イージス艦「あたご」が、マグロ漁船清徳丸と衝突した事件。漁船団乗組員の証言が明確であるのに対して、防衛省側の説明に、不可解な点が多く、真相が見えてこない。
各漁船の動きから、「あたご」に、回避義務があったことは、はっきりしてきた。しかし、なぜ、「あたご」が、一切、舵を切らず、自動操縦で直進を続けたのか、その理由が分からない。
「あたご」の見張り員が、漁船の存在に気付きながら、「緊急性を感じなかった」ため、報告を怠ったとも言われている。
だが、漁船を確認した見張り員が、それを上に報告しないというのは、ちょっと考えられない。緊急性があるかないか、判断するのは、艦橋にいる人間の仕事であって、見張り員のすることではない。それは、訓練で、叩き込まれているはずだ。
実際、元海上自衛官で、見張り員の経験のある人物が、自分の判断で、情報を上にあげないなど、あり得ない、とテレビで証言していた。頷ける話である。
だが、仮に報告をしなかったとしても、「あたご」には、立派な航行用レーダーが備わっており、それにレーダー員が張り付いている。また、艦橋は、非常に高い位置にあって、遠くまで見晴らすことが出来る。
つまり、見張り員以外に、二重三重の「目」を持って、海上を見ていたはずで、誰も、漁船に気づかないというのは、むしろ不可能である。
従って、問題は、別のところにある。
自動操縦を手動に切り換えたり、衝突回避のために減速したり、舵を切ったり、そういう命令を下す人物は、誰だったのか、そして、その人物は、なぜ、それらを怠り、漫然と航行を続けたのか。それが一番の問題だ。
防衛省の記者会見を聞いていると、見張り員の話は、やたら出てくるが、責任者である、当直士官や、艦長については、さっぱり、情報が出てこない。
国民が、不信を募らせているのは、まさに、この点だ。
つまり、防衛省は、そういったエリートをかばおうとして、情報操作しているのではないか。万一、当直士官が、持ち場である艦橋に居なかった、あるいは、航行の危険水域に入っているのに、艦長が寝ていた、とすれば、重大な怠慢である。
だからこそ、当直士官や艦長について、当時の居場所、行動、指示内容を、明らかにしなければならないが、今もって、何も分からない。
この責任は、石破大臣にある。
トップが指導力を発揮しなければ、防衛省からは、エリート幹部について、都合の悪い情報は、絶対に出てこない。せいぜい、一番下の見張り員が、詰め腹を切らされるだけである。
石破氏は、当時、「あたご」の中で、艦長や当直士官は、何をしていたのか、国民に説明するよう、命じなければならない。巨額の税金で購入したイージス艦が、その納税者を、二人も死なせている。防衛省の、近視眼的な組織防衛は、国民が許さないだろう。
海上幕僚長は、事故直後の会見で、イージス艦搭載のレーダーは、小さな漁船だと、映らないこともある、と発言している。
真っ赤な嘘である。
この手の小賢しい嘘が、海上自衛隊のトップから出てくるのは、石破大臣が、事実を正確に伝えるよう、部下に徹底しないからだ。軍事技術の専門家であるべき制服組のトップが、技術情報をねじ曲げて国民に伝える。この発言だけで、海幕長は、更迭に値するが、大臣からは、お咎めなしである。
亡くなった方の遺族が、石破氏に、こう言ったそうである。
「辞めるなら、真相を明らかにしてから、辞めて欲しい」
真相を明らかにする力がないのなら、石破大臣は、今すぐ、辞めるべきである。
各漁船の動きから、「あたご」に、回避義務があったことは、はっきりしてきた。しかし、なぜ、「あたご」が、一切、舵を切らず、自動操縦で直進を続けたのか、その理由が分からない。
「あたご」の見張り員が、漁船の存在に気付きながら、「緊急性を感じなかった」ため、報告を怠ったとも言われている。
だが、漁船を確認した見張り員が、それを上に報告しないというのは、ちょっと考えられない。緊急性があるかないか、判断するのは、艦橋にいる人間の仕事であって、見張り員のすることではない。それは、訓練で、叩き込まれているはずだ。
実際、元海上自衛官で、見張り員の経験のある人物が、自分の判断で、情報を上にあげないなど、あり得ない、とテレビで証言していた。頷ける話である。
だが、仮に報告をしなかったとしても、「あたご」には、立派な航行用レーダーが備わっており、それにレーダー員が張り付いている。また、艦橋は、非常に高い位置にあって、遠くまで見晴らすことが出来る。
つまり、見張り員以外に、二重三重の「目」を持って、海上を見ていたはずで、誰も、漁船に気づかないというのは、むしろ不可能である。
従って、問題は、別のところにある。
自動操縦を手動に切り換えたり、衝突回避のために減速したり、舵を切ったり、そういう命令を下す人物は、誰だったのか、そして、その人物は、なぜ、それらを怠り、漫然と航行を続けたのか。それが一番の問題だ。
防衛省の記者会見を聞いていると、見張り員の話は、やたら出てくるが、責任者である、当直士官や、艦長については、さっぱり、情報が出てこない。
国民が、不信を募らせているのは、まさに、この点だ。
つまり、防衛省は、そういったエリートをかばおうとして、情報操作しているのではないか。万一、当直士官が、持ち場である艦橋に居なかった、あるいは、航行の危険水域に入っているのに、艦長が寝ていた、とすれば、重大な怠慢である。
だからこそ、当直士官や艦長について、当時の居場所、行動、指示内容を、明らかにしなければならないが、今もって、何も分からない。
この責任は、石破大臣にある。
トップが指導力を発揮しなければ、防衛省からは、エリート幹部について、都合の悪い情報は、絶対に出てこない。せいぜい、一番下の見張り員が、詰め腹を切らされるだけである。
石破氏は、当時、「あたご」の中で、艦長や当直士官は、何をしていたのか、国民に説明するよう、命じなければならない。巨額の税金で購入したイージス艦が、その納税者を、二人も死なせている。防衛省の、近視眼的な組織防衛は、国民が許さないだろう。
海上幕僚長は、事故直後の会見で、イージス艦搭載のレーダーは、小さな漁船だと、映らないこともある、と発言している。
真っ赤な嘘である。
この手の小賢しい嘘が、海上自衛隊のトップから出てくるのは、石破大臣が、事実を正確に伝えるよう、部下に徹底しないからだ。軍事技術の専門家であるべき制服組のトップが、技術情報をねじ曲げて国民に伝える。この発言だけで、海幕長は、更迭に値するが、大臣からは、お咎めなしである。
亡くなった方の遺族が、石破氏に、こう言ったそうである。
「辞めるなら、真相を明らかにしてから、辞めて欲しい」
真相を明らかにする力がないのなら、石破大臣は、今すぐ、辞めるべきである。