「鈴を転がすような」という表現があるけど、なるほどこういう声のことかと、舞台「Mr. カミナリ」で歌う衛藤美彩を聴いて、しみじみ感じました。
衛藤さんのソロを、直接、じっくり聴いたのは初めてで、夏の高原を吹き抜ける爽やかな風を受けている気分になってきます(笑)。
しかも、単に心地よいだけでなく、台詞部分ですら、いつまでも聞いていたいと思わせる、艶のようなものを含んでいる。
この超絶に魅惑的な声に加えて、「なんやねんこの脚は!」と(笑)、目が釘付けになる抜群のスタイルと美しいルックスで、神様に、衛藤美彩という作品を生み出した意図を尋ねてみたい気分になる。
スーパーエキセントリックシアター(SET)の創立35周年記念公演なので、みさみさは、ちょっとした脇役としての出演なのだろうと思っていました。
しかし、いざ幕が開くと、最初から最後まで物語にがっつり絡む役で、もうヒロインと言っていいでしょう。
お陰で、乃木坂ライブでは観られない「衛藤美彩ショー」を堪能することが出来ました。
記念公演のヒロインを劇団内ではなく客演の、しかもほとんど舞台経験のないアイドルに任せるところに、SETの発想の大胆さと、懐の深さを感じます。
衛藤美彩を主役級に据えたことには、乃木坂の動員力に期待する経済的側面があるとは思いますが、それだけでなく、「ミュージカル・アクション・コメディ」というSETの得意とする舞台の魅力が、アイドルの本格的参加によって、より幅広いものに変化している印象を受けました。
随分と以前、SETの舞台を同じサンシャイン劇場で観て、エンターテイメント性の高さに感動したのですが、今回、三宅裕司と小倉久寛のやり取りを始めとする掛け合いによるコメディ、迫力のあるアクション、圧巻の歌とダンスなど、当時よりさらにレベルアップして、盤石感さえ漂っていました。
ただ、安定した「定番」は、どんなにレベルが高くとも、マンネリの危険を孕んでいます。
桜井玲香と衛藤美彩の起用は、ある意味完成したSETの世界に、アイドルという異なる要素を持ち込み、敢えて不安定な方向に傾斜を付ける意図があったんじゃないでしょうか。
SETメンバー同士の打てば響くようなやり取りに、衛藤美彩の少し異なるリズムや発声が入って、芝居が豊かさを増している。
衛藤さんの演技は上手いのですが、彼女が持つ独自のリズム感から、コンマ何秒、台詞を返すタイミングが他の出演者と違ったり、発声方法が、劇団で鍛えたものとは異なる、歌手的なものであったり、そういう小さな差異が、かえって、みさみさを特別な存在に押し上げ、劇全体に、SETだけで行なう場合とは別の、斬新な空気感を与えていたと思います。
実際、彼女は、Mr. カミナリたちの中に、唯一混じった生身の人間、つまり「異分子」であって、劇の設定そのものに、衛藤美彩とSETメンバーとの「差異」が反映されています。
日曜日の千秋楽まで公演は続くので、物語の詳しい内容は控えますが、単にアイドルが客席にファンを呼ぶため、劇団の舞台に立ったというのではなく、衛藤さんの参加が化学反応を引き起こし、芝居をより面白く変容させていて、アイドルと劇団の秀逸なコラボレーションが実現していたんじゃないでしょうか。
公演全体のコンセプトに関しては、演出であり、今回、主役でもある三宅裕司さんが、仕切っているのだと思いますが、乃木坂メンバーのこういった「取り込み方」には、演劇を知り抜いた上での切れ味鋭いセンスと飽くなきチャレンジ精神を感じます。
劇団員とは異なるスキルと雰囲気を持つアイドルが、芝居に参加することを正面から捉え、小手先の処理に終わらせず、それを脚本や構成にまで反映させ、一つのアンサーを導き出すところに、SETが35年存続してきた原動力があるように思いました。
桜井玲香と衛藤美彩 という、乃木坂で屈指の歌唱力を誇るメンバーを起用した理由は、舞台を観れば、なるほどと納得出来ます。
三宅さんも、小倉さんも、他のメンバーも、SETの人はみんな、めちゃめちゃ歌が上手いんですね。
だからこそ、一部の隙もない「ミュージカルコメディ」が可能で、魅力的な歌が流れ続けるからこそ、2時間以上に渡って、観客を夢見心地にして、物語に引き込むことが出来る。
素晴らしい歌声が、芝居のベースを作っているわけです。
従って、一人でも歌が下手だと、芝居に亀裂が入ってしまって、客が夢から醒めてしまう危険があり、ましてやヒロインとなると、相当に上手くなければ務まりません。
おそらく、誰を採用するかに当たって、一番重視されたのは歌唱力、つまり歌声と音程の筈で、キャプテンとみさ先輩が選ばれたのは、当然の結果と言えるでしょう。
歌、ダンス、アクション、掛け合い。
どのジャンルでも、SETの舞台はハイレベルなパフォーマンスを最初に見せて、次にそこから落として笑いを取るスタイルが多いので、スキルがないと何も始まらないという面があります。
衛藤さんは、そういったスキルレベルの高い舞台で、SETの人たちに埋没することなく、自分らしい演技と歌を披露して、大きな存在感を見せていました。
声、スタイル、ルックス、そこに歌と演技、羨ましいです(笑)。
衛藤美彩のファンであれば、この「Mr. カミナリ」、ちょっと無理してでも観る価値はあると思います。
カーテンコールで三宅さんが、チケットを売っていると話していたので、とくに平日であれば、まだ取れる可能性はあるんじゃないでしょうか。
SETが生み出す見応え、聴き応え十分な舞台で、美しい異彩を放ちながら、ひと際、魅力的に輝く衛藤美彩、正直、あまりにうっとりして、「みさ推し」になりそうになった(笑)。
衛藤美彩の2014/10/29_21:54ブログ
「虹のプレリュード」の生田絵梨花、「生きてるものはいないのか」の若月佑美、「Mr. カミナリ」の衛藤美彩。
乃木坂というグループは、凄まじいですね、飛び抜けた才能がゴロゴロ転がっている。
「Mr. カミナリ」は、もう一度、桜井玲香のバージョンを観に行く予定で、衛藤さんとは、ちょっと違ったアプローチをしているそうなので、楽しみにしています。
衛藤さんの舞台でも、真面目さや清楚感という彼女の個人的イメージを意識した脚本になっていた気がします。
こういう、演じる人のもともとのキャラに合わせて役を作るのは、乃木坂の運営も、楽曲やMVで、ぜひ見習って欲しいですね。
結局、それが一番、本人と作品を輝かせると思うので。
キャプテン、思う存分、弾けちゃって下さいな。
さて、話を変えて、アルバムと紅白について少々。
昨日行なわれた10枚目「何度目の青空か?」全国握手会で、来年1月7日(水)に、乃木坂46の1stアルバムが発売されると告知があったようです。
以下の記事で考えたように、やはり、年が明けてすぐ、アルバムをリリースするスケジュールでした。
1stアルバムとの関係で、乃木坂11th選抜発表は来年1月中旬、11枚目発売は3月中旬あたりか? [24Oct14]
NHK紅白歌合戦に出場し、乃木坂への関心度が急上昇したところで、間髪を入れず、グループの総まとめ的なCDを出して、新規ファンを一気に獲得する戦略なのだと思います。
実は、この手法、E-girlsが昨年行なっています。
紅白初出場の後、E-girlsプロジェクトへの参加ユニットの一つであるFlowerが、2014年1月22日(水)に1stアルバム「Flower」をリリース、それが好調な売れ行きをみせ、グループの人気を大幅に上げることに成功しました。
もちろん、乃木坂の戦略は、「二匹目のどじょう」ではなく、正攻法ですね(笑)。
ただ、紅白に出ないことには、戦略もなにも始まりませんが、11月1日(土)の早稲田祭ライブで、生田絵梨花が「紅白初出場を目指すことを宣言します」と述べたそうです。
紅白出場歌手の発表は、例年通りであれば、11月の下旬、なぜか月曜日が多いようで、11月24日(月)あたりと思いますが、選考が大詰めを迎えているであろう11月初めの「出場宣言」は、時期的にちょっと遅い気がします(笑)。
センターである生田絵梨花がわざわざ発言したことを考えると、乃木坂の紅白出場は、今、決まりかけているのか、あるいは、もう内々定が出ているのかもしれないと考えたくなります。
また、もう一つ気になるのは、乃木坂メンバーが、トークライブアプリ「755」を始めたことです。
紅白の出場交渉では、総合プロデューサーである秋元康氏の人脈や影響力は武器になる筈で、乃木坂初出場に向けて、あれこれ動いていると思います。
そして、彼が個人的に関わり、盛り上げようとしている風に見える「755」に、メンバーがこの時期、一斉に参入し始めた。
二つの出来事の時間的連鎖に、スルーしづらいものを感じるんですが、考え過ぎでしょうか(笑)。
生田絵梨花は、10月24日(金)のブログに、
年末まで悔いの残らないように頑張るぞ~
って、まだ1年のまとめは早いか(*゜ー゜)>
と書いています。
生田絵梨花の2014/10/24_23:42ブログ
やや唐突な感じで、「年末まで」という言葉が出てくるので、10th選抜が少なくとも今年一杯は続くという意味なのかなと、読んで以来気になってました。
いくちゃんは非常に頭が良いので、重要なことをほのめかすとき、あからさまな雰囲気にならないよう、直後に発言を薄めるイメージがあって、このノリツッコミ的な文章に漂う「気遣い感」が、かえって気になるわけです(笑)。
センターといえど、次期選抜の発表日を予め聞かされる可能性は低いと思うけど、紅白出場がほぼ決まりかけていて、運営から、現体制で大晦日のステージに立つから、気合いを入れるように言われることはあり得るでしょう。
ひょっとすると、この時点で、紅白出場の内々定が出たんじゃないかと、早稲田祭での「宣言」、乃木坂の「755」参加などを眺めながら、考えてみたりします。
まあ、上に述べたことは、全部憶測であるし、あまり期待を高め過ぎると、結局、紅白に出られなかったら、かなりショックなので、「まだまだ分かりませんよ、全然」と言っておきましょう(笑)。
長年優勝から遠ざかっているチームが、シーズン後半、首位を走っているとき、そのファンが感じるように、「優勝?あかん、今言うたらあかん。それを言うのはまだ早い!」ってな気分です。
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圧巻の表現力と煌めく舞台センス、生田絵梨花が奏でる「虹のプレリュード」は秀逸な悲恋の叙事詩 [02Oct14]
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「衛藤美彩」
乃木坂の風 29Jan14 ~ 衛藤美彩と秋元真夏の起用法に見る「制御された握手会主義」、個別第11次後の分析
乃木坂の風 15Jan14 ~ 突っ込まれまくる永島聖羅、強烈ゆったんネタをぶっ込む衛藤美彩 in 「おに魂」
乃木坂の風 09Dec13 ~ 和田まあやの「甘声」炸裂!秋元真夏と衛藤美彩は八福神でしょう
乃木坂の風 30Nov13 ~ 「バレッタ」個人PVは良作揃い、優里、畠中、井上、衛藤がとくに心に残る
乃木坂の風 19Nov13 ~ 「私のために 誰かのために」、川村真洋と衛藤美彩は完全生歌を実現出来るか
乃木坂の風 28Sep13 ~ 衛藤美彩、選抜入りか?「制服のマネキン」は「ガールズルール」より効率的なヒット
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
乃木坂の風 21Aug13 ~ 川後陽菜「衛藤美彩はビー玉ババア」、全国ツアーは生歌重視?
乃木坂の風 23Jul13 ~ 7th選抜への道、アンダー最有力は衛藤美彩と齋藤飛鳥、二期生大抜擢の可能性も
乃木坂の風 07Jul13 ~ 井上小百合、衛藤美彩、能條愛未、「音楽のちから」で特別選抜の底力
乃木坂の風 30Jun13 ~ 「ガールズルール」ライブ三番勝負、衛藤美彩の美貌と生駒里奈の可憐
乃木坂の風 20Jun13 ~ 衛藤美彩のいない八月
乃木坂の風 02Jun13 ~ 千秋楽、「Queen」は生田絵梨花、そして「MVP」は衛藤美彩
「紅白」
「何度目の青空か?」の生田絵梨花ソロは秀逸、有線から見える紅白アイドル枠のライバル [25Aug14]
新たな「兼任」と「紅白出場」に関連はあるのか?「組閣」が遮る乃木坂のパフォーマンスと未来 [19Aug14]
HKT48、フェアリーズ、E-girls、紅白と時代を巡るレースの中、伊藤万理華は乃木坂最大の切り札 [03Aug14]
乃木坂の風 04Jan14 ~ なぜE-girlsに追い抜かれたのか、握手会の長期販売が招いた「格」差
乃木坂の風 26Nov13 ~ 紅白出場歌手発表、AKBGが3枠獲得の大躍進、白組は多ジャンルから実力派を起用
乃木坂の風 25Nov13 ~ E-girlsの紅白「内定」で問われる、乃木坂の営業力と生歌対応力
乃木坂の風 20Nov13 ~ NMB48の「内定」で、厳しくなった乃木坂46の紅白出場
乃木坂の風 05Nov13 ~ アンダー曲「初恋の人を今でも」がラジオ初公開!7枚目を待ち受ける紅白の歌手発表
// 過去の記事を読みたい方へ
2014年7月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~)
2013年11月 ~ 2014年6月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)
2013年4月 ~ 2013年10月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)
// 星野みなみの溢れる魅力
7月18日14:18 星野みなみ
乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
さらに詳しく
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー
// 特集ページ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Dec13 ~ 7枚目「バレッタ」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 和田まあやのコーナー
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 06Jun14 ~「16人のプリンシパル deux」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 19Jun14 ~「16人のプリンシパル trois」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Jun14 ~ シングル収録全曲の簡易ハンドブック
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
衛藤さんのソロを、直接、じっくり聴いたのは初めてで、夏の高原を吹き抜ける爽やかな風を受けている気分になってきます(笑)。
しかも、単に心地よいだけでなく、台詞部分ですら、いつまでも聞いていたいと思わせる、艶のようなものを含んでいる。
この超絶に魅惑的な声に加えて、「なんやねんこの脚は!」と(笑)、目が釘付けになる抜群のスタイルと美しいルックスで、神様に、衛藤美彩という作品を生み出した意図を尋ねてみたい気分になる。
スーパーエキセントリックシアター(SET)の創立35周年記念公演なので、みさみさは、ちょっとした脇役としての出演なのだろうと思っていました。
しかし、いざ幕が開くと、最初から最後まで物語にがっつり絡む役で、もうヒロインと言っていいでしょう。
お陰で、乃木坂ライブでは観られない「衛藤美彩ショー」を堪能することが出来ました。
記念公演のヒロインを劇団内ではなく客演の、しかもほとんど舞台経験のないアイドルに任せるところに、SETの発想の大胆さと、懐の深さを感じます。
衛藤美彩を主役級に据えたことには、乃木坂の動員力に期待する経済的側面があるとは思いますが、それだけでなく、「ミュージカル・アクション・コメディ」というSETの得意とする舞台の魅力が、アイドルの本格的参加によって、より幅広いものに変化している印象を受けました。
随分と以前、SETの舞台を同じサンシャイン劇場で観て、エンターテイメント性の高さに感動したのですが、今回、三宅裕司と小倉久寛のやり取りを始めとする掛け合いによるコメディ、迫力のあるアクション、圧巻の歌とダンスなど、当時よりさらにレベルアップして、盤石感さえ漂っていました。
ただ、安定した「定番」は、どんなにレベルが高くとも、マンネリの危険を孕んでいます。
桜井玲香と衛藤美彩の起用は、ある意味完成したSETの世界に、アイドルという異なる要素を持ち込み、敢えて不安定な方向に傾斜を付ける意図があったんじゃないでしょうか。
SETメンバー同士の打てば響くようなやり取りに、衛藤美彩の少し異なるリズムや発声が入って、芝居が豊かさを増している。
衛藤さんの演技は上手いのですが、彼女が持つ独自のリズム感から、コンマ何秒、台詞を返すタイミングが他の出演者と違ったり、発声方法が、劇団で鍛えたものとは異なる、歌手的なものであったり、そういう小さな差異が、かえって、みさみさを特別な存在に押し上げ、劇全体に、SETだけで行なう場合とは別の、斬新な空気感を与えていたと思います。
実際、彼女は、Mr. カミナリたちの中に、唯一混じった生身の人間、つまり「異分子」であって、劇の設定そのものに、衛藤美彩とSETメンバーとの「差異」が反映されています。
日曜日の千秋楽まで公演は続くので、物語の詳しい内容は控えますが、単にアイドルが客席にファンを呼ぶため、劇団の舞台に立ったというのではなく、衛藤さんの参加が化学反応を引き起こし、芝居をより面白く変容させていて、アイドルと劇団の秀逸なコラボレーションが実現していたんじゃないでしょうか。
公演全体のコンセプトに関しては、演出であり、今回、主役でもある三宅裕司さんが、仕切っているのだと思いますが、乃木坂メンバーのこういった「取り込み方」には、演劇を知り抜いた上での切れ味鋭いセンスと飽くなきチャレンジ精神を感じます。
劇団員とは異なるスキルと雰囲気を持つアイドルが、芝居に参加することを正面から捉え、小手先の処理に終わらせず、それを脚本や構成にまで反映させ、一つのアンサーを導き出すところに、SETが35年存続してきた原動力があるように思いました。
桜井玲香と衛藤美彩 という、乃木坂で屈指の歌唱力を誇るメンバーを起用した理由は、舞台を観れば、なるほどと納得出来ます。
三宅さんも、小倉さんも、他のメンバーも、SETの人はみんな、めちゃめちゃ歌が上手いんですね。
だからこそ、一部の隙もない「ミュージカルコメディ」が可能で、魅力的な歌が流れ続けるからこそ、2時間以上に渡って、観客を夢見心地にして、物語に引き込むことが出来る。
素晴らしい歌声が、芝居のベースを作っているわけです。
従って、一人でも歌が下手だと、芝居に亀裂が入ってしまって、客が夢から醒めてしまう危険があり、ましてやヒロインとなると、相当に上手くなければ務まりません。
おそらく、誰を採用するかに当たって、一番重視されたのは歌唱力、つまり歌声と音程の筈で、キャプテンとみさ先輩が選ばれたのは、当然の結果と言えるでしょう。
歌、ダンス、アクション、掛け合い。
どのジャンルでも、SETの舞台はハイレベルなパフォーマンスを最初に見せて、次にそこから落として笑いを取るスタイルが多いので、スキルがないと何も始まらないという面があります。
衛藤さんは、そういったスキルレベルの高い舞台で、SETの人たちに埋没することなく、自分らしい演技と歌を披露して、大きな存在感を見せていました。
声、スタイル、ルックス、そこに歌と演技、羨ましいです(笑)。
衛藤美彩のファンであれば、この「Mr. カミナリ」、ちょっと無理してでも観る価値はあると思います。
カーテンコールで三宅さんが、チケットを売っていると話していたので、とくに平日であれば、まだ取れる可能性はあるんじゃないでしょうか。
SETが生み出す見応え、聴き応え十分な舞台で、美しい異彩を放ちながら、ひと際、魅力的に輝く衛藤美彩、正直、あまりにうっとりして、「みさ推し」になりそうになった(笑)。
衛藤美彩の2014/10/29_21:54ブログ
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乃木坂というグループは、凄まじいですね、飛び抜けた才能がゴロゴロ転がっている。
「Mr. カミナリ」は、もう一度、桜井玲香のバージョンを観に行く予定で、衛藤さんとは、ちょっと違ったアプローチをしているそうなので、楽しみにしています。
衛藤さんの舞台でも、真面目さや清楚感という彼女の個人的イメージを意識した脚本になっていた気がします。
こういう、演じる人のもともとのキャラに合わせて役を作るのは、乃木坂の運営も、楽曲やMVで、ぜひ見習って欲しいですね。
結局、それが一番、本人と作品を輝かせると思うので。
キャプテン、思う存分、弾けちゃって下さいな。
さて、話を変えて、アルバムと紅白について少々。
昨日行なわれた10枚目「何度目の青空か?」全国握手会で、来年1月7日(水)に、乃木坂46の1stアルバムが発売されると告知があったようです。
以下の記事で考えたように、やはり、年が明けてすぐ、アルバムをリリースするスケジュールでした。
1stアルバムとの関係で、乃木坂11th選抜発表は来年1月中旬、11枚目発売は3月中旬あたりか? [24Oct14]
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実は、この手法、E-girlsが昨年行なっています。
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もちろん、乃木坂の戦略は、「二匹目のどじょう」ではなく、正攻法ですね(笑)。
ただ、紅白に出ないことには、戦略もなにも始まりませんが、11月1日(土)の早稲田祭ライブで、生田絵梨花が「紅白初出場を目指すことを宣言します」と述べたそうです。
紅白出場歌手の発表は、例年通りであれば、11月の下旬、なぜか月曜日が多いようで、11月24日(月)あたりと思いますが、選考が大詰めを迎えているであろう11月初めの「出場宣言」は、時期的にちょっと遅い気がします(笑)。
センターである生田絵梨花がわざわざ発言したことを考えると、乃木坂の紅白出場は、今、決まりかけているのか、あるいは、もう内々定が出ているのかもしれないと考えたくなります。
また、もう一つ気になるのは、乃木坂メンバーが、トークライブアプリ「755」を始めたことです。
紅白の出場交渉では、総合プロデューサーである秋元康氏の人脈や影響力は武器になる筈で、乃木坂初出場に向けて、あれこれ動いていると思います。
そして、彼が個人的に関わり、盛り上げようとしている風に見える「755」に、メンバーがこの時期、一斉に参入し始めた。
二つの出来事の時間的連鎖に、スルーしづらいものを感じるんですが、考え過ぎでしょうか(笑)。
生田絵梨花は、10月24日(金)のブログに、
年末まで悔いの残らないように頑張るぞ~
って、まだ1年のまとめは早いか(*゜ー゜)>
と書いています。
生田絵梨花の2014/10/24_23:42ブログ
やや唐突な感じで、「年末まで」という言葉が出てくるので、10th選抜が少なくとも今年一杯は続くという意味なのかなと、読んで以来気になってました。
いくちゃんは非常に頭が良いので、重要なことをほのめかすとき、あからさまな雰囲気にならないよう、直後に発言を薄めるイメージがあって、このノリツッコミ的な文章に漂う「気遣い感」が、かえって気になるわけです(笑)。
センターといえど、次期選抜の発表日を予め聞かされる可能性は低いと思うけど、紅白出場がほぼ決まりかけていて、運営から、現体制で大晦日のステージに立つから、気合いを入れるように言われることはあり得るでしょう。
ひょっとすると、この時点で、紅白出場の内々定が出たんじゃないかと、早稲田祭での「宣言」、乃木坂の「755」参加などを眺めながら、考えてみたりします。
まあ、上に述べたことは、全部憶測であるし、あまり期待を高め過ぎると、結局、紅白に出られなかったら、かなりショックなので、「まだまだ分かりませんよ、全然」と言っておきましょう(笑)。
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