮
睡蓮に空を映せる水輪あり
どくだみの花の十字のこれほどに
熟れはじむ枇杷を高きに見て過ぎる
さぼんてんの花の黄がある民家の庭
山裾に柏葉あじさい咲き盛る
子の去りし後に転がる花紫陽花
一日を日を照り返し百日草
サッカーの子らへ青葉の照り返す
若葉寒夢のみどりは竹林
青嵐の丘をあてなく上りけり
さきがけて咲きし菖蒲の青紫
青葦原戦ぎて青のひと色に
寄せ来る波のごとくに青葦の丈
きらめいて風と消えたりルリタテハ
若葉蔭水車が汲みだす水ひかり
若葉蔭水車が時を生みつづけ
山桑の実が熟れてるよこの道は
睡蓮の茂れる葉より花蕾
アキニレの若葉さやがす山の風
時鳥去りしあとなり青葉山
卯の花はわがふるさとの庭の花
大股に女走れり薔薇の風
薔薇垣の肩に触れつつ香りつつ
初夏のオレンジの香が手に残り
葉むら透け黄菖蒲の黄が見えし
玉葱も白くよく透け初鰹
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花冠5月号作品10句/3月15日(日)

2009-03-15 15:11:01 | 花冠投句
緋寒桜
高橋正子

境内の桜花芽の静寂に
黄水仙雨後の風は低きにも
白梅に架かる電線門灯まで
芽木山に落葉のなかに芽生ゆもの
薊・菫の芽生えを見つつ踏む山路
薮椿背にも前にもある山路
春山の土にどんぐり枯れつつも
春寒し丘の守りに不動堂
山肌の傾るるままに落椿
墓石かがやき緋寒桜のなおかがやき
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4月号10句

2009-02-12 12:20:02 | 花冠投句
春の水
高橋正子

青空の風の塵なる梅の花
谷の陽に紅梅白梅みずみずし
梅林のすみずみ平らかに日差し
日翳れば梅一輪の日を失い
梅林に空より風の来て散らす
凝らし見てまだ青淡きいぬふぐり
春立ちぬわが正面に雪の富士
風あれば辛夷の銀の芽がふくらみ
流れ出て泡耀かす春の水
青という空に浮びて春の月
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