メキシコで発生した豚インフルに対して、WHOは警戒レベルを、Phase4に引き上げた。人から人への感染が増加傾向にあるとの判断だ。
しかし、今回のインフルエンザには、まだ未知の部分が多い。
メキシコ国内では、感染を疑われている死者が100人以上、感染者数は1600人を越えていて、発症者には、重い肺炎が見られる。ただ、検査によって豚インフルの感染が確認されている例はまだ少なく、現在調査中のようだ。
一方、アメリカなど、海外に広がった感染者は、検査で確認されているが、いずれも比較的軽症で済んでいる。
海外感染者の総数は、まだ五十人にも満たないが、メキシコ国内での感染者と海外感染者の間に、症状の重篤性に関して、大きな隔たりがあるように見えることが、状況把握を難しくしている。
あくまで一つの推測であるが、もともと弱毒性の豚インフルに、メキシコ人の多くが近年経験したことのない変異が一部分入っていて、そのためメキシコで大流行している可能性がある。
私は、数年前に、ひどいインフルエンザに罹ったことがある。まるまる三日間、39度以上の熱が続いて、バファリンを飲んでも、数時間熱が下がるだけで、すぐに上がってしまう。
しんどいとか、だるいとかを通り越して、「死ぬんじゃないか」と本気で思ったほどだった。
あれほど風邪で苦しんだのは、大人になってからは、初めての経験だった。
勿論、このとき日本で、強毒性の新型インフルエンザが流行したという話は、全くない。恐らく、ウイルスの型から言うと、ありふれたタイプだったと思う。
しかし、大まかな分類で見ると、ありふれたウイルスでも、遺伝子の変異が自分にとって未知、あるいは、何十年も前に出会ったものであれば、それに対する免疫は非常に弱いわけで、特定の人にとって、毒性の強い「新型」インフルになってしまう。
もう一つ例を挙げると、これも数年前、若者の間に「はしか」が流行して、問題になったことがあった。
はしかウイルスが少なくなって、幼児期にはしかに罹らない子供が増え、さらに、ワクチンの接種も受けていない若者には、このありふれた伝染病も、「新型」と同じ意味を持ってしまう。
今回の豚インフル流行に、メキシコ人の免疫状況が関わっている可能性は、検討すべき有力な説の一つである。
とくに、メキシコでの発症者が、二十代から四十代という一定の年齢層に偏っているのは、この説と矛盾しない情報である。
いずれにしても、強毒性新型インフルのパンデミック(世界的大流行)一歩手前と捉えるには、まだ情報が少なすぎる。WHOも、世界に注意を促しつつ、この病気の本質を見極めることに、全力を挙げているようだ。
つい先日、メキシコを訪問したオバマ大統領曰く、
「警戒しなければならないが、必要以上に恐れることはない」
同感である。
しかし、今回のインフルエンザには、まだ未知の部分が多い。
メキシコ国内では、感染を疑われている死者が100人以上、感染者数は1600人を越えていて、発症者には、重い肺炎が見られる。ただ、検査によって豚インフルの感染が確認されている例はまだ少なく、現在調査中のようだ。
一方、アメリカなど、海外に広がった感染者は、検査で確認されているが、いずれも比較的軽症で済んでいる。
海外感染者の総数は、まだ五十人にも満たないが、メキシコ国内での感染者と海外感染者の間に、症状の重篤性に関して、大きな隔たりがあるように見えることが、状況把握を難しくしている。
あくまで一つの推測であるが、もともと弱毒性の豚インフルに、メキシコ人の多くが近年経験したことのない変異が一部分入っていて、そのためメキシコで大流行している可能性がある。
私は、数年前に、ひどいインフルエンザに罹ったことがある。まるまる三日間、39度以上の熱が続いて、バファリンを飲んでも、数時間熱が下がるだけで、すぐに上がってしまう。
しんどいとか、だるいとかを通り越して、「死ぬんじゃないか」と本気で思ったほどだった。
あれほど風邪で苦しんだのは、大人になってからは、初めての経験だった。
勿論、このとき日本で、強毒性の新型インフルエンザが流行したという話は、全くない。恐らく、ウイルスの型から言うと、ありふれたタイプだったと思う。
しかし、大まかな分類で見ると、ありふれたウイルスでも、遺伝子の変異が自分にとって未知、あるいは、何十年も前に出会ったものであれば、それに対する免疫は非常に弱いわけで、特定の人にとって、毒性の強い「新型」インフルになってしまう。
もう一つ例を挙げると、これも数年前、若者の間に「はしか」が流行して、問題になったことがあった。
はしかウイルスが少なくなって、幼児期にはしかに罹らない子供が増え、さらに、ワクチンの接種も受けていない若者には、このありふれた伝染病も、「新型」と同じ意味を持ってしまう。
今回の豚インフル流行に、メキシコ人の免疫状況が関わっている可能性は、検討すべき有力な説の一つである。
とくに、メキシコでの発症者が、二十代から四十代という一定の年齢層に偏っているのは、この説と矛盾しない情報である。
いずれにしても、強毒性新型インフルのパンデミック(世界的大流行)一歩手前と捉えるには、まだ情報が少なすぎる。WHOも、世界に注意を促しつつ、この病気の本質を見極めることに、全力を挙げているようだ。
つい先日、メキシコを訪問したオバマ大統領曰く、
「警戒しなければならないが、必要以上に恐れることはない」
同感である。