今回は、これまで予告してきた通り、各論第3話で、星野みなみさんを取り上げます。
では、始まり、始まり~!
生田絵梨花のイメージを「火」だとすれば、星野みなみは「水」である。
生田絵梨花を激しく噴火する火山だとすれば、星野みなみは静かな深い湖である。
湖の水は透き通っている。
しかし、のぞき込んで底を見ようとしても、
あまりに深く、紺碧の静寂が広がっているだけである。
静謐の彼方に、何があるのか誰にも分からない。
そして、湖を眺めていても、とくに何ごとも起こらないように見える。
しかし、やがて太陽が沈む頃、
夕日に赤く照らされた湖面が、少しざわつき始める。
その瞬間、この世のものとは思えないほど、美しい光景が広がっていることに、
もし、気づくひとがいたなら、
そのひとは、この湖が、太陽、風、空、森、などによって、多彩な表情に変化し、
奥深い魅力を秘めていることを理解するだろう。
そこに星野みなみの神髄がある。
ただ、そのことに気づいているひとは、まだ少ないかもしれない。
(第3話)
星野みなみをはっきりと意識したのは、4枚目「制服のマネキン」のカップリング曲「指望遠鏡」のミュージックビデオだった。
彼女は、このMVの中心イメージを担っていて、海に向かってブランコをこいだり、一人で遠くを眺めているシーンなど、他のメンバーとは別扱いになっていた。
とくに何か派手なことや意味のあることは起こらないのだが、MV全体に不思議な透明感を与えている。
最初、その透明感の理由が分からなかった。
やがて、無表情にこちらを見つめるシーンを見ていて、ハッと気がついた。
星野みなみは「無」を演じているのだということに。
その顔を見ていても、この子が、心の中で何を考えているのか、何を感じているのか、まったく伝わってこない。
何も「意味」はない、美しい風景の中に、美しい少女がいる。ただ、それだけだ。
しかし、
はじめて見た。
「無」というものを、ここまで見事に表現する役者を。
「無」のオーラで、この少女は「意味」以上の何かを伝えて、画面全体を神秘的な雰囲気に染め上げていた。
どんなに、心を平らにして、カメラと向き合っても、大抵の場合、必ず何らかの「意味」が、カメラの向こうに伝わってしまうものだ。
それは微かな目の動きであったり、顔の表情の変化であったり。
経験を積んだ俳優でも、これほどの時間、「無」を持続させるのは、相当に困難なはずだ。
しかし、そんな究極の感情表現を、この14歳の少女は、いとも簡単にやってみせている。
あり得ない、この子は天才なのか?
そして、星野みなみの「無」を見つめていると、透明な水をたたえた、深い湖を覗き込んでいるような気分になった。
見える筈なのに、どうしても瞳の向こうにあるものが見えない。
視線を深く潜らせれば潜らせるほど、紺碧の闇が深くなって、彼女の心の底に届かない。
5枚目「君の名は希望」のカップリング曲「シャキイズム」のミュージックビデオで、星野みなみは本領を発揮する。
主役の冴えない男子生徒である生駒里奈と、ひそかに相思相愛の気持ちを通わす、同級の女子生徒、星野みなみ。
授業中入って来て、いきなり告白を始める別クラスの桜井玲香扮する男子生徒に驚き、
ナチス親衛隊みたいな風紀委員たちに連れら去られるその男子を心配し、
放課後の掃除で、目と目が合って、いい雰囲気になっている彼氏の、煮え切らない態度に少し苛立ち、
それでも彼氏のことが好きで、いつも気にして・・・
星野みなみは、こういったヒロインの細かい感情変化を、これでもかというくらい精緻に、仕草や表情で表現して、高度な演技を見せつけている。
「指望遠鏡」で「無」を表現しきった静かな少女は、
ひとたび感情を表に出す役に入った途端、今度は、とてつもなく華やかなオーラを放ち始めて、
星野みなみが画面に出てくるたびに、画面の隅から隅までを「星野みなみ」一色に染め上げるパワーを見せつけている。
そして最も驚いたのは、星野みなみの演技には、特定の型がないことである。
子役として活躍している子供には、ほとんどの場合、アカデミーや劇団での演技指導が色濃く反映されている。
バレエの訓練を受けたひとは、どこかで、そのバレエ特有の身体表現が出てくる。
また、舞台出身の俳優は、舞台で培った癖が染みついていて、どんな役を演じていても、その癖がにじみ出てくる。
しかし、星野の演技には、癖がまったくない。
この少女の演技のルーツをいくら考えても、
演技パターン別フォルダーの、どこにも入れる場所がない。
あまりにも癖がなくて、自分は人生のどこかで、現実にこの少女と出会って、
「シャキイズム」と同じような場面を見たのではないか、
そんな錯覚に陥るくらい、自然な演技だった。
そして、その意味するところは、これほど完成された精密な役表現を、
星野みなみは、まったくの独学で、ほとんど指導も受けることなく、演じきったということだ。
おそらく、台本を見て、彼女は過去に体験した類似場面、あるいは、友人が類似体験を語ったときの、その友人の表情変化、そういったものを手がかりに、無意識のうちに、自ら演技プランを考案して演じた。
星野の役は、もちろん脚本上、間違いなくヒロインなのだが、
彼女の演じているヒロインは、その脚本の想定を越えた、もっとリアルな生身の少女になっていた。
星野みなみには、アカデミーも劇団も不要だし、余計な演出も要らない。
はっきりと方向さえ示せば、彼女の中から、自然に役が出てくる。
それだけで十分にドラマが成立してしまう。
生まれながらにして、こんな才能を持っている俳優は、滅多にいないだろう。
これは、演じるということの意味すら変化させかねないほど
スケールの大きな才能である。
間違いなく、演技の天才であり、天性のヒロインである。
そして、「制服のマネキン」で感じていた違和感が解消した。
星野みなみのダンスには、他とは違う、何か不思議な魅力があった。
何度か、見直してみて、気がついた。
実は、この子、ダンスが上手い。
回転の軸がぶれない。
一見、遅れているように見えるシーンも、遅れているのではなく、余裕を持って「柔らかく」動かしていて、全体とのバランスはしっかり維持している。
その結果、「女の子ダンス」とでも言うべき、キレがあるのに優しい、惹き付けられる個性的な踊りになっている。
そして、どの一瞬を切り取っても、「可愛い」を手放さない。
1秒ごとに「可愛い」、もう「可愛い」の現在進行形である(笑)。
しかも、その「可愛い」ダンスは全体から浮いているのではなく、
生田絵梨花の力強いダンス、生駒里奈の風のようなダンスと、絶妙な「ダンスの和音」を作って、楽曲全体を美しいハーモニーで満たしている。
いや、むしろ、星野のダンスこそ、もっとも難しい、鍵となるダンスで、
彼女がいなければ、全体から受ける印象そのものが変わってしまう、とすら言ってもいいだろう。
個人PV「私の中のモンスター」に収録されているソロ曲「お願いマイハート!!」でのダンスは、
星野みなみの「可愛い」ダンスの特徴を余すところなく見せつけている。
このPVを見ていると、つくづく、この少女のオリジナリティの高さと、それゆえの、分類不可能性を思い知らされる。
そして、分類出来ないものを評価するのは、評価する側に高い力量が要求される行為で、それに耐えられず、安易に「ダメ」レッテルを貼ってしまう人は、少なくないかもしれない。
星野みなみのオリジナリティ、その真骨頂は、演技やダンスのパフォーマンスに、何かしらの「余裕」を持たせる点にある。
迫真の演技でも、激しいダンスでも、
「懸命さ」や「必死さ」という要素を出来るだけ薄めて、
「優しく」「柔らかく」というテイストを忍び込ませる。
その結果、どこか余裕のある、可愛らしい、女の子的なイメージに仕上がっていく。
これが星野流である。
しかし、そのためには、まず基本的な部分を完全にマスターして、少しずつ動きに余裕を入れていくという、大変な作業が必要である。
「懸命さ」や「必死さ」をダイレクトに演出する以上に、努力が必要だろう。
以前、生田絵梨花が「頑張っている星野さんをみたことがない」と言ったことがあるが、それも無理からぬ話である。
なぜなら、
星野みなみは「頑張っている感」を消すために、せっせと努力を重ねている。
彼女のパーフォーマンスは、ゴールに近づけば近づくほど、
より「軽く」、より「簡単に」、より「楽に」見えてくる。
そして、消え行く「頑張っている感」に反比例して、どんどん「可愛く」なっていく。
「頑張っている星野さん」は、もうどこにも居ない。
もの凄く、誤解を与えやすい「頑張り」である(笑)。
星野流を理解出来ないひとは、「頑張っている」最中の彼女を見ても、
なにか「懸命さ」や「必死さ」が足りない、そして、怠慢であるとすら思うかもしれない。
そういった要素は、星野の中では「可愛い」とは両立しないらしい。
星野みなみの努力や才能を理解するのは、確かに難しい。
頑張っているんですけど~
頑張っているように、見えないみたいで~
「乃木坂って、どこ?」での本人の発言である。
こういう言葉ですら、優しく、可愛く、言ってしまうので、本気感がなかなか伝わりにくいのだが、
これは彼女の心の叫びだと思う。
しかし、現場で星野みなみに会って、彼女と本格的に仕事をした人間、
とくに、カメラごしに彼女を追い続けた人は、まったく違う感想を持つと思う。
みるみるうちに、要求したものを形にして、それどころか、それ以上のものを返してくる。
もの凄い努力家で、信じられないくらい飲み込みが早い、そう感じるのではないか。
「指望遠鏡」では、星野は海に向かってブランコをこいでいた。
個人PV「私の中のモンスター」では、開けっ放しの蛇口から、水道水が止めどなく流れていた。
いずれも「水」が使われている。
これらは、偶然ではないと思う。
星野みなみと関わったクリエーターたちが、彼女の魅力の本質に迫ろうとして、
しかし、それを精密に表現することが難しくて、
なんとか自分が感じたイメージを見せたかった、
そう、
それが「水」だったということである。
星野みなみは、美しい。しかも、とてつもなく可愛い。
しかし、それは彼女の才能のごく一部にすぎない。
星野みなみが素晴らしいのは、
彼女が、演技の天才であり、
ダンスの天才であり、
そして、天才的な「自分プロデューサー」であることだ。
ただ、その才能を理解するのは、なかなか難しく、多くの誤解も招いてしまう。
あるいは、それも「星野みなみ」が背負わなければならない、天才の一部なのかもしれない。
「乃木坂各論」
乃木坂各論第2話、若月佑美 ~ 相克の美少女アーティスト
乃木坂各論第1話、生田絵梨花 ~ 天才少女がやって来た!
// 星野みなみのコーナー
本人のブログ
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来ましたーー!第3弾!しかも、文章が充実してます、今回は(笑)。ブログの最後に、夢のような美少女が写った二枚の写真です。
6月27日付星野みなみのブログ
第2弾のみなみブログです!「ガールズルール」の衣装での自分撮り、めちゃめちゃ可愛いです。2013年の日本に生きていて、この写真見なきゃ、もう何見るんだってことです(笑)。
6月17日付星野みなみのブログ
星野みなみさん、二ヶ月ぶりにブログ更新です!掲載された4枚の写真は、二ヶ月のブランクなど吹き飛ばします。とくに一枚目は、星野さん、大人の魅力が入った超美人の表情を見せてます。
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7月8日22:06 秋元真夏
7月8日00:30 畠中清羅
7月7日22:54 樋口日奈
7月5日22:24 生田絵梨花
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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
では、始まり、始まり~!
生田絵梨花のイメージを「火」だとすれば、星野みなみは「水」である。
生田絵梨花を激しく噴火する火山だとすれば、星野みなみは静かな深い湖である。
湖の水は透き通っている。
しかし、のぞき込んで底を見ようとしても、
あまりに深く、紺碧の静寂が広がっているだけである。
静謐の彼方に、何があるのか誰にも分からない。
そして、湖を眺めていても、とくに何ごとも起こらないように見える。
しかし、やがて太陽が沈む頃、
夕日に赤く照らされた湖面が、少しざわつき始める。
その瞬間、この世のものとは思えないほど、美しい光景が広がっていることに、
もし、気づくひとがいたなら、
そのひとは、この湖が、太陽、風、空、森、などによって、多彩な表情に変化し、
奥深い魅力を秘めていることを理解するだろう。
そこに星野みなみの神髄がある。
ただ、そのことに気づいているひとは、まだ少ないかもしれない。
(第3話)
星野みなみをはっきりと意識したのは、4枚目「制服のマネキン」のカップリング曲「指望遠鏡」のミュージックビデオだった。
彼女は、このMVの中心イメージを担っていて、海に向かってブランコをこいだり、一人で遠くを眺めているシーンなど、他のメンバーとは別扱いになっていた。
とくに何か派手なことや意味のあることは起こらないのだが、MV全体に不思議な透明感を与えている。
最初、その透明感の理由が分からなかった。
やがて、無表情にこちらを見つめるシーンを見ていて、ハッと気がついた。
星野みなみは「無」を演じているのだということに。
その顔を見ていても、この子が、心の中で何を考えているのか、何を感じているのか、まったく伝わってこない。
何も「意味」はない、美しい風景の中に、美しい少女がいる。ただ、それだけだ。
しかし、
はじめて見た。
「無」というものを、ここまで見事に表現する役者を。
「無」のオーラで、この少女は「意味」以上の何かを伝えて、画面全体を神秘的な雰囲気に染め上げていた。
どんなに、心を平らにして、カメラと向き合っても、大抵の場合、必ず何らかの「意味」が、カメラの向こうに伝わってしまうものだ。
それは微かな目の動きであったり、顔の表情の変化であったり。
経験を積んだ俳優でも、これほどの時間、「無」を持続させるのは、相当に困難なはずだ。
しかし、そんな究極の感情表現を、この14歳の少女は、いとも簡単にやってみせている。
あり得ない、この子は天才なのか?
そして、星野みなみの「無」を見つめていると、透明な水をたたえた、深い湖を覗き込んでいるような気分になった。
見える筈なのに、どうしても瞳の向こうにあるものが見えない。
視線を深く潜らせれば潜らせるほど、紺碧の闇が深くなって、彼女の心の底に届かない。
5枚目「君の名は希望」のカップリング曲「シャキイズム」のミュージックビデオで、星野みなみは本領を発揮する。
主役の冴えない男子生徒である生駒里奈と、ひそかに相思相愛の気持ちを通わす、同級の女子生徒、星野みなみ。
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「指望遠鏡」で「無」を表現しきった静かな少女は、
ひとたび感情を表に出す役に入った途端、今度は、とてつもなく華やかなオーラを放ち始めて、
星野みなみが画面に出てくるたびに、画面の隅から隅までを「星野みなみ」一色に染め上げるパワーを見せつけている。
そして最も驚いたのは、星野みなみの演技には、特定の型がないことである。
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しかし、星野の演技には、癖がまったくない。
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あまりにも癖がなくて、自分は人生のどこかで、現実にこの少女と出会って、
「シャキイズム」と同じような場面を見たのではないか、
そんな錯覚に陥るくらい、自然な演技だった。
そして、その意味するところは、これほど完成された精密な役表現を、
星野みなみは、まったくの独学で、ほとんど指導も受けることなく、演じきったということだ。
おそらく、台本を見て、彼女は過去に体験した類似場面、あるいは、友人が類似体験を語ったときの、その友人の表情変化、そういったものを手がかりに、無意識のうちに、自ら演技プランを考案して演じた。
星野の役は、もちろん脚本上、間違いなくヒロインなのだが、
彼女の演じているヒロインは、その脚本の想定を越えた、もっとリアルな生身の少女になっていた。
星野みなみには、アカデミーも劇団も不要だし、余計な演出も要らない。
はっきりと方向さえ示せば、彼女の中から、自然に役が出てくる。
それだけで十分にドラマが成立してしまう。
生まれながらにして、こんな才能を持っている俳優は、滅多にいないだろう。
これは、演じるということの意味すら変化させかねないほど
スケールの大きな才能である。
間違いなく、演技の天才であり、天性のヒロインである。
そして、「制服のマネキン」で感じていた違和感が解消した。
星野みなみのダンスには、他とは違う、何か不思議な魅力があった。
何度か、見直してみて、気がついた。
実は、この子、ダンスが上手い。
回転の軸がぶれない。
一見、遅れているように見えるシーンも、遅れているのではなく、余裕を持って「柔らかく」動かしていて、全体とのバランスはしっかり維持している。
その結果、「女の子ダンス」とでも言うべき、キレがあるのに優しい、惹き付けられる個性的な踊りになっている。
そして、どの一瞬を切り取っても、「可愛い」を手放さない。
1秒ごとに「可愛い」、もう「可愛い」の現在進行形である(笑)。
しかも、その「可愛い」ダンスは全体から浮いているのではなく、
生田絵梨花の力強いダンス、生駒里奈の風のようなダンスと、絶妙な「ダンスの和音」を作って、楽曲全体を美しいハーモニーで満たしている。
いや、むしろ、星野のダンスこそ、もっとも難しい、鍵となるダンスで、
彼女がいなければ、全体から受ける印象そのものが変わってしまう、とすら言ってもいいだろう。
個人PV「私の中のモンスター」に収録されているソロ曲「お願いマイハート!!」でのダンスは、
星野みなみの「可愛い」ダンスの特徴を余すところなく見せつけている。
このPVを見ていると、つくづく、この少女のオリジナリティの高さと、それゆえの、分類不可能性を思い知らされる。
そして、分類出来ないものを評価するのは、評価する側に高い力量が要求される行為で、それに耐えられず、安易に「ダメ」レッテルを貼ってしまう人は、少なくないかもしれない。
星野みなみのオリジナリティ、その真骨頂は、演技やダンスのパフォーマンスに、何かしらの「余裕」を持たせる点にある。
迫真の演技でも、激しいダンスでも、
「懸命さ」や「必死さ」という要素を出来るだけ薄めて、
「優しく」「柔らかく」というテイストを忍び込ませる。
その結果、どこか余裕のある、可愛らしい、女の子的なイメージに仕上がっていく。
これが星野流である。
しかし、そのためには、まず基本的な部分を完全にマスターして、少しずつ動きに余裕を入れていくという、大変な作業が必要である。
「懸命さ」や「必死さ」をダイレクトに演出する以上に、努力が必要だろう。
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なぜなら、
星野みなみは「頑張っている感」を消すために、せっせと努力を重ねている。
彼女のパーフォーマンスは、ゴールに近づけば近づくほど、
より「軽く」、より「簡単に」、より「楽に」見えてくる。
そして、消え行く「頑張っている感」に反比例して、どんどん「可愛く」なっていく。
「頑張っている星野さん」は、もうどこにも居ない。
もの凄く、誤解を与えやすい「頑張り」である(笑)。
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なにか「懸命さ」や「必死さ」が足りない、そして、怠慢であるとすら思うかもしれない。
そういった要素は、星野の中では「可愛い」とは両立しないらしい。
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頑張っているんですけど~
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これは彼女の心の叫びだと思う。
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みるみるうちに、要求したものを形にして、それどころか、それ以上のものを返してくる。
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しかし、それは彼女の才能のごく一部にすぎない。
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ダンスの天才であり、
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