ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

ちょっと野球の話 ~ アルバラデホとか外野の前進守備とか

2011-06-16 12:04:21 | 野球
アルバラデホ、アルバラデホ。

難しいので二回書いてみた(笑)。どうしても、ときどき「アルデバラホ」になるのは何故なんだろう?

さて、昨日6月15日の巨人・ロッテ戦は、巨人1点リードで迎えた9回表、2アウトから伊志嶺がツーランホームランを放ち、土壇場でロッテが逆転勝ち。劇的な幕切れとなった。

ホームランの前に、まず里崎のヒットでノーアウト一塁という場面があって、次の打者は当然送りバント。このバント処理の際、アルバラデホが尻餅、さらに焦って一塁へ悪送球。結果、ノーアウト一塁三塁という巨人にとっては絶体絶命のピンチがあった。

前の試合で、アルバラデホのバント処理がタドタドしかったので、打者はわざとアルバラデホの足下に転がしたのかもしれない。ロッテというチームは、この辺は抜け目がない。

次打者の岡田が内野ゴロを打ち、セカンドとホームの併殺となったため、ロッテのチャンスは一気に潰れた。しかし、アルバラデホのフィールディングが拙いことが発覚したのは大きい。今後、他チームもこの弱点を突いてくる可能性があるので、抑えというポジションを続けるのならば、アルバラデホは何か対策を立てる必要があるかもしれない。

これだけ大きなチャンスを逃がしたのだから、本来なら、次の伊志嶺が凡退してゲームセットである。伊志嶺の打率は2割3分台、今季のホームランは1本。しかも、この試合では、ここまで4打席無安打。流れを一気に変えるようなバッターには到底思えない。

しかし、一塁の岡田が盗塁で二進したときから、空気が微妙に変わり始める。

岡田の盗塁については、巨人はチームとして無視していたようだった。アルバラデホは一球も牽制をせず、クイックで投げる風でもなかった。また、盗塁の際に、ショートもセカンドも二塁に入らず、阿部は投げるそぶりさえ見せなかった。

なるほど、打者との勝負に専念して、走者は気にしない方針である。伊志嶺の成績を考えれば、悪くない選択だ。

しかし、ここで奇妙なことが起こる。

巨人ベンチは外野に前進守備をさせて、岡田のホーム突入阻止に重きを置いた守備を取ったのだ。

であれば、なぜ岡田の盗塁にノーマークだったのか、意味が分からなくなる。打者を討ち取ればそれで良いと考えていた筈なのに、二進された途端に走者のアウトへ方針転換。

これでは、岡田の盗塁は想定外で、巨人ベンチは不意を突かれて慌てているという印象をロッテに与えてしまう。

実際、浅くなった外野の位置を見て、伊志嶺は心が楽になったのではないだろうか。コンパクトに振り抜いて、外野の頭さえ越せば間違いなく同点に出来ると思ったかもしれない。

そして、アルバラデホの5球目に、その通りのことが起こった。

ただ、意外なことに伊志嶺の打球はぐんぐん伸びて、スタンドに入ってしまった。奇跡の逆転ホームランである。

今季の公式球は、山なりのフライは失速するが、低いライナーは却って伸びると言われているので、その効果だったのかもしれない。

しかし、伊志嶺のホームランを生んだ原因の一つは、巨人ベンチが「バッター勝負」という方針を途中で代えてしまったことだ。

岡田の盗塁以後、前進守備のために、アルバラデホと阿部のバッテリーは急に配球の変更を迫られて、混乱してしまった感がある。高めのストレートでフライを打たせても、万一浅い外野の頭を越せば大変なことになる。では、どういう球で勝負するのか、気持ちが定まらない中で投げて、そして打たれたのではないか。

こういった試合では、勝敗の行方はもう時の運次第なので、ベンチの作戦の善し悪しはあまり気にならないものである。しかし、一人のバッターの打席の途中で、チームの守備方針が急に変わって逆転ホームランというのは、やはり負けた方からすれば、少し悔いが残るかもしれない。

勿論、あの場面で打った伊志嶺が素晴らしかったことは間違いない。前進守備でなくとも、東京ドームのホームランは捕球できないから(笑)。

それにしても、ロッテというのは、本当に最後の最後まで諦めない、空恐ろしい粘りのチームである。昨シーズン、パリーグ三位から日本一になったのも頷けるというものだ。

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ちょっと野球の話 ~ 寺原の「恩返し」とかラミレスの交代時期とか

2011-06-15 15:38:39 | 野球
昨日6月14日の横浜・オリックス戦は、先発の横浜・山本とオリックス・寺原が、この春に交換トレードで移籍したばかりで、ある意味、因縁の対決だった。しかしフタを開けてみると9対0でオリックスが圧勝。寺原は8回104球無失点という圧巻のピッチングを見せて、古巣への強烈な「恩返し」となった。

寺原投手は、5月23日の巨人戦でも1失点の完投勝利を挙げた。この試合では、同点で迎えた9回の打席で、リリーフの越智を相手に、2アウト、ランナーなしから8球も粘ってフォアボールを選び、決勝点の切っ掛けを作った場面は印象的だった。

要するに、今、乗りに乗っているということだ。

横浜からすれば、見切りをつけて放出したピッチャーが、移籍後半年も経たないうちに別人のような活躍を見せて、すでに6勝を挙げているわけで、寺原を指導したチームのスタッフやトレードを進めた球団の編成は、もう情けなくなるほどの無能と言わざるを得ない。

かつて寺原とのトレードで、ソフトバンクに放出した多村といい、現場も球団も「プロ」という言葉を使えないほど低レベルな仕事っぷりだ。

しかも、相変わらず尾花監督は、昨日も初回から送りバントのガチガチ野球である。チーム防御率が12球団中最低なのに、なぜ投手戦モードの攻めにこだわるのか理解が出来ない。

ところで、寺原を完投させなかったのは、岡田監督の横浜への「配慮」という噂もあるが、そうだとしても、横浜からすれば「恥の上塗り」以外の何ものでもない。むしろ寺原に完封して頂いて、現場スタッフやフロントの責任をはっきりさせて、総入れ替えした方が有り難いというものだ。

本当の理由はよく分からないが、9回裏に投手を古川に代えたのは、「配慮」ではなく岡田流の「嫌み」だったんじゃなかろうか?(笑)

一方、巨人・ロッテ戦は、ラミレスの交代時期を誤ったことが巨人にとって痛かった。

同点で迎えた延長10回表、ロッテの先頭打者大松がレフト前ヒットで二塁まで進んだが、これは左翼ラミレスの緩慢な動きと弱い肩を計算に入れた、大松のファインプレーである。

大松はすぐに代走を出されたことからも分かるように、それほど足は速くない。レフトがラミレスでなければ、左に流して迷わず二塁まで走ろうとは思わなかったかもしれない。

ところが原監督は、今江の送りバントで代走南竜が三塁に進んでも、ラミレスを代えようとはしなかった。福浦が左打者で、レフト方向に打球が飛ぶ可能性は低いと見たのかもしれない。結果として、福浦はフォアボールを選び、ラミレスの守備とは関係なかったが、あまりに楽観的で危険な試合運びである。

結局、次の代打キム・テギュンに対して、アルバラデホの初球が頭上をかすめるボールとなった時点で、原監督はようやくレフトに矢野を入れ、ピッチャーも山口にスイッチした。

しかし、時すでに遅し。内角低めのストレートをキム・テギュンに上手くすくわれて、大きなセンターフライを打たれ、試合を決める1点がロッテに入ってしまった。

投高打低で試合が進む中、3時間30分の延長規定もあって、次の1点でほぼ勝負が決まるという展開。10回表の頭から、遅くとも大松の二塁打が出た時点で、守備に難のあるラミレスをベンチに下げて内外野の強化を図るのが普通の発想である。

しかも、今季コンバートの亀井に代えて三塁に脇谷を入れるのは良いとしても、ライトは亀井ではなく高橋由伸に守らせるのが間違いなくベストである。高橋の守備は相手チームの脅威で、この試合でも、4回表1アウト満塁の場面で、ライトフライを小刻みに前進しながら捕球して、三塁ランナーのタッチアップを断念させている。

勿論、10回表の守備に高橋は使えない。原監督が、9回裏フォアボールで出た高橋に、代走として脇谷を送ったからである。そして、これは明らかな「悪手」である。走塁面でも、その後の守備面でも、チームにとってマイナスにしかならない。また、10回あるいは11回の攻撃での戦力ダウンから、ラミレスの交代を難しくした一因でもある。

さらに、ピッチャーの交代も遅かった。大松のヒットでノーアウト二塁となった時点で、バント処理に不安のあるアルバラデホを降板させるべきだろう。今江はバットコントロールの上手い選手なので、フィールディングのよいピッチャーをぶつけてプレッシャーを掛けなければ、1アウト三塁を阻止するのは難しい。

しかし、投手交代はなく、制球にも苦しんでいたアルバラデホがそのまま続投。今江は落ち着いてバントを決め、南竜は余裕を持って三塁に進んでしまった。

昨日の試合に限れば、巨人とロッテの戦力はほぼ互角だった。しかし、9回裏の高橋由伸への代走、10回表の守備固めと投手交代の遅れで、勝利の女神がロッテに微笑んだ。

監督の采配が勝敗に響くことは意外に少ないと言うが、昨日の巨人・ロッテ戦はその珍しいケースの一つだったのかもしれない。

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ちょっと野球の話 ~ 阿部慎之介の配球とか原監督の代走起用とか

2011-06-13 14:10:22 | 野球
昨日のオリックス・巨人戦(6月12日、京セラドーム)は、同点で迎えた8回裏、2アウトから5番指名打者の北川がツーランを放って試合が決まった。

巨人は阿部選手がキャッチャーだったが、北川への配球には首を傾げたくなった。

次打者のイ・スンヨプは連続三振を更新中で全く当たっていない。おそらく北川も勝負して貰えるとは思っていなかっただろう。実際、初球のストライクゾーンに入るストレートをピクリともせず見逃している。

ところが、外角のスライダーを挟んで、再び2球続けてストライクゾーン近辺にストレートが来るに及んで、北川は完全にスイッチが入って、打つ気満々になってきた。しかも、ツーストライクながら、ストレートに的を絞って、球を思い切りぶっ叩こうという雰囲気が濃厚だった。

当然、バッテリーとしては、最後の決め球として、変化球を選択するのが普通で、次のバッターを考えれば、ストライクを投げる必要すらない。

しかし、阿部の要求は高めのストレート。これが運悪くど真ん中に入ってきて、特大のホームランとなった。

確かに、あの球は沢村の失投で、もう少し高めにコントロールされていたら外野フライだったかもしれない。だが、同点のゲーム終盤、ストレートを待っている長距離バッターに、注文通りの球を投げるのは、危険すぎる選択だろう。

実は、先週木曜日のソフトバンク戦でも同じような場面があった。

ソフトバンク1点リードで迎えた8回裏、1アウト、ランナー1塁3塁でバッター内川。内角にまともなボールは来ないと読んでいた内川は、外角へのボールになるスライダーに手を出すなど、流し打ちの意図が見え見えだった。犠牲フライで1点取れば十分という発想である。

しかし、ここでも阿部捕手は外角のストレートを要求。東野のストレートが高めに浮いたところを内川に捉えられて、ライトフライ。3塁走者がホームインして、試合を決める決定的な1点が入ってしまった。

終盤の大事な場面で、北川や内川といった強打者に対して、敢えて注文通りのボールで勝負するのは、ピッチャーの力を信じた強気の作戦かもしれないが、勝ちにこだわるのであれば避けるべき配球ではないかと思う。

これまで阿部のリードが気になったことはあまり無かったので、この二つの打席はとくに印象に残った。怪我で開幕に出遅れたことが、何か影響しているんだろうか。

一方、原監督の采配は、昨日も凄かった。

8回表、フェンス直撃の二塁打を放った谷が、さらに藤村の内野安打で3塁へ。ここで、なんと谷をベンチに下げて鈴木が代走。

ランナーが3塁まで進んでいるのに代走を出すのには驚いた。谷も特別足が遅いわけではないので、ひょっとしてホームスチールでも仕掛けるのかと思った(笑)。

しかし、鈴木は次打者・亀井のボテボテの内野ゴロで飛び出し、3塁線上で挟まれてアウト。こういう走塁ミスが嫌だから代走を出したはずなのだが、ホームでのクロスプレーすらなく終わってしまった。

ところが、7回表の攻撃では、ラミレスがフォアボールを選んでノーアウトから出塁した場面、次の高橋由伸に送りバントのサインを出したのに、代走はなし。

結局、ラミレスは2塁でアウトにされ、送りバントは失敗となった。

高橋のバントが拙かったといえばそれまでだが、ここが勝負所とみて5番にバントさせているのだから、足の遅いラミレスに代走を出して、相手バッテリーにプレッシャーを掛けるのが、まあ普通の采配である。

そしてとどめは、2点を追う9回表、ツーアウトからフェンス直撃の二塁打を放った高橋に代えて松本。高橋はむしろ足が速い方で、しかも同点や逆転のランナーでもないのに代走。

次の長野がセンター前にタイムリーを打って、松本は見事な走りで生還するが、案の定、オリックス守備陣は松本には目もくれず、長野の二進を阻止することのみに専念。

全然、高橋で良かったと思うぞ(笑)。

原監督の「迷」采配も、昨年までなら、ラミレス、小笠原、阿部あたりがばんばんホームランを打って、結局試合に勝ってしまうので、ご愛嬌で済んでいたが、貧打に喘ぐ今年は、シャレにならなくなっている。

少ないヒットで効率的に点を取るためには、やはり野球常識に沿った采配が一番のはずだが、原監督からすれば、それでは仕事をした気にならないのかもしれない。


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コメント (1)
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自民党は原発と発送分離への態度を明確にせよ

2011-06-04 11:16:08 | 政治
内閣不信任案は否決され、政治的混乱はひとまず収まった。しかし、自民・公明両党は参議院での問責もちらつかせるなど、依然として菅政権への揺さぶりを模索しているようだ。

もし、自民・公明が本当に現政権を拒否して、このまま対決姿勢を続け、解散総選挙も辞さない構えであるならば、国民に向かって具体的な政策を示さなければならない。

とくに、原発を推進するかどうかと、発電と送電を分ける発送分離の二点は、今の日本における最大の課題である以上、自らの政策を明確にする義務がある。

ところが、自民党から聞こえてくるのは、菅首相への批判ばかりである。

例えば、大島副総裁は浜岡原発の全面停止について「首相の判断に裏付けがあるのか」と述べているが、では自らが政権にいた場合、浜岡を止めたのかどうかについては、語っていない。

また、菅首相は、原発依存度を高めていく従来の政府方針を変更して、太陽光など再生可能エネルギーを開発していく政策を発表したが、これに対して、自民党がどう考えているのかよく分からない。

発送分離については、自民党の一部で、肯定的な意見が出ているというニュースも流れたが、執行部としてどういう政策を持っているのか、これも分からない。

重要問題に対する政策を明確に打ち出さないまま、内閣不信任案を提出するのは、無責任な態度であり、次期政権を狙う政党としては、完全に失格と言わざるを得ない。

週刊文春6月9日号(p134-138)には、多くの政治家が東京電力から献金を受け取り、便宜を図って貰っていたとの記事が出ている。

国民は、東電マネーが政界に流れ込んでいることを見抜いているので、原発政策や発送分離の議論が歪められてしまうのではないかと、危惧している人は少なくない。

菅首相への揺さぶりが、あまり世論の支持を受けないのも、東電マネーにどっぷり漬かった政治家たちが、東電とは一切関係ない菅直人という政治家を排除しようとしている、そういう構図を見ているからだろう。

真に責任政党を唱うのであれば、谷垣総裁は過去の自民党政権が行ってきた原発推進政策を反省、総括する必要がある。そして、原発と発送分離へのこれからの態度を明確にして、国民にエネルギー政策の未来像を示さなければならない。

その政策を見て、国民がどう考えるか、そこから本当に建設的な議論が始まるはずである。


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原発も赤字も、作ったのは自民党

2011-06-03 08:12:54 | 政治
内閣不信任案はすったもんだの末に否決されたが、谷垣氏など自民党議員の菅首相批判を聞いていると、腹が立つのを通り越して、あきれ果ててしまった。

菅首相では原発事故の収束は出来ないというが、安全対策を怠った危険な原発を作り続けてきたのは、まさに自分たち自民党政権である。

福島第一原発では、全電源喪失への対応が皆無だった上に、緊急時炉心冷却用の非常用復水器や高圧注水系も機能せず、ベント弁すら上手く開かなかった。これらの一つでも正常に作動していれば、これほどまでの大事故にはならなかっただろう。

自民党政権が、原発の安全性を軽視し続けたことが、今の悲惨な放射能汚染につながっている。

また、自民党は震災復興の遅れを指摘するが、一番の原因は菅首相の能力ではなく、巨額の財政赤字である。本来なら、復興債券を発行して財源に充てればいいのだが、実質歳入の数十倍に上る債務残高を抱えている現状では、大型の国債発行は到底無理である。

そのため増税ということになるが、消費税にしても所得税にしても、震災復興の妨げになる可能性もあり、容易には踏み込めない。こういった財源不足が足かせとなって、被災地の復興は遅々として進まない。

大型公共事業を連発して、危険水域を遥かに越える国債発行を長年続けて、日本の財政を瀕死の状態に追い込んだのも、自民党政権である。

しかし、彼らの口から国民に対して反省や謝罪の言葉は一切出てこない。それどころか、責任の全てを今の内閣に押し付けて、人格攻撃とすら受け取られかねない調子で菅首相の批判を繰り返した。

今回の不信任案騒動ではっきりしたのは、自民党に再び政権を取らせてはいけないということである。自分の失政を見つめる勇気がなく、それを他者攻撃にすり替えて誤魔化すような政治家に、国を任せることなど出来ない。

一方、菅首相も反省すべき点は少なくない。

学者や作家を登用していくつも有識者会議を作るのではなく、国民が選んだ議員たちに党内や国会で広く議論させて、様々な復興策を決めていくのが筋である。

なぜ選ばれたのか不明な民間人が復興策決定を主導して、党内の大部分の若手に発言する機会がなければ、不満が鬱積するのも当たり前である。

参議院の勢力分布が不安定な現在、総選挙をしてどんな政権が誕生しても、強力な政治指導力は期待できない。また、民主党内で首相を変えても、発足後数ヶ月は支持率が高いだろうが、すぐに人気が落ちて、これまでの二の舞である。

さらに大連立のような連立組み替えも、事実上は絵空事である。

つまり、財政だけではなく、政治も今ドン詰まり状態で身動きが取れない。結局、しばらくは、菅首相が踏ん張って震災復興を進めていくしか道はない。

良いとか悪いとかではなく、それしかない、やるしかないということだ。

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首相交代は日本の恥

2011-06-02 01:45:35 | 政治
過去5年間のG8へ出席した各国の首脳

アメリカ
2007 ブッシュ大統領
2008 ブッシュ大統領
2009 オバマ大統領
2010 オバマ大統領
2011 オバマ大統領

イギリス
2007 ブレア首相
2008 ブラウン首相
2009 ブラウン首相
2010 キャメロン首相
2011 キャメロン首相

イタリア
2007 プローディ首相
2008 ベルルスコーニ首相
2009 ベルルスコーニ首相
2010 ベルルスコーニ首相
2011 ベルルスコーニ首相

カナダ
2007 ハーパー首相
2008 ハーパー首相
2009 ハーパー首相
2010 ハーパー首相
2011 ハーパー首相

ドイツ
2007 メルケル首相
2008 メルケル首相
2009 メルケル首相
2010 メルケル首相
2011 メルケル首相

フランス
2007 サルコジ大統領
2008 サルコジ大統領
2009 サルコジ大統領
2010 サルコジ大統領
2011 サルコジ大統領

ロシア
2007 プーチン大統領
2008 メドヴェージェフ大統領
2009 メドヴェージェフ大統領
2010 メドヴェージェフ大統領
2011 メドヴェージェフ大統領

日本
2007 安倍首相
2008 福田首相
2009 麻生首相
2010 菅首相
2011 菅首相

日本の国際的地位が低下するのは当たり前。日本の首相との会談は無意味と言われても返す言葉がない。

この上、不信任案を可決して、また首相を変えても、世界の笑い者になるだけである。だだ、次は日本の政治だけでなく、我々国民も嘲笑の的にされるだろう。

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内閣不信任案は無責任政治の再臨界

2011-06-01 09:47:27 | 原発事故
海水注入の中断問題では「可能性はゼロではない」=「事実上ゼロ」という班目委員長のウルトラCが物議をかもした。

しかし、多くの専門家の話を聞いていると、福島第一原発では、どうやら今でも再臨界の「可能性はゼロではない」ようだ。

燃料棒の間に制御棒が入ると、多量の中性子を介した連鎖的な核分裂反応は停止して、後は核崩壊による崩壊熱だけが問題となる。反応停止は燃料棒の形や相互の距離といった空間的な要因に負うところが大きい。

しかし、福島の事故のように、核燃料が溶け落ちて圧力容器や格納容器の底に不定形の塊となって存在している場合は、核分裂の連鎖を抑制する原子の空間配置が失われるので、話は違ってくる。とくに核燃料が高温で液化していると、原子の動きはさらに自由度を増すので、局所的で小規模な連鎖核分裂が今現在起こっている可能性も否定できない。

さらに、もし何かのはずみで溶融した核燃料の形が急激に変わると、大規模な連鎖核分裂、つまり再臨界が起こる可能性もゼロではないらしい。

例えば、3号機原子炉は、プルトニウムを混ぜた核燃料で発熱量が大きく、未だに相当な高温状態が続いている。つい最近も炉内温度が300度近くまで上昇したというニュースが流れた。その後、100度台まで下がったそうだが、安心できる状況からはほど遠い。

原発事故発生から二ヶ月半。事故処理は順調に進み、危機的状況は脱したという雰囲気が日本を覆いつつある。危機感の欠如は、とくに中央の政治家たちに著しい。その好例が、菅政権への内閣不信任案提出である。

しかし、大きな問題がないように見えるのは、東京電力が大きな問題を見せないからに過ぎない。溢れかえる高濃度汚染水や「可能性はゼロではない」再臨界など、事故の状況は予断を許さない。

もし解散総選挙や内閣総辞職となって、連立だ、新党だと騒いでいるときに、福島第一原発で再臨界が起り、水蒸気爆発によって原子炉が吹き飛んで、広範囲に放射性物質が降り注ぐことになったら、一体誰が事態収拾に当たるのだろうか?

また、東電や保安院が汚染水の一部海洋投棄を画策し始めたら、誰がそれを抑えて、周辺国や国際機関の懸念を払拭するのだろうか?

尖閣諸島の中国船による領海侵犯事件は、鳩山首相退陣表明後の民主党代表選挙という政治空白期間に起こり、政府は素早い対応が取れず、その後日本は外交上厳しい立場に立たされた。

イラ菅だ、指導力不足だ、市民運動家だと、与野党で政治ごっこをしているだけならまだ害は少ないが、不信任案可決という不要不急の政治空白を作って、再び日本を危機に晒すことは許されない。

福島第一原発の再臨界と同様、不信任案可決も「可能性はゼロではない」らしいが、後者は容易に防ぐことができる。国会議員は、それがもたらす破壊力を十分に考えて行動すべきである。

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事故処理が破綻しつつある ~ 溢れかえる放射性汚染水 (2011/05/31)

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