アルバラデホ、アルバラデホ。
難しいので二回書いてみた(笑)。どうしても、ときどき「アルデバラホ」になるのは何故なんだろう?
さて、昨日6月15日の巨人・ロッテ戦は、巨人1点リードで迎えた9回表、2アウトから伊志嶺がツーランホームランを放ち、土壇場でロッテが逆転勝ち。劇的な幕切れとなった。
ホームランの前に、まず里崎のヒットでノーアウト一塁という場面があって、次の打者は当然送りバント。このバント処理の際、アルバラデホが尻餅、さらに焦って一塁へ悪送球。結果、ノーアウト一塁三塁という巨人にとっては絶体絶命のピンチがあった。
前の試合で、アルバラデホのバント処理がタドタドしかったので、打者はわざとアルバラデホの足下に転がしたのかもしれない。ロッテというチームは、この辺は抜け目がない。
次打者の岡田が内野ゴロを打ち、セカンドとホームの併殺となったため、ロッテのチャンスは一気に潰れた。しかし、アルバラデホのフィールディングが拙いことが発覚したのは大きい。今後、他チームもこの弱点を突いてくる可能性があるので、抑えというポジションを続けるのならば、アルバラデホは何か対策を立てる必要があるかもしれない。
これだけ大きなチャンスを逃がしたのだから、本来なら、次の伊志嶺が凡退してゲームセットである。伊志嶺の打率は2割3分台、今季のホームランは1本。しかも、この試合では、ここまで4打席無安打。流れを一気に変えるようなバッターには到底思えない。
しかし、一塁の岡田が盗塁で二進したときから、空気が微妙に変わり始める。
岡田の盗塁については、巨人はチームとして無視していたようだった。アルバラデホは一球も牽制をせず、クイックで投げる風でもなかった。また、盗塁の際に、ショートもセカンドも二塁に入らず、阿部は投げるそぶりさえ見せなかった。
なるほど、打者との勝負に専念して、走者は気にしない方針である。伊志嶺の成績を考えれば、悪くない選択だ。
しかし、ここで奇妙なことが起こる。
巨人ベンチは外野に前進守備をさせて、岡田のホーム突入阻止に重きを置いた守備を取ったのだ。
であれば、なぜ岡田の盗塁にノーマークだったのか、意味が分からなくなる。打者を討ち取ればそれで良いと考えていた筈なのに、二進された途端に走者のアウトへ方針転換。
これでは、岡田の盗塁は想定外で、巨人ベンチは不意を突かれて慌てているという印象をロッテに与えてしまう。
実際、浅くなった外野の位置を見て、伊志嶺は心が楽になったのではないだろうか。コンパクトに振り抜いて、外野の頭さえ越せば間違いなく同点に出来ると思ったかもしれない。
そして、アルバラデホの5球目に、その通りのことが起こった。
ただ、意外なことに伊志嶺の打球はぐんぐん伸びて、スタンドに入ってしまった。奇跡の逆転ホームランである。
今季の公式球は、山なりのフライは失速するが、低いライナーは却って伸びると言われているので、その効果だったのかもしれない。
しかし、伊志嶺のホームランを生んだ原因の一つは、巨人ベンチが「バッター勝負」という方針を途中で代えてしまったことだ。
岡田の盗塁以後、前進守備のために、アルバラデホと阿部のバッテリーは急に配球の変更を迫られて、混乱してしまった感がある。高めのストレートでフライを打たせても、万一浅い外野の頭を越せば大変なことになる。では、どういう球で勝負するのか、気持ちが定まらない中で投げて、そして打たれたのではないか。
こういった試合では、勝敗の行方はもう時の運次第なので、ベンチの作戦の善し悪しはあまり気にならないものである。しかし、一人のバッターの打席の途中で、チームの守備方針が急に変わって逆転ホームランというのは、やはり負けた方からすれば、少し悔いが残るかもしれない。
勿論、あの場面で打った伊志嶺が素晴らしかったことは間違いない。前進守備でなくとも、東京ドームのホームランは捕球できないから(笑)。
それにしても、ロッテというのは、本当に最後の最後まで諦めない、空恐ろしい粘りのチームである。昨シーズン、パリーグ三位から日本一になったのも頷けるというものだ。
<関連ブログ>
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難しいので二回書いてみた(笑)。どうしても、ときどき「アルデバラホ」になるのは何故なんだろう?
さて、昨日6月15日の巨人・ロッテ戦は、巨人1点リードで迎えた9回表、2アウトから伊志嶺がツーランホームランを放ち、土壇場でロッテが逆転勝ち。劇的な幕切れとなった。
ホームランの前に、まず里崎のヒットでノーアウト一塁という場面があって、次の打者は当然送りバント。このバント処理の際、アルバラデホが尻餅、さらに焦って一塁へ悪送球。結果、ノーアウト一塁三塁という巨人にとっては絶体絶命のピンチがあった。
前の試合で、アルバラデホのバント処理がタドタドしかったので、打者はわざとアルバラデホの足下に転がしたのかもしれない。ロッテというチームは、この辺は抜け目がない。
次打者の岡田が内野ゴロを打ち、セカンドとホームの併殺となったため、ロッテのチャンスは一気に潰れた。しかし、アルバラデホのフィールディングが拙いことが発覚したのは大きい。今後、他チームもこの弱点を突いてくる可能性があるので、抑えというポジションを続けるのならば、アルバラデホは何か対策を立てる必要があるかもしれない。
これだけ大きなチャンスを逃がしたのだから、本来なら、次の伊志嶺が凡退してゲームセットである。伊志嶺の打率は2割3分台、今季のホームランは1本。しかも、この試合では、ここまで4打席無安打。流れを一気に変えるようなバッターには到底思えない。
しかし、一塁の岡田が盗塁で二進したときから、空気が微妙に変わり始める。
岡田の盗塁については、巨人はチームとして無視していたようだった。アルバラデホは一球も牽制をせず、クイックで投げる風でもなかった。また、盗塁の際に、ショートもセカンドも二塁に入らず、阿部は投げるそぶりさえ見せなかった。
なるほど、打者との勝負に専念して、走者は気にしない方針である。伊志嶺の成績を考えれば、悪くない選択だ。
しかし、ここで奇妙なことが起こる。
巨人ベンチは外野に前進守備をさせて、岡田のホーム突入阻止に重きを置いた守備を取ったのだ。
であれば、なぜ岡田の盗塁にノーマークだったのか、意味が分からなくなる。打者を討ち取ればそれで良いと考えていた筈なのに、二進された途端に走者のアウトへ方針転換。
これでは、岡田の盗塁は想定外で、巨人ベンチは不意を突かれて慌てているという印象をロッテに与えてしまう。
実際、浅くなった外野の位置を見て、伊志嶺は心が楽になったのではないだろうか。コンパクトに振り抜いて、外野の頭さえ越せば間違いなく同点に出来ると思ったかもしれない。
そして、アルバラデホの5球目に、その通りのことが起こった。
ただ、意外なことに伊志嶺の打球はぐんぐん伸びて、スタンドに入ってしまった。奇跡の逆転ホームランである。
今季の公式球は、山なりのフライは失速するが、低いライナーは却って伸びると言われているので、その効果だったのかもしれない。
しかし、伊志嶺のホームランを生んだ原因の一つは、巨人ベンチが「バッター勝負」という方針を途中で代えてしまったことだ。
岡田の盗塁以後、前進守備のために、アルバラデホと阿部のバッテリーは急に配球の変更を迫られて、混乱してしまった感がある。高めのストレートでフライを打たせても、万一浅い外野の頭を越せば大変なことになる。では、どういう球で勝負するのか、気持ちが定まらない中で投げて、そして打たれたのではないか。
こういった試合では、勝敗の行方はもう時の運次第なので、ベンチの作戦の善し悪しはあまり気にならないものである。しかし、一人のバッターの打席の途中で、チームの守備方針が急に変わって逆転ホームランというのは、やはり負けた方からすれば、少し悔いが残るかもしれない。
勿論、あの場面で打った伊志嶺が素晴らしかったことは間違いない。前進守備でなくとも、東京ドームのホームランは捕球できないから(笑)。
それにしても、ロッテというのは、本当に最後の最後まで諦めない、空恐ろしい粘りのチームである。昨シーズン、パリーグ三位から日本一になったのも頷けるというものだ。
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