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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

乃木坂「シンクロニシティ」が直面したネット大競争時代の過酷な現実、MV人気上昇には何が必要か? [12Jul18]

2018-07-12 21:00:00 | 芸能

乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

(テレビ・ラジオ・イベント・リリース)

07月12日(木) [地デ] 19:00~20:00 テレビ朝日系『日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』に、星野みなみが単独出演
07月12日(木) [舞台] 桜井玲香&藤間爽子W主演の舞台『半神』in 天王洲 銀河劇場の初日公演(19:00開演)

07月14日(土) [地デ] 14:00〜29:00 TBS『音楽の日』第1部14:00-21:54 第2部23:45-29:00。乃木坂46が出演。欅坂46とけやき坂46の参加も告知されている

07月16日(月) [特典] 20thシングル「シンクロニシティ」個別握手会・最終第6回 in 千葉・幕張メッセ
07月16日(月) [舞台] 桜井玲香&藤間爽子W主演の舞台『半神』in 天王洲 銀河劇場の千秋楽公演(18:00開演)

07月21日(土) [ライブ] 『乃木坂46 真夏の全国ツアー2018』福岡公演第1日目 in 福岡ヤフオク!ドーム (開演17:00)。梅澤美波、桜井玲香、能條愛未が不参加
07月22日(日) [ライブ] 『乃木坂46 真夏の全国ツアー2018』福岡公演第2日目 in 福岡ヤフオク!ドーム (開演17:00)。梅澤美波、桜井玲香、能條愛未が不参加

07月25日(水) [地デ] 19:00〜23:28 フジテレビ『2018 FNSうたの夏まつり』に乃木坂46が出演。ミュージカルコーナーには生田絵梨花が登場



乃木坂への加入から5年、15回目の選抜発表で初めて名前を呼ばれ、今、もっともノリに乗っているメンバーの1人、鈴木絢音が最新ブログで次のように述べています。

今とても達成感に満ち溢れています。

20th、本当に楽しかったです。

21stも素晴らしい期間になる気がします。
いや、素晴らしい期間になるように努力します。

(鈴木絢音の2018/07/11_10:00ブログ)

「幸せの星」というタイトルからして既に、彼女の高揚感が伝わってきますが、本文も、アドレナリンが画面から噴出しそうなほど(笑)、充実感と積極性に満ち溢れた内容で、読んでてこちらまで熱くなってきました。

こういう風に、こぼれ落ちそうなくらい満杯の希望を抱え、生き生きと前に進もうとしているメンバーを見るのは、本当に楽しいし、乃木坂を応援してきて良かったと思えます。


鈴木絢音は、加入当初から、将来、乃木坂を背負って立つと目されるほど、期待されてきた華のあるメンバーですから、21枚目シングルでの選抜入りは、乃木坂にとっても喜ばしい出来事です。

さすがに遅い、もっと早く抜擢すべきじゃないかと、運営に文句を言いたくなる部分もあるけど、本人のやる気がギガマックス状態なので(笑)、今は、これからへの期待の方が大きい。

いよいよ選抜に入って、どんな活躍をするのか、もの凄く楽しみです。


「ジコチューで行こう!」MVの公開日予想は来週後半

ところで、あーちゃんのブログを読むと、『6th YEAR BIRTHDAY LIVE』は、20枚目「シンクロニシティ」の最後の仕上げという雰囲気が漂っている。

となると、今週から、21枚目シングルのプロモーションが本格的に始まる可能性があり、土曜14日のTBS『音楽の日』では、新曲「ジコチューで行こう!」をテレビ初披露するかもしれない。

MV公開は、ほぼ間違いなく来週後半なので、タイミングとしては、いい流れだと思います。

(表1) 乃木坂シングル表題曲MVの公開日程と21枚目の予想

(20) MV公開[2018/04/06(金)12:00] ←(3週前; 19日前)← CD発売[04/25(水)] シンクロニシティ
(19) MV公開[2017/09/21(木)12:00] ←(3週前; 20日前)← CD発売[10/11(水)] いつかできるから今日できる
(18) MV公開[2017/07/21(金)12:00] ←(3週前; 19日前)← CD発売[08/09(水)] 逃げ水
(17) MV公開[2017/03/02(木)12:00] ←(3週前; 20日前)← CD発売[03/22(水)] インフルエンサー
(16) MV公開[2016/10/21(金)12:00] ←(3週前; 20日前)← CD発売[11/09(水)] サヨナラの意味
(15) MV公開[2016/07/08(金)12:00] ←(3週前; 19日前)← CD発売[07/27(水)] 裸足でSummer
(14) MV公開[2016/03/02(水)12:00] ←(3週前; 21日前)← CD発売[03/23(水)] ハルジオンが咲く頃

# 上記「3週前」の週は月曜から日曜までの7日間で、発売前週を1週前として数えている
# すべてフルバージョンMV

21枚目表題曲「ジコチューで行こう!」MVの公開日予想
(21) MV公開[2018/07/18(水)12:00] ←(3週前; 21日前)← CD発売[08/08(水)]
(21) MV公開[2018/07/19(木)12:00] ←(3週前; 20日前)← CD発売[08/08(水)]
(21) MV公開[2018/07/20(金)12:00] ←(3週前; 19日前)← CD発売[08/08(水)]


近年の乃木坂において、表題曲MVの公開日は、CD発売3週前の水曜、木曜、金曜のどれかと、狭い範囲に限定されています。

21枚目でも、このパターンが踏襲されるなら、「ジコチューで行こう!」フルバージョンMVのYouTube公開は、7月18日(水)、19(木)、20(金)の正午と3択に絞られる。

しかも、水曜公開は14枚目「ハルジオンが咲く頃」のあと一度もないので、まあ、19(木)か20(金)のどちらかである可能性が高い。

となると、14日(土)の『音楽の日』を皮切りに、日曜のNHK第一『らじらー!SUNDAY』などのメンバー出演メディアを通して、次々と新曲オンエアを繰り出し、来週後半のMV公開につなげることが出来ます。


7月20日(金)の『MUSIC STATION』は、サザンオールスターズ以外、まだ出演アーティストが発表されておらず、乃木坂が新曲をパフォーマンスすることも考えられる。

ただ、Mステは、MV公開より、CD発売に絡めることが多い印象があって、ちょっと早いかなという気もします。

最近は、同じ曲で2回出るなんてこともあるので、どうなるか分かりませんが。


乃木坂の1週間後に7枚目シングルをリリースする欅坂の新しい表題曲についても、MV公開日を予想しておきます。

(表2) 欅坂シングル表題曲MVの公開日程と7枚目の予想

(06) MV公開[2018/02/14(水)12:00] ←(3週前; 21日前)← CD発売[03/07(水)] ガラスを割れ!
(05) MV公開[2017/10/03(火)12:00] ←(3週前; 22日前)← CD発売[10/25(水)] 風に吹かれても
(04) MV公開[2017/03/23(木)12:00] ←(2週前; 13日前)← CD発売[04/05(水)] 不協和音
(03) MV公開[2016/11/17(木)12:00] ←(2週前; 13日前)← CD発売[11/30(水)] 二人セゾン
(02) MV公開[2016/07/12(火)12:00] ←(4週前; 29日前)← CD発売[08/10(水)] 世界には愛しかない
(01) MV公開[2016/03/16(水)12:00] ←(3週前; 21日前)← CD発売[04/06(水)] サイレントマジョリティー

7枚目表題曲「タイトル未定」MVの公開日予想
(07) MV公開[2018/08/01(水)12:00] ←(2週前; 14日前)← CD発売[08/15(水)]
(07) MV公開[2018/07/25(水)12:00] ←(3週前; 21日前)← CD発売[08/15(水)]
(07) MV公開[2018/07/18(水)12:00] ←(4週前; 28日前)← CD発売[08/15(水)]
(07) MV公開[2018/07/11(水)12:00] ←(5週前; 35日前)← CD発売[08/15(水)]


どういうわけか、乃木坂と違って欅坂の表題曲MVは、CD発売の4週前、3週前、2週前と、公開日が広い範囲に及んでおり、しかも、曜日は火曜、水曜、木曜に万遍なく散らばっている。

ゆえに、予想が難しいのですが、乃木坂とかち合う4週前、さらに今日明日の公開となる5週前も、雰囲気的にないかなと(笑)。

前作、前々作が3週前の火曜、水曜ですから、7月24日(火)か25日(水)と見るのが妥当かと思います。

いずれにしても、発売日が1ヶ月以上離れていた春曲と異なり、次の夏曲は、乃木坂と欅坂が再び、ほぼ同時期にMVを公開し、新曲キャンペーンを行うスケジュールとなり、相乗効果を期待できます。


21枚目へ移行する時期に差し掛かってきたので、今日は、20枚目「シンクロニシティ」の楽曲人気を振り返っておきます。

このシングルに関して、とくに目を引いたのは、乃木坂の動画人気が、今迄とは違った形で、伸び悩んだことです。

そして、欅坂の「ガラスを割れ!」にも、程度の差はあるものの、同じ傾向が表れている。

ということで、まずは、MV再生数から見ていきます。

「シンクロニシティ」MV再生数増加のスタートダッシュは歴代最高

「シンクロニシティ」MVは、現在、公開14週目(w)に入っており、週単位では、13wまでのデータが得られています。

ただ、13週を一列にずらりと並べても見づらいだけなので、4週間28日を1ヶ月としてまとめ、公開1ヶ月目(m)、2ヶ月目、3ヶ月目について、それぞれの平均増加速度と月終わり累計を、以下に示しています。

つまり、1wから12wまでを、1m、2m、3mの三つに区切っているわけです。

(表3) 乃木坂シングル表題曲MVのYouTube再生回数推移

凡例
公開1mの平均増加速度(1m終わり累計)→2m→3m シングル番号_曲名

#「1m」は、MV公開の開始時点から28日後の同曜日同時刻までの4週間。「m」はmonthの意で、1mは公開1ヶ月目
#「2m」は、1m終了時点から28日後の同曜日同時刻までの4週間で、公開2ヶ月目
#「3m」は、2m終了時点から28日後の同曜日同時刻までの4週間で、公開3ヶ月目
#「平均増加速度」は、1m、2m、3mにおける再生回数の増分を28日で割ったもの。「万回/日」単位で少数点以下2桁目四捨五入
#「終わり累計」は、1m、2m、3mが終了した時点での累計再生回数。「万回」単位で少数点以下1桁目四捨五入

24.7(0692)→11.6(1017)→06.9(1210) 20_シンクロニシティ
15.9(0445)→06.2(0620)→04.8(0754) 19_いつかできるから今日できる
11.7(0326)→04.9(0462)→04.0(0574) 18_逃げ水
22.4(0627)→11.8(0957)→08.8(1202) 17_インフルエンサー
13.6(0380)→04.8(0514)→05.2(0660) 16_サヨナラの意味
11.8(0329)→05.3(0478)→03.2(0567) 15_裸足でSummer


「シンクロニシティ」MVは、公開1ヶ月目(m)、24.7万回/日という歴代最速ペースで、再生数を積み上げていきます。

公開2mで、増加スピードは「インフルエンサー」に近い11.6万回/日まで下がりますが、累計は過去もっとも早く1千万を突破。

公開3mに入ると、速度は6.9万回/日と、「インフルエンサー」をかなり下回り、累計もほぼ同じレベルにまで並ばれます。

それでも、この平均速度は、17枚目表題曲以外のMVよりは大きく、歴代2番手の勢いを保持している。


次に、欅坂表題曲MVの再生数を、最新「ガラスを割れ!」MVに合わせて、公開5ヶ月目まで以下に示します。

(表4) 欅坂シングル表題曲MVのYouTube再生回数推移

凡例
1mの平均増加速度(1m終わり累計)→2m→3m シングル番号_曲名

# 表記法は(表3)と同じ
#「ガラスを割れ!」MVは、現在、公開6ヶ月目(m)に入っており、週で言うと、07/11水曜正午に21週目(w)が終了

39.5(1105)→20.2(1669)→14.2(2066)→08.6(2307)→05.7(2468) 06_ガラスを割れ!
26.2(0732)→12.5(1081)→09.6(1351)→12.7(1707)→08.6(1947) 05_風に吹かれても
32.8(0918)→14.6(1326)→13.1(1692)→13.1(2059)→11.0(2367) 04_不協和音
19.5(0545)→12.4(0893)→12.7(1247)→09.9(1526)→08.6(1766) 03_二人セゾン
10.8(0302)→06.2(0474)→03.9(0584)→03.2(0673)→03.4(0767) 02_世界には愛しかない
16.5(0462)→26.9(1215)→15.5(1649)→09.9(1928)→11.1(2238) 01_サイレントマジョリティー


「ガラスを割れ!」MVの再生数増加速度は、公開1mで39.5万回/日と、「不協和音」を越える歴代最速を記録し、1ヶ月目に1千万再生を達成した初めてのMVとなります。

さらに、公開2m、3mでも「ガラスを割れ!」は、デビュー曲MVには届かないものの、歴代2番手のスピードで再生数を積み上げ、グループの全MV中、もっとも速いペースで2千万回を突破。

欅坂の最新MVも、乃木坂と同じく、公開後の初期3ヶ月は、グループの作品中、1、2位を争う速度で、再生数を積み上げている。


ところが、「ガラスを割れ!」は、この後、公開4m、5mで大きく減速していきます。

4mの期間は05/09(水)から06/06(水)まで、5mは06/06(水)から07/04(水)までで、この時期、センターである平手友梨奈がグループの活動に参加せず、欅坂の音楽的なメディア露出が若干低調だった面はあるかもしれない。

ただ、他のシングル表題曲も、MV公開から3ヶ月を越えると、テレビの音楽番組に出演して、新曲を披露するような機会は、通常ほとんどなくなります。


従って、センターが開店休業状態だったこと以外の原因も気になるところです。

MVの内容そのものに飽きられ易い要素があるのか、あるいは、「サイレントマジョリティー」のMV人気が一段落し、「連動性」による引き上げ効果が以前ほど強力ではないのか。

MV再生数の増加スピードが、公開4ヶ月目以降、なぜ他のMVより落ち込んでいるのかは、7表題曲の動画人気を睨んで、今後も追求した方がいい問題かもしれません。


AKB48の表題曲フルバージョンMVも、データを載せておきます。

(表5) AKB48シングル表題曲MVのYouTube再生回数推移

凡例
1mの平均増加速度(1m終わり累計)→2m→3m シングル番号_曲名

# 表記法は(表3)と同じ
#「Teacher Teacher」MVは、現在、公開3ヶ月目(m)に入っており、週で言うと、07/11水曜朝4時に10週目(w)が終了
# AKB48の表題曲MVは、まずショートバージョンだけを公開する場合があり、CD発売後、時間が経ってから公開されたフルバージョンだと他と比較しにくい。そのため、坂道と同じく、発売前の新曲キャンペーン中に公開されたフルMVだけを載せている

07.8(0219)→04.9(0356) 52_Teacher Teacher
07.7(0216)→02.9(0296)→01.4(0336) 51_ジャーバージャ
08.4(0235)→03.7(0338)→02.2(0401) 49_#好きなんだ
03.5(0097)→07.6(0311)→03.7(0416) 48_願いごとの持ち腐れ
13.3(0373)→06.3(0551)→05.3(0700) 46_ハイテンション
09.0(0251)→03.0(0335)→01.7(0382) 45_LOVE TRIP


最新の「Teacher Teacher」MVは、まだ公開2mまでのデータしかありませんが、それでは寂しいので(笑)、他のMVは、「シンクロニシティ」と同じく公開3mまでを示しています。

AKB48が近年出したMVでは、島崎遥香「卒業」シングルの表題曲である「ハイテンション」が、もっとも速い積み上げスピードを記録しています。


「Teacher Teacher」MVは、公開2mの増加速度が前作、前々作を越えており、一定の人気保持力を感じさせるものがある。

小栗有以にような、知名度のあまり高くない、若い新センターの楽曲MVが人気を博する場合、スタートダッシュは弱いものの、その後、長く勢いをキープする傾向があり、乃木坂の「裸足でSummer」はその典型例です。

「Teacher Teacher」MVにも、そういった傾向が見え始めていて、公開3m以降の推移が注目されます。


「シンクロニシティ」MVも、「ガラスを割れ!」MVも、公開1ヶ月目は、歴代最速で再生数を積み上げ、2ヶ月目、3ヶ月目は2番手のスピードに減速したものの、累計トップを維持し、少なくとも初期3ヶ月は、グループ全MV中の1、2位を争う、大きな増加速度を示していたのは間違いない。

そして、この時期に、Billboard JAPAN Hot100「国内動画再生回数」の上位に、どれほど食い込むかが、大体決定されます。

今までの感覚で言えば、再生数としては申し分のないスタートダッシュで、当然、過去最長レベルの上位ランクイン週数を叩き出しておかしくない。


予想外だった「シンクロニシティ」の動画ランキング

ところが、実際には、この「感覚」とは異なる結果が出ています。

(表6) Billboard JAPAN Hot100「国内動画再生回数」における、乃木坂・欅坂・AKB48シングル表題曲の上位ランクイン

凡例
TOP10/TOP20ランクイン週数 最高順位 曲名

# 「TOP10」と「TOP20」は、Hot100の総合ランキングではなく、MV人気の項目「国内動画再生回数」ランキングにおける上位10位以内と20位以内
# 「圏外」は100位圏外

乃木坂46
02/02週 03位 シンクロニシティ
01/02週 10位 いつかできるから今日できる
00/01週 17位 逃げ水
05/09週 07位 インフルエンサー
01/02週 05位 サヨナラの意味
02/04週 03位 裸足でSummer

欅坂46
06/07週 03位 ガラスを割れ!
04/05週 02位 風に吹かれても
10/19週 02位 不協和音
07/14週 05位 二人セゾン
02/06週 07位 世界には愛しかない
33/61週 01位 サイレントマジョリティー

AKB48
00/00週 31位 Teacher Teacher
00/00週 39位 ジャーバージャ
00/00週 圏外 11月のアンクレット
00/00週 29位 #好きなんだ
00/01週 15位 願いごとの持ち腐れ
00/00週 圏外 シュートサイン
03/04週 04位 ハイテンション


「シンクロニシティ」はTOP10入り2週、TOP20も2週で、「インフルエンサー」の5週、9週に大きく届かなかった。

また、再生数では増加速度も累計も半分の数字である「裸足でSummer」より、TOP20入りした週数が少ない。

乃木坂の最新曲MVは、昨年の春曲と遜色ない積み上げ速度ながら上位ランクインがずっと短く、一昨年の夏曲の2倍のペースで再生数を伸ばしているのに下位への転落が早い。

1年前と同じペース、あるいは2年前の倍のペースで、再生数を伸ばしても、同じような上位食い込みは望めない、そんなシビアな現状が見えてきます。


一方、「ガラスを割れ!」は、TOP10が6週、TOP20は7週と、乃木坂の最新春曲よりは、長い上位ランクインを実現しています。

しかし、「不協和音」の10週、19週、あるいは「二人セゾン」の7週、14週に比べると、短い滞在に留まっている。

(表4)が示すように、「ガラスを割れ!」は、初期3ヶ月において、この二曲を上回るペースで再生数を積み上げています。

つまり、欅坂の最新MVも、昨年、一昨年を越える高い増加スピードを示しながら、上位ランクイン週数を従来ほどは伸ばせていない。


「ガラスを割れ!」に関しては、公開4ヶ月、5ヶ月での失速があり、それも影響しているかと思います。

ただ、公開3ヶ月間でのTOP20入り週数を比べると、「ガラスを割れ!」が7週であるのに対し、「不協和音」が9週、「二人セゾン」は12週。

再生数で優勢な筈の初期段階で、既に差を空けられており、再生数増加速度が上回っていても、なかなか上位へ進出できないことが分かります。

ネット大競争時代の幕開け

乃木坂と欅坂の最新MVが経験している、上位食い込みの難しさは、その背景に、音楽動画による競争の激化があると思います。

最近、テレビからネットへの流れが加速し、YouTubeなど動画サイトの視聴数が増加、その一方で、J-POPやK-POPのアーティストに留まらず、YouTuber、アニメ、2.5次元、高校ダンス部など様々なタイプのパフォーマーが登場し、多数の音楽動画が視聴数の獲得競争を繰り広げるようになった。

その中で、従来型のアイドルによるMV作品は、相対的な存在感の低下が目立つようになり、乃木坂や欅坂といった、高い楽曲人気を誇ってきたグループにも、その波が押し寄せ始めている。


グループが出した過去のMVと再生数を比べ、初期3ヶ月の伸びが歴代で1、2位でも、Billboard JAPAN Hot100「国内動画再生回数」ランキングにおいて、以前ほど長くは上位に留まれない。

これはネットを通して音楽を楽しむ人が増え、また、その裏返しとして、ネットを使って自分の音楽を発信する人も増えている。

そして最近、そのやり取りの規模が急激に大きくなり、全体を支配するような、絶対的な勝者のいない、大競争時代が始まったのかもしれません。


こういった時代の変化を考えると、乃木坂21枚目の表題曲MVに関しては、公開初期における再生数の伸び、つまりスタートダッシュの勢いではなく、何ヶ月にも渡る増加速度の維持が重要で、Hot100「国内動画再生回数」の上位にどれくらい長くランクインできるかがポイントになる。

スタートダッシュが少し鈍くても、長期間、高いMV人気をキープできれば、本格的なヒットが見えてくる。

実際、「サイレントマジョリティー」MVの公開1ヶ月目における再生数の増加速度は、「ガラスを割れ!」の半分以下ですが、粘り強くペースを維持して、「国内動画再生回数」のTOP10に33週、TOP20には61週もランクインし、1億再生を達成する大ヒットとなった。


何度も繰り返し鑑賞され、長く愛されるMVを制作することが重要という、ありふれた結論に辿り着くけど(笑)、音楽のネット大競争時代に生きるアイドルにとっては、とくに大事なことだと思います。

チャンネル数の限られた、地上波テレビが人気競争のメイン舞台だったときは、とにかく毎日毎日、画面に登場して、お茶の間でお馴染みの存在になれば、パフォーマンスの質が左程でなくとも、高い人気を得ることが出来た。

日本型アイドルは、まさにそうやって誕生した芸能ジャンルだと思いますが、舞台がネットに移ると、アーティスト側が、ユーザーの意思と無関係に、PCやモバイルの画面を日常的に占拠するのは不可能で、「親近感」という切り札が使えなくなる。


そうなると、高い人気を獲得するには、発信する個々の作品の中で勝負するしかなく、とくに繰り返し観たくなるようなクオリティの高さが、重要なポイントになる。

考えてみると、「制服のマネキン」MVは、そういった何度も観たくなる作品の一つで、実際、今でも、iTunes Store トップミュージックビデオの上位にランクインしてきます。

これほど長く人気を保っているMVはそう多くない筈で、「制服のマネキン」は、「サイレントマジョリティー」のように、大ヒットする可能性が十分にあった。

無料公開していたフルバージョンMVを、2015年の秋、MV集「ALL MV COLLECTION~あの時の彼女たち~」の発売を期に、ショートに差し替えたのは、返す返す残念です。


音楽番組における楽曲ステージの効果

「シンクロニシティ」に関して、動画人気以外の面で指摘したいのは、音楽番組で披露するとき、いよいよ3分のステージを貰えるようになったことです。

(表7) テレビ番組における乃木坂の20、19枚目表題曲のステージ披露と演奏時間

凡例
[順番] 演奏時間 @ CD発売日午前零時との時間関係 [日付] テレビ局『番組名』

#「日付」の年度は、「シンクロニシティ」がすべて2018年、「いつかできるから今日できる」は2017年から18年

20th「シンクロニシティ」
[01] 3分01秒 @ 17.1日前 [04/07(土)] (地デ) TBS『CDTV祝25周年SP』
[02] 3分01秒 @ 03.2日前 [04/21(土)] (地デ) フジテレビ『MUSIC FAIR』
[03] 2分57秒 @ 00.2日前 [04/24(火)] (地デ) NHK総合『うたコン』
[04] 3分01秒 @ 02.9日後 [04/27(金)] (地デ) テレビ朝日『MUSIC STATION』
[05] 3分00秒 @ 03.1日後 [04/28(土)] (地デ) 日本テレビ『バズリズム02』
[06] 2分32秒 @ 04.1日後 [04/29(日)] (地デ) TBS『CDTV』
[07] 3分00秒 @ 05.0日後 [04/30(月)] (地デ) テレビ東京『乃木坂工事中』
[08] 4分10秒 @ 12.0日後 [05/06(日)] (BS) NHK BSプレミアム『乃木坂46SHOW』
[09] 3分07秒 @ 16.8日後 [05/11(金)] (地デ) テレビ朝日『MUSIC STATION』
[10] 3分00秒 @ 63.8日後 [06/27(水)] (地デ) テレビ東京『テレ東音楽祭2018』
[11] 3分00秒 @ 64.8日後 [06/28(木)] (地デ) TBS『CDTV'18上半期SP エンタメまとめ総決算』
[12] 3分00秒 @ 73.9日後 [07/07(土)] (地デ) 日本テレビ『THE MUSIC DAY 伝えたい歌 (第2部)』

19th「いつかできるから今日できる」
[01] 2分30秒 @ 32.2日前 [09/08(金)] (地デ) テレビ朝日『MUSIC STATION』
[02] 2分59秒 @ 03.2日前 [10/07(土)] (地デ) フジテレビ『MUSIC FAIR』
[03] 2分30秒 @ 02.9日後 [10/13(金)] (地デ) テレビ朝日『MUSIC STATION 2時間SP』
[04] 2分30秒 @ 03.1日後 [10/14(土)] (地デ) 日本テレビ『バズリズム02』
[05] 2分30秒 @ 04.1日後 [10/15(日)] (地デ) TBS『CDTV』
[06] 2分26秒 @ 14.9日後 [10/25(水)] (地デ) TBS『CDTVスペシャル!ハロウィン音楽祭』
[07] 2分24秒 @ 48.9日後 [11/28(火)] (地デ) 日本テレビ『Best Artist 2017』
[08] 2分30秒 @ 60.7日後 [12/10(日)] (地デ) NHK総合『シブヤノオト紅白SP 』
[09] 2分23秒 @ 82.1日後 [01/01(月)] (地デ) TBS『CDTVスペシャル!年越しプレミアムライブ2017→2018』
[10] 2分29秒 @ 93.9日後 [01/12(金)] (地デ) テレビ朝日『MUSIC STATION 2時間SP』
[11] 4分37秒 @ 130.0日後 [02/17(土)] (BS) NHK BSプレミアム『乃木坂46SHOW』


前作「いつかできるから今日できる」の場合、音楽番組でのステージは、基本的に2分半の「テレビサイズ」です。

独自の演出で20〜30秒ほど長めの演奏時間を、いつも割いてくれる『Mフェア』が3分、さらにフルサイズがデフォという超有り難い『46SHOW』が4分37秒と例外はあるものの、その他はすべて2分半。

ところが、「シンクロニシティ」は、3分が基本に変わったようで、そうでなかったのは、スペシャルでない通常『CDTV』の2分半と、『46SHOW』のフルサイズ4分10秒だけだった。


演奏時間3分は、乃木坂の長年の悲願で(笑)、それが実現できたのは、非常に喜ばしいことです。

アーティストとしての格が上がり、番組側の扱いが良くなったのは間違いないと思います。

その背景には、紅白3年連続出場やレコード大賞受賞などの「実績」があるのでしょう。


ステージが2分半から3分に伸びると、毎回30秒、乃木坂がより長くテレビに映るわけで、お茶の間に対するアピール力は問答無用で増強されます(笑)。

楽曲をより長く聴いて貰えて、パフォーマンスをより長く観て貰えて、メンバーのアップもより多く目に入ってくる。

視聴率5%の全国放送であれば、500万人が番組を観ているわけで、テレビに映る時間が30秒長いのは、とんでもなく大きな意味を持つと思います。


しかし、メディア露出における物理的な条件を整えても、肝心のステージが魅力的でなければ、観ている人に音楽は届かない。

「シンクロ二シティ」のテレビ披露は、視聴者の心を揺さぶったのでしょうか?

色々な楽曲指標の中で、iTunes Store ランキングは、音楽番組のステージがお茶の間に与えたインパクトを、敏感かつ迅速に反映するので、ここ2週間ほどのトップソングにおける「シンクロ二シティ」の順位推移を調べてみました。

(表8) iTunes Store トップソングにおける乃木坂・欅坂・AKB最新表題曲の順位及び順位帯の推移

凡例
対象日の順位 A-B-C-D-E / F-G-H [Z] : 配信開始後経過日数 対象日の日付 曲が披露された番組やイベント

# 上記のA〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯を示し、「対象日の順位」の属する順位帯に「1」を付けている
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 06/25(月)から07/11(水)までの期間を記載

乃木坂46「シンクロニシティ」(Special Edition)
078位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 69日目 06/25(月)
091位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 70日目 06/26(火)
068位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 71日目 06/27(水) テレ東音楽祭
052位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 72日目 06/28(木) CDTV上半期SP
047位 0-0-0-0-1 / 0-0-0 [0] : 73日目 06/29(金)
046位 0-0-0-0-1 / 0-0-0 [0] : 74日目 06/30(土)
055位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 75日目 07/01(日)
054位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 76日目 07/02(月)
059位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 77日目 07/03(火)
068位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 78日目 07/04(水)
068位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 79日目 07/05(木)
061位 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0] : 80日目 07/06(金) 神宮Day1
031位 0-0-0-1-0 / 0-0-0 [0] : 81日目 07/07(土) 神宮Day2, THE MUSIC DAY
036位 0-0-0-1-0 / 0-0-0 [0] : 82日目 07/08(日) 神宮Day3
043位 0-0-0-0-1 / 0-0-0 [0] : 83日目 07/09(月)
031位 0-0-0-1-0 / 0-0-0 [0] : 84日目 07/10(火)
032位 0-0-0-1-0 / 0-0-0 [0] : 85日目 07/11(水)

欅坂46「ガラスを割れ!」(Special Edition)
113位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 111日目 06/25(月)
124位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 112日目 06/26(火)
150位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 113日目 06/27(水)
120位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 114日目 06/28(木)
112位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 115日目 06/29(金)
139位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 116日目 06/30(土)
119位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 117日目 07/01(日)
140位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 118日目 07/02(月)
152位 0-0-0-0-0 / 0-0-1 [0] : 119日目 07/03(火)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 120日目 07/04(水)
161位 0-0-0-0-0 / 0-0-1 [0] : 121日目 07/05(木)
149位 0-0-0-0-0 / 0-1-0 [0] : 122日目 07/06(金)
019位 0-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 123日目 07/07(土) THE MUSIC DAY
020位 0-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 124日目 07/08(日) JUMP MUSIC FESTA
023位 0-0-1-0-0 / 0-0-0 [0] : 125日目 07/09(月)
022位 0-0-1-0-0 / 0-0-0 [0] : 126日目 07/10(火)
024位 0-0-1-0-0 / 0-0-0 [0] : 127日目 07/11(水)

AKB48「Teacher Teacher」 (TypeA)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 28日目 06/25(月)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 29日目 06/26(火)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 30日目 06/27(水) テレ東音楽祭
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 31日目 06/28(木)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 32日目 06/29(金)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 33日目 06/30(土)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 34日目 07/01(日)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 35日目 07/02(月)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 36日目 07/03(火)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 37日目 07/04(水)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 38日目 07/05(木)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 39日目 07/06(金)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 40日目 07/07(土) THE MUSIC DAY
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 41日目 07/08(日)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 42日目 07/09(月)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 43日目 07/10(火)
200外 0-0-0-0-0 / 0-0-0 [1] : 44日目 07/11(水)


テレ東音楽祭とCDTV上半期SPは、相当に影響力の大きな番組で、2夜連続での「シンクロニシティ」披露は、iTunesトップソングの順位を上昇させています。

しかし、TOP50への再ランクインは2日で、順位アップは小幅に留まった印象がある。


一方、神宮&秩父宮3Daysライブのど真ん中、土曜のDay2終了後に乃木坂メンバーが日テレの麹町スタジオに駆けつけてパフォーマンスした、『THE MUSIC DAY』のステージは、iTunesトップソングの順位を31位まで反転上昇させています。

ただ、同じ番組で、欅坂はセンター平手友梨奈が初めて参加する「ガラスを割れ!」のステージを披露し、100位以下の順位帯から一気に19位へジャンプアップ。

その後の推移においても、「ガラスを割れ!」が、「シンクロニシティ」を上回っている。


「ガラスを割れ!」のMV公開は、「シンクロニシティ」より1ヶ月以上早い上、乃木坂は毎年の最重要イベントとなっている夏の神宮ライブを開催中で、欅坂を越えるジャンプアップを見せて欲しかった。

確かに、去就を含めて注目を集めていた平手友梨奈が、久しぶりにテレビの世界に戻ってきたことは、大きなインパクトがあったかもしれない。

しかし、理由はともかく、『THE MUSIC DAY』のステージによって、より効果的に楽曲指標を引き上げたのは欅坂で、視聴者の心を乃木坂以上に揺さぶった可能性が高い。


テレビを通した欅坂のステージパフォーマンスが、効果的に楽曲指標の上昇に結びつくのは、「サイレントマジョリティー」を軸にした、楽曲群の人気「連動性」に依る面が少なくない。

(表9) iTunes Store トップソングにおける乃木坂と欅坂の順位推移

凡例
対象日の日付 : 各曲のその日の順位

# 曲名は頭3文字
# 坂道楽曲の配信元はすべて Special Edition
# 坂道AKB「国境のない時代」の配信元は、AKB48の51枚目「ジャーバージャ」TypeEの一つだけ

乃木坂20th〜14th表題曲
日付 : シンク-いつか-逃げ水-インフ-サヨナ-裸足で-ハルジ
06/27(水) : 068-000-000-000-000-000-000 テレ東音楽祭
06/28(木) : 052-000-000-000-000-000-000 CDTV上半期SP
06/29(金) : 047-000-000-000-000-000-000
06/30(土) : 046-000-000-000-000-000-000
07/01(日) : 055-000-000-000-000-000-000
07/02(月) : 054-000-000-000-000-000-000
07/03(火) : 059-000-000-000-000-000-000
07/04(水) : 068-000-000-000-000-000-000
07/05(木) : 068-000-000-000-000-000-000
07/06(金) : 061-000-000-000-000-000-000 神宮Day1
07/07(土) : 031-000-000-000-000-000-000 神宮Day2, THE MUSIC DAY
07/08(日) : 036-000-000-000-000-000-000 神宮Day3
07/09(月) : 043-000-000-000-000-000-000
07/10(火) : 031-000-000-172-000-000-000
07/11(水) : 032-000-000-000-000-000-000

欅坂6th〜1st表題曲と坂道AKB「国境のない時代」
日付 : ガラス-風に吹-不協和-二人セ-世界に-サイレ-国境の
06/27(水) : 150-000-000-000-000-000-000
06/28(木) : 120-000-000-000-000-000-000
06/29(金) : 112-000-000-000-000-000-000
06/30(土) : 139-000-000-000-000-000-000
07/01(日) : 119-000-000-000-000-000-000
07/02(月) : 140-000-000-000-000-193-000
07/03(火) : 152-000-000-000-000-000-000
07/04(水) : 000-000-000-000-000-000-000
07/05(木) : 161-000-000-000-000-000-000
07/06(金) : 149-000-000-000-000-000-000
07/07(土) : 019-000-192-000-000-135-032 THE MUSIC DAY
07/08(日) : 020-187-000-000-000-132-026 JUMP MUSIC FESTA
07/09(月) : 023-000-000-000-000-128-030
07/10(火) : 022-191-182-000-000-124-039
07/11(水) : 024-000-175-000-000-144-040


『THE MUSIC DAY』のステージを受けて、欅坂「ガラスを割れ!」がiTunesトップソングで19位へジャンプアップしたとき、同時に、「サイレントマジョリティー」も前日の200位圏外から135位に登場しています。

そして、その後も、デビュー曲は圏内に留まり続けている。

また、順位は低いものの、「不協和音」も、上昇傾向を見せ始めている。


一方、乃木坂の楽曲群を眺めると、『THE MUSIC DAY』以降、最新曲である「シンクロニシティ」が順位を上昇させた以外、他の曲にほとんど動きがなく、10日火曜に、「インフルエンサー」が久しぶりに172位に登場したに留まっています。

「ガラスを割れ!」のテレビ披露に対して、「サイレントマジョリティー」が反応し、「不協和音」まで動きを見せている欅坂に比べると、乃木坂の楽曲間「連動性」が乏しいのは明らかです。

何らかのメディア露出がある度に、複数の楽曲人気が連動して上昇する方が、音楽的アピールの度合いは高い筈で、これが欅坂の強さを支えてきたのだと思います。


曲イメージを体現するセンターはヒットの必須条件

傑出した才能を持つ平手友梨奈をセンターに据え、TAKAHIRO氏が振り付けを担当する一貫したスタイルが、こういった「連動性」を生んでいるのかもしれません。

しかし、単に似たような方向性の楽曲を、同じセンター、同じ選抜メンバー、同じ振り付け師が担当しているだけでは、ここまで高い人気は得られない。

やはり、MVにせよ、ステージにせよ、どの楽曲もダンスパフォーマンスが魅力的で、それが多くの人を惹き付けているのだと思います。


ネットを舞台とする大競争時代に対応し、テレビでの楽曲披露を効果的に人気上昇へ結びつけるには、何度も観たくなるMV、思わず引き込まれるステージが必要ですが、その実現には、質の高いパフォーマンスが不可欠になる。

では、どうすれば多くの人が興味を示してくれる魅力的なパフォーマンスになるかですが、まあ、そんなことが簡単に分かるのであれば、随分と昔に誰かが気づいて、日本の音楽不況は起こらなかったでしょう(笑)。

とはいえ一つ言えるのは、曲のイメージに合った人をセンターやフロントに起用すべきということで、それが出来なければ、音楽、衣装、振り付けなど、他の要素がどんなに素晴らしくても、ヒットを飛ばすのは難しい。


例えば、「恋するフォーチュンクッキー」は、「ヘビーローテーション」と同じく、MV1億再生を達成したAKB48の大ヒット曲ですが、センター指原莉乃に対する「当て書き」ではないかと思いたくなるほど、彼女のイメージに合った歌詞で、それが楽曲人気につながった面がある。

残念なことに、乃木坂の選抜センターやフロントは、握手会人気やグループ内序列に従って決まるので、曲に合わせて人を選ぶやり方は、今のままでは、実現する見込みが極めて薄い。

ならば、センターとフロントを見てから、曲を作って欲しいのだけど、色んな大人の事情があるのか、前列メンバーのイメージにぴったりフィットしていると感心する曲は、ごく稀にしか出てこない。

その稀な曲の一つが「制服のマネキン」で、生田絵梨花、生駒里奈、星野みなみの3人フロントに、曲のイメージがドンピシャ合っていて、実際、このダンス系MVは、乃木坂で初めて1千万再生を達成しています。

楽曲イメージをそのまま体現したようなセンターとフロントをずっと期待しているけど、この辺は、メンバーですらどうしようもない部分で、運営の考え方次第です。


伊藤万理華という天才

曲イメージに合ったメンバーを前列に起用する以外でとくに重要なのは、やはり、上手く踊ることだと思います(笑)。

近年、高校ダンス部が年々増えているそうで、確かに、若い層のダンスに対する関心は、以前よりずっと高くなっている印象がある。

というのも、面白いダンスや真似てみたいダンスがパフォーマンスに入っていると、その曲のヒットする確率がアップするようで、DA PUMPの「U.S.A.」はその一例じゃないかと。


長く乃木坂のダンスを観てきて、いつも気になるのは、止めが甘く、手脚や体が流れることですね。

欅坂のダンスで、止めの弱さを感じたことはほとんどなく、この辺が、乃木坂を越えるパフォーマンス人気の原動力じゃないかと考えています。

『THE MUSIC DAY』における坂道AKBでも、小林由依や渡邉理佐は、背筋が伸びて体軸が安定し、軽々とキレのある踊りを展開してるのに対して、乃木坂メンバーは、体が動いてキレが弱く、大振りなダンスになっている。

乃木坂は神宮ライブの直後で、メンバーの顔にも疲労の色が濃く出ていて、そんな状態でダンスを評価するのは大変申し訳ないんですが、欅坂メンバーと並んで踊るシーンは滅多に見られないので、敢えて対比しています。

乃木坂と欅坂のダンスに関して、常日頃から感じていた「止め」の精度の違いを、はっきり比較できるステージで、やはり、改善した方が良いと思います。


精度の高い「止め」には、まずは筋力が不可欠です。

ステージ出演回数の少ない3期は、リハーサルを含め、まだ踊り込みが足りないメンバーが多く、彼女たちの場合は、筋力の強化が当面の目標になる。

しかし、筋力があっても、力任せに動きを止めれば良いというものではなく、曲に合わせてタイミングよく「止め」を入れるリズム感が、次に求められます。


乃木坂全メンバーの中で、筋力とリズム感を兼ね備え、高い精度の「止め」を実現できていたのは、私の知る限りでは、伊藤万理華だけだった。

まりっかのスキルが存分に発揮されたのが、「インフルエンサー」のパフォーマンス。

高速で短く手脚を動かし、ピタッと「止め」る、この小刻みな動きを次々と連続させることで、全体として流れるような、優美で繊細な女性的ダンスに仕上げる。


難易度の極めて高い振り付けですが、伊藤万理華は、体軸を安定させながら、手脚の「止め」をリズムに乗せて、正確に軽々と繰り出し、Seishiroさんの目指したダンスを、見事に踊り切っていました。

他のメンバーは、小刻みな「止め」が上手くできず、個々の動きの間にポーズがなく、それらがつながってしまい、メリハリの乏しいダンスになっていて、しかも、手脚に力を入れるあまり、体全体を右へ左へ持って行かれ、大振りな踊りになっていることが多かった。

昨年末の『レコード大賞』のステージは、問題点を少しでも解消するため、小刻みな「止め」は無視して、むしろ意図的につなげ、大きなポイントでの「止め」を全員で合わせるやり方を採用していました。

確かに、要所要所でフリが揃っている印象は受けたけど、腕力を感じさせるパワーダンスになっていて、振り付け師が意図した、サラサラとした軽さや、しっとりした柔らかさに乏しく、個人的には物足りなかった。

Seishiroさんが振り付けた、小刻みな「止め」の連続する高速ダンスは、歌詞のテーマである微妙に揺れ動く恋心を上手く表現していて、これを柔らかく軽々と踊れれば、そのパフォーマンスは非常に高い評価を受けたと思うけど、そのためには伊藤万理華をセンターにする以外方法がなく、そうでない以上、最終的にはパワーダンスにならざるを得なかったのかもしれません。


ところで、欅坂におけるTAKAHIRO氏の振り付けが成功したためか、最近、乃木坂も、いわゆるシアトリカル・ダンスの傾向が強くなり、Seishiro氏による「シンクロニシティ」は、もはやミュージカルの一場面を観ている錯覚に陥るほど、物語のある踊りになっています。

演劇性の高いパフォーマンスは、ダンスのスキルだけでなく、演技力が重要となり、とくに主役であるセンターは表現力を求められます。

平手友梨奈が不動のセンターであるのは、単にダンスが上手いことが理由ではなく、昨年12月の『FNS歌謡祭』における平井堅「ノンフィクション」での踊りが示すように、桁違いの演劇的な表現力を持っているからだと思います。


「シンクロニシティ」MVのダンスでとくに目を引くのは、生駒里奈が中央で踊るシーン。

生駒ちゃんは、もともと人の目を釘付けにする、ドラマ性を感じさせる雰囲気が魅力だったけど、近年、舞台や映画で主役をこなし、そこに演技力に裏打ちされた表現力が加わった印象がある。

このシーンで感心したのは、自分が今求められているものを、求められている分量だけ出していることで、以前は、時々気になった過剰感がなくなり、良いさじ加減の演技になっている。


「インフルエンサー」でも、生駒里奈のダンスは見応えがあったけど、スキルではなく、彼女が振り付け師の目指しているものの本質をダイレクトに掴み、持ち前の演技力でそれを表現しているからじゃないかと思います。

生駒里奈が中央で踊る場面は、「シンクロニシティ」のパフォーマンス物語の見せ場の一つですから、それを削除するのは、ミュージカルの重要シーンを登場人物ごと、まるまる省いてしまうと同じで、全体の出来を著しく損なってしまいかねない。

最近の音楽番組で披露する「シンクロニシティ」は、生駒里奈が乃木坂を去ったことを、痛切に思い起こさせるパフォーマンスで、観ていて複雑な気持ちになります。


もし、伊藤万理華をセンターに抜擢して、Seishiro氏が自分の追求するダンスを存分に踊らせていたら、平手友梨奈とTKAHIRO氏の組み合わせのように、乃木坂も大きなヒットを飛ばせたかもしれない、そんなことを時々考えます。

彼らが目指しているようなハイレベルなシアトリカルダンスは、高度なダンススキルと優れた表現力を備えた、てちやまりっかのような一種の天才にチームを引っ張って貰わないと、本当の意味では実現できないと思う。

乃木坂が今行っている、均質な集団ダンスでは、Seishiroさんの求めるレベルに辿り着くのは難しい。


しかし、伊藤万理華が「卒業」し、生駒里奈まで乃木坂を去った現在、新しい才能を見つけ出すしか道はない。

乃木坂が毎年3枚のシングルをリリースし、多くの音楽番組と歌謡祭に出演する音楽アイドルである以上、これ以上楽曲人気を落とすのは、絶対に避けたいところです。

ヒットを一つ飛ばせば、MVが長く鑑賞され、カラオケで長く歌われ、人気が長く続いていくけど、そういった音楽的原動力がなければ、アイドルの人気は非常に移ろい易く、ブームが去ると一気に萎んでいく危険があって、気が気ではない(笑)。


最後に、すでに何度か紹介していますが、ビルボードによる2018年上半期のアーティストランキングを再掲しておきます。

今年前半の「通知表」のようなもので(笑)、21枚目「ジコチューで行こう!」の楽曲指標を評価する際、参考になるかと思います。

(表10) Billboard JAPAN 2018年上半期「TOP ARTIST」における欅坂46、乃木坂46、AKB48のランキング

凡例
総合順位 各項目の順位 グループ名

#「各項目」は以下の通り
P : パッケージ (CDセールス)
D : ダウンロード (有料配信)
S : ストリーミング (定額聴き放題サービス)
R : 全国のAM/FM放送回数 (エアプレイ)
L : PCによるCD読取数 (ルックアップ)
T : アーティスト&楽曲を両方ツイートした数
M : 国内においての動画再生回数
#「00」は100位圏外

4位 P05/D10/S03/R85/L04/T06/M05 欅坂46
6位 P02/D15/S14/R95/L07/T08/M20 乃木坂46
7位 P01/D00/S65/R00/L40/T12/M12 AKB48


やはり、MV人気を上げたいですね、「M 国内動画再生回数」20位はさすがに低い。

ところで、この項目で、AKB48が乃木坂より高い12位なのは、「恋するフォーチュンクッキー」や「ポニーテールとシュシュ」といった過去のヒット曲MVは、時々100位圏内に登場するほど、今でも人気があって、そういったものが再生数の合計を押し上げているからだと思います。

あと、「D ダウンロード」の欅坂10位、乃木坂15位は、オリコンのデジタルランキングと感覚的に割と合致する順位で、ちょっと感心しました(笑)。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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乃木坂46歴代シングルの選抜メンバー表 : 1st〜21st [03Jul18#2]

2018-07-03 09:15:00 | 芸能

デビューシングルから21枚目までの選抜メンバー表です。

乃木坂46歴代シングルの選抜メンバー構成

# 選抜番号に続く[括弧]内は、構成人数を [1列目-2列目-3列目(総定員), 福神数] の順に示している
#「*」は福神メンバー、「(c)」はセンター、「''」は2期メンバー、「^」は3期メンバー
# メンバー名は、前から見て左からの順に並べている

1st選抜 [3-4-9(16), 7福神]「ぐるぐるカーテン」
(3列目) 川村真洋 能條愛未 西野七瀬 齋藤飛鳥 斉藤優里 桜井玲香 井上小百合 中田花奈 市來玲奈
(2列目) 橋本奈々未* 松村沙友理* 白石麻衣* 高山一実*
(1列目) 生田絵梨花* 生駒里奈*(c) 星野みなみ*
選抜発表 : 2012年01月08日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2012年02月22(水)
オリコン第1週 : 2位, 13.6万枚

2nd選抜 [3-4-9(16), 7福神]「おいでシャンプー」
(3列目) 岩瀬祐美子 市來玲奈 斉藤優里 生田絵梨花 井上小百合 星野みなみ 西野七瀬 畠中清羅 宮澤成良
(2列目) 橋本奈々未* 松村沙友理* 白石麻衣* 高山一実*
(1列目) 桜井玲香* 生駒里奈*(c) 中田花奈*
選抜発表 : 2012年03月18日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2012年05月02(水)
オリコン第1週 : 1位, 15.6万枚

3rd選抜 [4-6-6(16), 7福神]「走れ!Bicycle」
(3列目) 斉藤優里 若月佑美 井上小百合 市來玲奈 伊藤万理華 深川麻衣
(2列目) 中田花奈 橋本奈々未* 白石麻衣* 松村沙友理* 西野七瀬* 高山一実
(1列目) 生田絵梨花* 生駒里奈*(c) 星野みなみ* 桜井玲香
選抜発表 : 2012年06月17日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2012年08月22(水)
オリコン第1週 : 1位, 18.7万枚

4th選抜 [3-5-8(16), 8福神]「制服のマネキン」
(3列目) 能條愛未 齋藤飛鳥 若月佑美 井上小百合 深川麻衣 市來玲奈 西野七瀬 高山一実
(2列目) 桜井玲香* 橋本奈々未* 白石麻衣* 松村沙友理* 秋元真夏*
(1列目) 生田絵梨花* 生駒里奈*(c) 星野みなみ*
選抜発表 : 2012年10月07日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2012年12月19(水)
オリコン第1週 : 1位, 23.3万枚

5th選抜 [3-5-8(16), 8福神]「君の名は希望」
(3列目) 伊藤寧々 中田花奈 井上小百合 西野七瀬 若月佑美 深川麻衣 永島聖羅 高山一実
(2列目) 桜井玲香* 橋本奈々未* 白石麻衣* 松村沙友理* 秋元真夏*
(1列目) 生田絵梨花* 生駒里奈*(c) 星野みなみ*
選抜発表 : 2013年01月06日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2013年03月13(水)
オリコン第1週 : 1位, 24.2万枚

6th選抜 [3-5-8(16), 8福神]「ガールズルール」
(3列目) 伊藤万理華 井上小百合 中田花奈 若月佑美 星野みなみ 秋元真夏 深川麻衣 斉藤優里
(2列目) 桜井玲香* 生田絵梨花* 生駒里奈* 西野七瀬* 高山一実*
(1列目) 松村沙友理* 白石麻衣*(c) 橋本奈々未*
選抜発表 : 2013年04月21日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
# 前日、京都全国握手会で先行発表
CD発売 : 2013年07月03(水)
オリコン第1週 : 1位, 33.7万枚

7th選抜 [5-4-8(17), 8福神]「バレッタ」
(3列目) 伊藤万理華 衛藤美彩 齋藤飛鳥 秋元真夏 深川麻衣 中元日芽香 川後陽菜 高山一実
(2列目) 桜井玲香* 生田絵梨花* 生駒里奈* 若月佑美*
(1列目) 西野七瀬* 白石麻衣* 堀未央奈''(c) 橋本奈々未* 松村沙友理*
選抜発表 : 2013年10月06日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
# 同日、代々木ライブ夜公演にて先行発表
CD発売 : 2013年11月27(水)
オリコン第1週 : 1位, 39.5万枚

8th選抜 [5-5-6(16), 5福神]「気づいたら片想い」
(3列目) 川村真洋 北野日奈子'' 樋口日奈 秋元真夏 和田まあや 高山一実
(2列目) 桜井玲香 若月佑美 生田絵梨花 松村沙友理 深川麻衣
(1列目) 堀未央奈''* 白石麻衣* 西野七瀬*(c) 橋本奈々未* 生駒里奈*
選抜発表 : 2014年01月26日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2014年04月02(水)
オリコン第1週 : 1位, 45.8万枚

9th選抜 [5-5-7(17), 10福神]「夏のFree&Easy」
(3列目) 衛藤美彩 井上小百合 斉藤優里 星野みなみ 大和里菜 堀未央奈'' 高山一実
(2列目) 若月佑美* 秋元真夏* 桜井玲香* 深川麻衣* 生駒里奈*
(1列目) 松井玲奈* 白石麻衣* 西野七瀬*(c) 橋本奈々未* 松村沙友理*
選抜発表 : 2014年05月11日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2014年07月09(水)
オリコン第1週 : 1位, 42.2万枚

10th選抜 [5-5-6(16), 10福神]「何度目の青空か?」
(3列目) 衛藤美彩 若月佑美 堀未央奈'' 星野みなみ 高山一実 斎藤ちはる
(2列目) 松村沙友理* 秋元真夏* 生駒里奈* 桜井玲香* 深川麻衣*
(1列目) 松井玲奈* 白石麻衣* 生田絵梨花*(c) 西野七瀬* 橋本奈々未*
選抜発表 : 2014年08月03日(日)深夜 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2014年10月08(水)
オリコン第1週 : 1位, 47.9万枚

11th選抜 [5-5-8(18), 10福神]「命は美しい」
(3列目) 松村沙友理 相楽伊織 齋藤飛鳥 伊藤万理華 堀未央奈'' 星野みなみ 衛藤美彩 高山一実
(2列目) 若月佑美* 秋元真夏* 生駒里奈* 桜井玲香* 深川麻衣*
(1列目) 松井玲奈* 白石麻衣* 西野七瀬*(c) 橋本奈々未* 生田絵梨花*
選抜発表 : 2015/01/18深夜(日) テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
CD発売 : 2015年03月18日(水)
オリコン第1週 : 1位, 50.0万枚

12th選抜 [5-5-8(18), 10福神]「太陽ノック」
(3列目) 松村沙友理 斉藤優里 星野みなみ 齋藤飛鳥 伊藤万理華 井上小百合 新内眞衣'' 衛藤美彩
(2列目) 高山一実* 若月佑美* 桜井玲香* 秋元真夏* 深川麻衣*
(1列目) 白石麻衣* 西野七瀬* 生駒里奈*(c) 生田絵梨花* 橋本奈々未*
選抜発表 : 2015年05月10日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2015年07月22日(水)
オリコン第1週 : 1位, 60.9万枚

13th選抜 [4-6-6(16), 10福神]「今、話したい誰かがいる」
(3列目) 桜井玲香 若月佑美 生駒里奈 松村沙友理 伊藤万理華 井上小百合
(2列目) 齋藤飛鳥* 高山一実* 橋本奈々未* 生田絵梨花* 秋元真夏* 星野みなみ*
(1列目) 衛藤美彩* 西野七瀬*(c) 白石麻衣*(c) 深川麻衣*
選抜発表 : 2015年08月30日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2015年10月28日(水)
オリコン第1週 : 1位, 62.7万枚

14th選抜 [5-5-7(17), 10福神]「ハルジオンが咲く頃」
(3列目) 桜井玲香 若月佑美 松村沙友理 生駒里奈 伊藤万理華 井上小百合 堀未央奈''
(2列目) 齋藤飛鳥* 高山一実* 衛藤美彩* 秋元真夏* 星野みなみ*
(1列目) 橋本奈々未* 西野七瀬* 深川麻衣*(c) 白石麻衣* 生田絵梨花*
選抜発表 : 2016年01月31日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2016年03月23日(水)
オリコン第1週 : 1位, 75.0万枚

15th選抜 [5-5-6(16), 10福神]「裸足でSummer」
(3列目) 北野日奈子" 星野みなみ 若月佑美 生駒里奈 堀未央奈" 中元日芽香
(2列目) 高山一実* 衛藤美彩* 松村沙友理* 秋元真夏* 桜井玲香*
(1列目) 橋本奈々未* 西野七瀬* 齋藤飛鳥*(c) 白石麻衣* 生田絵梨花*
選抜発表 : 2016年06月05日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2016年07月27日(水)
オリコン第1週 : 1位, 72.8万枚

16th選抜 [5-6-8(19), 11福神]「サヨナラの意味」
(3列目) 中元日芽香 井上小百合 新内眞衣" 桜井玲香 生駒里奈 星野みなみ 北野日奈子" 伊藤万理華
(2列目) 若月佑美* 松村沙友理* 堀未央奈"* 齋藤飛鳥* 衛藤美彩* 秋元真夏*
(1列目) 高山一実* 西野七瀬* 橋本奈々未*(c) 白石麻衣* 生田絵梨花*
選抜発表 : 2016年10月16日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2016年11月09日(水)
オリコン第1週 : 1位, 82.8万枚

17th選抜 [6-6-9(21), 12福神]「インフルエンサー」
(3列目) 新内眞衣" 井上小百合 寺田蘭世" 北野日奈子" 伊藤万理華 星野みなみ 斉藤優里 樋口日奈 中田花奈
(2列目) 若月佑美* 高山一実* 生駒里奈* 生田絵梨花* 松村沙友理* 桜井玲香*
(1列目) 秋元真夏* 堀未央奈"* 西野七瀬*(c) 白石麻衣*(c) 齋藤飛鳥* 衛藤美彩*
選抜発表 : 2017年01月29日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2017年03月22日(水)
オリコン第1週 : 1位, 87.5万枚

18th選抜 [6-6-6(18), 12福神]「逃げ水」
(3列目) 伊藤万理華 新内眞衣" 生駒里奈 桜井玲香 若月佑美 井上小百合
(2列目) 星野みなみ* 松村沙友理* 生田絵梨花* 秋元真夏* 衛藤美彩* 高山一実*
(1列目) 齋藤飛鳥* 白石麻衣* 大園桃子^*(c) 与田祐希^*(c) 西野七瀬* 堀未央奈"*
選抜発表 : 2017年07月09日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2017年08月09日(水)
オリコン第1週 : 1位, 88.0万枚

19th選抜 [4-7-8(19), 11福神]「いつかできるから今日できる」
(3列目) 新内眞衣" 斉藤優里 星野みなみ 生駒里奈 秋元真夏 北野日奈子" 中田花奈 高山一実
(2列目) 若月佑美* 井上小百合* 松村沙友理* 生田絵梨花* 伊藤万理華* 桜井玲香* 衛藤美彩*
(1列目) 堀未央奈"* 西野七瀬*(c) 齋藤飛鳥*(c) 白石麻衣*
選抜発表 : 2017年09月03日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2017年10月11日(水)
オリコン第1週 : 1位, 85.1万枚

20th選抜 [7-7-7(21), 14福神]「シンクロニシティ」
(3列目) 井上小百合 新内眞衣" 高山一実 星野みなみ 若月佑美 樋口日奈 寺田蘭世"
(2列目) 桜井玲香* 松村沙友理* 久保史緒里^* 生駒里奈* 大園桃子^* 衛藤美彩* 秋元真夏*
(1列目) 山下美月^* 堀未央奈"* 生田絵梨花* 白石麻衣*(c) 西野七瀬* 齋藤飛鳥* 与田祐希^*
選抜発表 : 2018年03月11日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2018年04月25日(水)
オリコン第1週 : 1位, 111.7万枚

21st選抜 [7-7-7(21), 14福神]「タイトル未定」
(3列目) 高山一実 斉藤優里 若月佑美 鈴木絢音" 星野みなみ 新内眞衣" 井上小百合
(2列目) 秋元真夏* 衛藤美彩* 大園桃子^* 梅澤美波^* 岩本蓮加^* 松村沙友理* 桜井玲香*
(1列目) 生田絵梨花* 与田祐希^* 西野七瀬* 齋藤飛鳥*(c) 白石麻衣* 堀未央奈"* 山下美月^*
選抜発表 : 2018年07月01日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2018年08月08日(水)
オリコン第1週 : ?位, ???.?万枚


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乃木坂21st選抜は15thの再現か?1期への配慮、2期枠数制限、3期トップ5構想、1億再生MVへの視点 [03Jul18]

2018-07-03 01:30:00 | 芸能

2018年7月1日(日)深夜に放送されたテレビ東京『乃木坂工事中』において、21枚目シングル「タイトル未定」の表題曲を担当するメンバーが発表されました。

感じたことを率直に述べると、1期トップメンバーへの配慮、2期の枠数制限、3期フィーチャーの三つが非常に目立った、過剰な保守性を感じさせる起用と配置だった。

生駒里奈「卒業」後に初めて結成される選抜として、新しいコンセプトの提示や新人の思い切ったトップ3投入を密かに期待していたけど、期待とは程遠い、現状維持が際立つ陣容になっている。


新選抜の人数構成は20枚目「シンクロニシティ」と同じ、1列目7人、2列目7人、3列目7人の合計21人ですが、各列メンバーの顔ぶれは、実は、ほとんど前作と同じで、極めて変化に乏しい。

まず、フロントの7人は前作と全く同じ、2列目も、生駒ちゃんと一時「休業」を発表した久保史緒里の空いた2枠に、3期の初選抜メンバーが入った以外、残り5人は全く同じ。

さらに、3列目は、樋口日奈と寺田蘭世の枠に、アンダーから斉藤優里と鈴木絢音が入る一方、上位列、すなわち福神への「昇格」は1人もなく、ここでも残る5人は同じ顔ぶれ。


つまり、合計17人のメンバーが、1列目、2列目、3列目すべてにおいて、前作から今作へ、そのままスライドしている。

21枚目発売の翌々日に20歳となる齋藤飛鳥が、3回目のセンター、単独としては、15枚目「裸足でSummer」以来となる、2回目に抜擢されたことは、前向きに評価できるものの、前作からの動きがここまで小幅だと、停滞感が漂うのは避けられない。

運営の中に、出来るだけ現状を変えたくない、行けるところまで今のままで行きたい、という発想があるのかもしれない。


とりあえず、新選抜のメンバー構成からデータを見ていきます。

(表1) 21枚目シングルを担当する選抜メンバー

21st選抜 [7-7-7(21), 14福神=1, 2列目全員]「タイトル未定」

(3列目) 高山一実(21/21) 斉藤優里(09/21) 若月佑美(19/21) 鈴木絢音"(01/15) 星野みなみ(19/21) 新内眞衣"(07/15) 井上小百合(16/21)
(2列目) 秋元真夏(18/18) 衛藤美彩(14/21) 大園桃子^(03/04) 梅澤美波^(01/04) 岩本蓮加^(01/04) 松村沙友理(21/21) 桜井玲香(21/21)
(1列目) 生田絵梨花(20/20) 与田祐希^(03/04) 西野七瀬(21/21) c齋藤飛鳥(14/21) 白石麻衣(21/21) 堀未央奈"(13/15) 山下美月^(02/05)

# 客席側から見た左右でメンバー名を並べている
# 名前に色が付いているメンバーは、前作20th選抜から列移動のあった人で、前作の位置を1列目青色2列目緑色3列目オレンジ色アンダーはピンク色で示している
# 名前に続く(A/B)は、(選抜入りした回数/選抜抜擢対象となった回数)
# 「"」は2期、「^」は3期、「c」はセンター

[参考]
20th選抜 [7-7-7(21), 14福神=1, 2列目全員]「シンクロニシティ」
(3列目) 井上 新内" 高山 星野 若月 樋口 寺田"
(2列目) 桜井 松村 久保^ 生駒 大園^ 衛藤 秋元
(1列目) 山下^ 堀" 生田 c白石 西野 飛鳥 与田^
選抜発表 : 2018年03月11日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2018年04月25日(水)


初めて選抜入りしたメンバーは、15回目にして遂に名前が呼ばれた鈴木絢音、21枚目に映画『劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人』主題歌「空扉」が収録され、その舞台『七つの大罪 The STAGE』でヒロインを演じる梅澤美波、さらにグループ最年少、まだ14歳中学3年生の岩本蓮加の3人。

また、斉藤優里が19枚目「いつかできるから今日できる」以来となる9回目の選抜入りで、「夏だからゆったん」という言葉を、2015年の夏曲「太陽ノック」以来3年ぶりに思い出しました(笑)。


一応、前作からの列移動を、以下に示しておきます。

(表2) 21st選抜各列における前作からの列移動

アンダー ➡︎ (休業) 北野" (卒業) 相楽" ちはる
↑↑樋口 寺田"
↑3列目
↑なし
2列目

アンダー
↓鈴木" 優里
3列目
↑↑なし
↑2列目
↑なし
1列目

アンダー
↓岩本^ 梅澤^
↓3列目
↓↓なし
2列目 ➡︎ 久保(休業) 生駒(卒業)
↑なし
1列目

3列目
↓なし
↓2列目
↓↓なし
1列目


冒頭に述べた通り、20th選抜に起用されたメンバーで、今回、列移動を経験したのは、3列目からアンダーへの樋口日奈と寺田蘭世だけで、その枠にアンダーから斉藤優里と鈴木絢音が入り、「卒業」生駒里奈と「休業」久保史緒里の2列目2枠に、アンダーから梅澤美波と岩本蓮加が抜擢。

結局、変更のあったこの4枠以外の20th選抜17人は、全員が列移動せず、そのまま同じ列に留まっています。

運営も、あまりに動きが少ないと感じたのか、例えば2列目に関しては、20thで左翼の桜井・松村と右翼の衛藤・秋元を、21stにおいて左翼が秋元・衛藤、右翼は松村・桜井と、線対称的に移動させていますが、何か意味があるとも思えず、かえって小手先感が漂っている。


次に、各期へ割り振られた枠数が、どのように推移しているかを載せておきます。

(表3) 乃木坂シングル選抜の枠数の変遷

凡例
総定員数 [選抜入りした1期の人数 / 2期の人数 / 3期の人数] : シングル番号 CD発売日 タイトル (その期間に起こった特徴的な出来事)

#「CD発売日」の「13/11/27(水)」は、2013年11月27日(水)発売
#「選抜入りした2期の人数」は「07th」から、「3期の人数」は「18th」から記載

16人 [16] : 01st〜06th
========== 2期加入 ==========
17人 [16 / 1] : 07th 13/11/27(水) バレッタ(堀未央奈大抜擢)
16人 [14 / 2] : 08th 14/04/02(水) 気づいたら片想い
17人 [16 / 1] : 09th 14/07/09(水) 夏のFree&Easy(松井玲奈選抜入り)
16人 [15 / 1] : 10th 14/10/08(水) 何度目の青空か?
18人 [17 / 1] : 11th 15/03/18(水) 命は美しい
18人 [17 / 1] : 12th 15/07/22(水) 太陽ノック
16人 [16 / 0] : 13th 15/10/28(水) 今、話したい誰かがいる
17人 [16 / 1] : 14th 16/03/23(水) ハルジオンが咲く頃(深川麻衣卒業)
16人 [14 / 2] : 15th 16/07/27(水) 裸足でSummer
========== 3期加入 ==========
19人 [16 / 3] : 16th 16/11/09(水) サヨナラの意味(橋本奈々未卒業)
21人 [17 / 4] : 17th 17/03/22(水) インフルエンサー
18人 [14 / 2 / 2] : 18th 17/08/09(水) 逃げ水(選抜発表に3期参加)
19人 [16(23) / 3(11) / 0(12)] : 19th 17/10/11(水) いつかできるから今日できる
21人 [14(20) / 3(11) / 4(12)] : 20th 18/04/25(水) シンクロニシティ
21人 [13(18) / 3(10) / 5(12)] : 21st 18/08/08(水) タイトル未定

# 19th以降は、期別人数の後に、その期の在籍総人数を書き込んでいる


20th選抜では、1期14人、2期3人、3期4人の割り振りだった配分が、21st選抜では、1期が1枠減り、その分が3期に回って1枠増え、総人数は21人で不変となっている。

興味深いのは、新選抜に起用された1期13人中、アンダーから選抜入りした斉藤優里以外の12人は、全員、前作からの列移動がない。

どうも、1期に関する「選抜固定」化は、単に「メンバーの固定」に留まらず、「列の固定」にまで進み始めているのかもしれない。


実際、例えば、白石・西野を2列目以降に配置すると、大きな話題になる上、本人が強い不満や不安を感じる可能性がある。

また、齋藤飛鳥や生田絵梨花の3列目も同じで、少なからぬメンバーについて、落とせない列が出来つつあり、それ故、他のメンバーには、これ以上「昇格」させるには相当な決断が要求される列があり、メンバーごとに、見えない限界ラインが引かれつつある気がします。

1期のトップメンバーは、とくにグループ内での影響力が大きい筈で、自分の選抜ポジションに納得がいかず、文句を言い始めると、説得するのは一苦労で、唯でさえ少人数のスタッフで切り盛りしている運営にとって大きな負担になる。

つまり、運営にとっては、列を動かさないのが、ゴタゴタの起こる確率をもっとも低く抑え、余計な仕事を増やさない簡便な方法で(笑)、「選抜固定」化が進む一因じゃないかと思っています。


ところで、今回、3期が5枠に増える一方、2期は3枠に抑えられましたが、そもそも1期13人、2期3人、3期5人という配分は、個別握手会の成績から考えて妥当なんでしょうか?

(表4) 20枚目「シンクロニシティ」個別握手会14次応募終了後における、各期の推定売り上げ枚数

凡例
その期による完売部数/担当部数 推定売り上げ枚数→全体売り上げ枚数に占める比率(21人選抜における適正人数) 期名 個別握手会参加人数/その期の総人数

#「適正人数」は、各期の推定売り上げ枚数の比率に従って、21枠を配分した場合の割り振り人数

279/321部 23.9万枚→35%(7.4人) 1期 15/19人
200/229部 17.1万枚→25%(5.3人) 2期 10/11人
297/360部 26.7万枚→40%(8.3人) 3期 12/12人
===================================
776/910部 67.6万枚→100%(21人) 全体 37/42人


上表では、推定売り上げ枚数の比率に従って、各期の人数を配分していますが、完売部数、担当部数の比率で配分しても、ほとんど人数は変わりません。

総定員が21人であれば、1期は8人、2期は5人、3期は8人が、個別握手会における各期のセールスを忠実に反映した配分になる。

従って、21st選抜の1期13人は、5人も多い割り振りで、本来なら、その中の2人を2期に、3人を3期に回すべきということです。


しかし、運営は、1期トップメンバーに関して、個別握手会セールス以外に、CM広告、テレビ番組、ドラマ・舞台・映画、写真集、雑誌グラビア、「乃木恋」、ライブ、CD・Blu-rayなど、様々な実績を評価して、選抜枠数を5人上乗せしているのだと思います。

シングル選抜は、あくまで音楽選抜であって、CM選抜ではなく、写真集選抜でもなく、舞台選抜でもないけど、事実上、そういった外仕事が重視され、抜擢メンバーとポジションが決められている。

その結果、選抜入りしたのに、音楽祭や音楽番組における表題曲ステージに参加出来ないメンバーが、何人も出るという驚くべき事態が、日常的に起こってしまう。


選抜メンバーが他の仕事の都合で、音楽番組をキャンセルするのは、相手に極めて失礼な話ですが、乃木坂運営は、そういった非礼が不可避であることを百も承知で、それでも、1期のトップメンバーを選抜に起用している。

しかも、せっかく呼んでくれた番組側に申し訳ないだけでなく、当初のメンバーが集まらず、毎回、代役が入ると、パフォーマンス自体が安定せず、十分なクオリティを保つのが難しい。

お茶の間において、乃木坂の音楽的存在感が今ひとつ伸びないのは、揃わない選抜に大きな原因があると個人的に思っていますが、外仕事の忙しいメンバーであっても、選抜入りさせることを優先し、運営が敢えてパフォーマンス面を犠牲にしているわけで、これこそが1期トップメンバーに対する最大の「配慮」だと言えます。


一方、2期と3期に対する枠数配分では、個別握手会セールスが、根拠になっているように見えます。

(表4)において、推定売り上げ枚数の比率は、3期40%、2期25%で、2期の3期に対する比は0.64です。

そして、21st選抜の人数は、3期5人、2期3人で、その比は6割で、販売枚数比の0.64に近い。


今回の選考では、19枚目「いつかできるから今日できる」個別握手会を2次応募で30部全完売し、続く20枚目「シンクロニシティ」でも3次全完売というスピードを見せた梅澤美波を、大園、久保、山下、与田の3期トップ4に加えて、トップ5としてフィーチャーしていく意図があったんじゃないかと推察しています。

そして、3期が5人であるなら、個別握手会セールスの比から、2期は、その6割である3人が妥当だと、判断したんじゃないかと。

その結果、メンバー別の売り上げ順位ならば、選抜入り圏内だった寺田蘭世や渡辺みり愛が涙を飲むことになった可能性がある。


運営は各期の枠数を事前に決めてから、メンバーを選んでいるんじゃないかと考え始めた経緯を、以下の順位表で説明します。

(表5) 20枚目「シンクロニシティ」個別握手会14次応募終了後の推定売り上げ枚数によるメンバー順位表

凡例
[順位] 完売部数/担当部数 (部数ベース完売率 @ 全完売達成次数:推定売り上げ枚数) メンバー名

#「順位」は「推定売り上げ枚数」の順。枚数が同じメンバーは同順位。但し、全完売している場合に限り、より早い次数で売り切ったメンバーを上位に置いている
#「推定売り上げ枚数」は、1期2期3期の完売1部あたりのCD枚数を750部、CD1枚の平均割り当て時間を7.2秒として計算
# メンバー名の色は21st選抜における所属列で、青色は1列目緑色は2列目オレンジ色は3列目
#「"」は2期、「^」は3期

[01] 30部/30部 (1.00 @ 02次 : 2.25万枚) 齋藤飛鳥 山下美月^ 与田祐希^
[04] 30部/30部 (1.00 @ 03次 : 2.25万枚) 梅澤美波^ 久保史緒里^(休業) 高山一実 堀未央奈"
[08] 30部/30部 (1.00 @ 04次 : 2.25万枚) 伊藤理々杏^ 大園桃子^ 新内眞衣" 星野みなみ
[12] 30部/30部 (1.00 @ 05次 : 2.25万枚) 寺田蘭世"
[13] 30部/30部 (1.00 @ 06次 : 2.25万枚) 岩本蓮加^
[14] 30部/30部 (1.00 @ 09次 : 2.25万枚) 渡辺みり愛"
[15] 30部/30部 (1.00 @ 10次 : 2.25万枚) 斉藤優里
[16] 29部/30部 (0.97 @ 00次 : 2.25万枚) 樋口日奈
[17] 24部/30部 (0.80 @ 00次 : 2.24万枚) 阪口珠美^
[18] 23部/30部 (0.77 @ 00次 : 2.23万枚) 山崎怜奈"
[19] 21部/30部 (0.70 @ 00次 : 2.22万枚) 佐藤楓^
[20] 20部/30部 (0.67 @ 00次 : 2.22万枚) 中田花奈
[21] 16部/30部 (0.53 @ 00次 : 2.19万枚) 向井葉月^
[22] 13部/30部 (0.43 @ 00次 : 2.16万枚) 中村麗乃^
[23] 13部/30部 (0.43 @ 00次 : 2.16万枚) 吉田綾乃クリスティー^
[24] 25部/25部 (1.00 @ 08次 : 1.88万枚) 鈴木絢音"
[25] 20部/20部 (1.00 @ 02次 : 1.50万枚) 秋元真夏 衛藤美彩
[27] 20部/20部 (1.00 @ 04次 : 1.50万枚) 井上小百合
[28] 14部/20部 (0.70 @ 00次 : 1.48万枚) 松村沙友理
[29] 08部/20部 (0.40 @ 00次 : 1.43万枚) 斎藤ちはる(卒業)
[30] 09部/18部 (0.50 @ 00次 : 1.31万枚) 伊藤かりん"
[31] 15部/15部 (1.00 @ 02次 : 1.13万枚) 生田絵梨花
[32] 11部/12部 (0.92 @ 00次 : 0.90万枚) 相楽伊織"(卒業)
[33] 06部/12部 (0.50 @ 00次 : 0.87万枚) 伊藤純奈" 佐々木琴子"
[35] 03部/12部 (0.25 @ 00次 : 0.83万枚) 能條愛未
[36] 07部/08部 (0.88 @ 00次 : 0.60万枚) 川後陽菜
[37] 03部/06部 (0.50 @ 00次 : 0.44万枚) 和田まあや

(全日程不参加)
北野日奈子(休業) 桜井玲香 白石麻衣 西野七瀬 若月佑美


21枚目でアンダーから3列目に入った斉藤優里は、30部を10次全完売なので、純粋に完売スピードだけなら、2期は5次の寺田蘭世、9次の渡辺みり愛にもチャンスがあった筈です。

しかし、実際には、25部を8次全完売という、スピード的には遅い鈴木絢音が、2期の3人目として抜擢されている。

つまり、30部3次全完売の堀未央奈と4次の新内眞衣までは、握手会人気が適用され、最後の1枠は、個別握手会セールス以外の要素が、誰を選ぶかの判断を左右したことになる。


実は、3期も同じで、梅澤美波が初選抜でいきなり2列目中央に抜擢され、明らかに重要メンバーと位置付けられる一方、「休業」不参加の久保史緒里に代わって起用されたのが、30部4次全完売の伊藤理々杏ではなく、6次の岩本蓮加。

最後の1枠に見えるこの枠は、握手会人気だけではなく、別の要素が勘案されている。

こういった選考の仕方を眺めていると、2期は3人、3期は5人と予め枠数を定め、握手会人気の上位からメンバーを順に選び、最後の1枠だけは、複数候補の中から、売り上げ以外の評価でメンバーを決定しているように思えます。


一方、1期に関しては、21人引く2期3期8人の13人と決まった段階で、前作記事で示した「絶対安全圏」8人、「安全圏」1人、30部4次全完売までの3人を合わせた12人を起用し、残り1枠も次の握手会人気を持つ斉藤優里が選ばれた。

ただ、樋口日奈も、上表では完売29部ですが、終了会場の未発表分は不明で、10次で全完売した可能性もあって、本当に「夏だからゆったん」か(笑)、あるいは元気に弾むダンスが重視されたのかもしれません。

最後の1枠に関する選考で、握手会人気以外の何が評価されたのか、1期のケースは判断が難しいですが、2期の鈴木絢音と3期の岩本蓮加は、運営が、パフォーマン力やスター性を認めた上での、楽曲人気の向上を狙った抜擢ではないかと考えています。


鈴木絢音は、昨年末、音楽祭や音楽番組で「インフルエンサー」を披露したステージに代役として数多く参加し、そのダイナミックなパフォーマンスによって、存在感を発揮しました。

とくに、『有線大賞』において、伊藤万理華のポジションで見せたダンスは圧巻だった。

あの高速ダンスを、体幹がブレずに踊れる人は少ないんだけど、まりっかに近いレベルで中軸を安定させ、手脚の動きも力強く、あーちゃんって、こんなに上手く踊れるのか!と、衝撃を受けたのを覚えています。

『FNS歌謡祭第1夜』平手友梨奈ソロダンスと生田絵梨花デュエット、乃木坂は音楽の季節に輝けるか? [10Dec17]
鈴木絢音と中田花奈、伊藤万理華ポジションが左右する乃木坂「インフルエンサー」のダンスコンセプト [31Dec17]


あのダンスを見ていると、是非とも選抜入りして欲しいと考えるのが、エンターテイメントに関わる人の普通の発想ですが、まあ、伊藤万理華や川村真洋に対する扱いが物語るように、乃木坂運営にとって、選抜選考におけるパフォーマンス力の優先度は、低いと言うか、ほとんど考慮しない印象がある(笑)。

そのため、今回、鈴木絢音が「インフルエンサー」のまりっかポジである3列目中央に入ったのには、ちょっと驚きました。

まさか、ひょっとして、楽曲パフォーマンスの向上とかが、選考者の脳裏を掠めたんじゃなかろうかと、少し心配しているわけです(笑)。


岩本蓮加は、パフォーマンスそのものは、しっかり観たことがないので、何とも言えないんですが、センターを務めた3期生曲「トキトキメキメキ」が、動画と配信の両方で、非常に好調な成績を叩き出し、いわゆる「数字を持ってる」感がある。

「トキトキメキメキ」フルバージョンMVは公開1週目(w)に累計115万回に到達、AKB48「ジャーバージャ」と「Teacher Teacher」のフルMVが同時期、112万回と128万回ですから、相当、速い立ち上がりだったことが分かります。

残念ながら、乃木坂はC/W曲のMVをすべて、CD発売日にショートへ切り替えるため、フルに関して、それ以上のデータはありません。


しかし、同時公開された「シンクロニシティ」C/W曲のショートMV4作品を比較すると、再生数の積み上げ速度は、生駒里奈「卒業」後の「Against」を上回り、断然のトップです。

(表6) 乃木坂20枚目カップリング曲ショートMVの再生回数比較

凡例
対象期間における再生回数の平均増加速度 (期間終わりの累計) 曲名 [MV形態]

#「対象期間」はMV公開から59日目までで、正確な長さは58.9d
#「速度」は「万回/日」単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「累計」は「万回」単位で、小数点以下2桁目を四捨五入

1.7万回/日 (100.0) トキトキメキメキ [short ver.]
1.1万回/日 (066.4) Against [short ver.]
0.4万回/日 (023.3) スカウトマン [short ver.]
0.2万回/日 (014.6) 新しい世界 [short ver.]


また、iTunesトップソングにおける200位圏内ランクイン日数も、歴代5位に食い込んでいる。

(表7) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂46カップリング曲の200位圏内ランクイン日数ベスト5

凡例
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (50位以内/200位以内ランクイン日数; 確認できた最高順位) 曲名

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 13枚目シングル以降のカップリング曲が対象
#「*」はMVのある曲

1-7-2-1-3 / 11-8-2 (14/35日; 08位) 20_Against* (1期曲; 生駒センター)
0-3-5-1-1 / 06-7-4 (10/27日; 13位) 18_ひと夏の長さより… (選抜曲; 秋元松村センター)
0-0-0-1-3 / 09-8-5 (04/26日; 38位) 16_ないものねだり* (橋本「卒業」ソロ曲)
0-0-2-0-1 / 11-1-5 (03/20日; 21位) 20_雲になればいい (藤桜梨; 生田衛藤桜井)
0-0-0-2-0 / 09-1-4 (02/16日; 29位) 20_トキトキメキメキ* (3期曲; 岩本センター)
==========[16日の次に短い14日ランクインを記録した楽曲]==========
0-2-1-3-3 / 02-2-1 (09/14日; 16位) 13_悲しみの忘れ方*
0-0-0-1-0 / 07-2-4 (01/14日; 34位) 17_Another Ghost*
0-0-0-1-1 / 05-5-2 (02/14日; 38位) 13_ポピパッパパー*


乃木坂3期のメンバーはまだ知名度が低いため、最高順位は29位に留まっていますが、MV人気を追い風に、粘り強く200位圏内日数を伸ばし、「悲しみの忘れ方」の14日を越える16日を記録している。

3期生曲は、毎シングル、確かに人気は高いですが、ここまで突出した数字を出したのは始めてで、センターである岩本蓮加には、音楽チームを上手くまとめるスター性を感じさせるものがある。


21st選抜において、2期3期最後の1枠と思われる椅子を、鈴木絢音と岩本蓮加が獲得したのは、握手会人気ではなく、楽曲人気の向上につながる素質を、二人が持っていたからかもしれない。

その推測が正しいかどうかは分かりませんが、最近、乃木坂の楽曲人気を巡って、気になるデータが出ています。

(表8) Billboard JAPAN 2018年上半期「TOP ARTIST」における欅坂46、乃木坂46、AKB48のランキング

凡例
総合順位 各項目の順位 グループ名

#「各項目」は以下の通り
P : パッケージ (CDセールス)
D : ダウンロード (有料配信)
S : ストリーミング (定額聴き放題サービス)
R : 全国のAM/FM放送回数 (エアプレイ)
L : PCによるCD読取数 (ルックアップ)
T : アーティスト&楽曲を両方ツイートした数
M : 国内においての動画再生回数
#「00」は100位圏外

4位 P05/D10/S03/R85/L04/T06/M05 欅坂46
6位 P02/D15/S14/R95/L07/T08/M20 乃木坂46
7位 P01/D00/S65/R00/L40/T12/M12 AKB48


この表は、欅坂46「サイレントマジョリティー」MVの1億再生を受けて書いた、以下の記事で既に紹介しましたが、乃木坂の楽曲人気に関して、色々と考えさせられるものがあります。

欅坂46「サイレントマジョリティー」MV1億再生は終わりの始まりか?それとも始まりの終わりか? [27Jun18]

「パッケージP」であるCDセールスは、全アーティスト中の2位で、欅坂の5位を上回っているものの、「ダウンロードD」「ストリーミングS」「ツイートT」「動画再生M」の
といったネットを介した項目は、ことごとく、より低い順位に留まっている。

さらに、「パッケージP」はより上位なのに、「ルックアップL」は7位と、欅坂の4位より低く、おそらくCDレンタルで差を空けられている。


音楽的存在感の点で、乃木坂は欅坂に及ばないのは明白で、とくに目立つのが「動画再生M」の乃木坂20位、欅坂5位。

この乃木坂の20位は、AKB48の12位をも下回っていて、かなり深刻な数字だと思います。

なぜ、これほどの差が付いたのか、現在、YouTubeで公開されている主なフルバージョンMVの最新再生数を、乃木坂と欅坂で比べてみました。

(表9) 現在公開中の主なフルバージョンMVの最新YouTube再生回数に関する乃木坂と欅坂の比較

凡例
対象週における再生回数の平均増加速度 (週終わりの累計) @ MV公開後経過週数 : 曲名

# 対象週 2018/06/25(月)〜07/01(日)
#「速度」は「万回/日」、「累計」は「万回」単位で、いずれも小数点以下2桁目を四捨五入
#「MV公開後経過週数」は、公開日から最初の日曜までを「1W」、翌月曜から次の日曜までを「2W」、次の月曜から日曜を「3W」と順に数えたもの
#「========」より上はシングル表題曲のMV、下はシングルC/W曲やアルバム・リード曲などその他のMV

乃木坂46
6.2万回/日 (1229) @ 13W : シンクロニシティ
2.0万回/日 (1335) @ 41W : いつかできるから今日できる
0.6万回/日 (0911) @ 50W : 逃げ水
4.0万回/日 (3842) @ 70W : インフルエンサー
0.6万回/日 (1721) @ 89W : サヨナラの意味
2.4万回/日 (2166) @ 104W : 裸足でSummer
========================================
0.8万回/日 (1029) @ 104W : きっかけ

欅坂46
5.6万回/日 (2457) @ 20W : ガラスを割れ!
2.6万回/日 (2488) @ 39W : 風に吹かれても
5.5万回/日 (5205) @ 67W : 不協和音
2.9万回/日 (4062) @ 85W : 二人セゾン
1.4万回/日 (2433) @ 103W : 世界には愛しかない
8.4万回/日 (10070) @ 120W : サイレントマジョリティー
========================================
1.0万回/日 (0863) @ 50W : 月曜日の朝、スカートを切られた
0.8万回/日 (0735) @ 66W : W-KEYAKIZAKAの詩
2.0万回/日 (1580) @ 52W : エキセントリック
1.0万回/日 (1688) @ 102W : 語るなら未来を…

対象週におけるトータルの積み上げ速度
15.8(表題) + 0.8(他) = 16.6万回/日 乃木坂
26.0(表題) + 4.8(他) = 30.8万回/日 欅坂

(参考)
AKB48
4.4万回/日 (0379) @ 09W : Teacher Teacher
0.9万回/日 (0372) @ 18W : ジャーバージャ


欅坂の表題曲MVも、乃木坂と同じく、人気の高い作品と、そうでもない作品に分かれています。

しかし、何と言っても、1億再生を達成する作品は、再生数の増加速度が長期間に渡って高く、実際、「サイレントマジョリティー」は、先週の時点で、坂道MV中、最速の数字を出している。

こういった超ロングヒットの表題曲がある上に、C/W曲やリード曲の人気も比較的高く、とくに「エキセントリック」MVは、未だに2.0万回/日という積み上げスピードを見せており、楽曲人気の裾野の広さを感じさせます。

結局、これらのMV作品群の平均速度を足し算すると、先週、乃木坂は1日平均16.6万回の視聴数を稼いだのに対し、欅坂は30.8万回と2倍近い数字を叩き出していて、これが20位と5位の違いになっているのだと思います。


一方、AKB48は、「Teacher Teacher」や「ジャーバージャ」など、一つ一つのMVはそれほど速く再生数を積み上げているわけではないけど、とにかく作品数が多い。

しかも、「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」「ヘビーローテーション」など、Billboard JAPAN Hot100「国内動画再生回数」ランキングの100位圏内に、未だにときどきランクインするほど視聴されているものがあり、過去に大ヒットした曲のMVが、粘り強い人気を残している。

こういった状況によって、MV群全体のトータルでは、乃木坂の20位を越える、12位に入ってくるのだと思います。


YouTubeで公開しているMV作品全体の再生数は、現時点における、そのグループの音楽的存在感を示す面があり、それが欅坂の5位、さらにはAKB48の12位にも届かない20位というのは、心配になる数字です。

乃木坂の音楽的存在感をアップするためには、とにかく、1億再生を狙えるような、本当のヒット曲を生み出すことが必要だと思います。

グループ内にしか通用しない「村内」論理によって選抜を決め、全員が滅多に揃わないような、楽曲パフォーマンスを軽視したやり方を続けている限り、音楽指標における、乃木坂の順位上昇は期待薄でしょう。


(表9)が示すように、「裸足でSummer」MVの再生数増加速度は、104週目(W)ながら2.4万回/日とかなり高く、この作品の根強い人気が分かります。

夏曲において、齋藤飛鳥を単独センターに指名したのは、「裸足でSummer」MVと同じような、海を取り込んだ、弾けた作品にしたいとの意図からかもしれません。

実際、以下のように、あしゅを西野白石で挟み、さらにフロントに生ちゃんがおり、2列目に衛藤、松村、秋元、桜井が控えている15th選抜と同じ配置を、今回の21st選抜は備えている。

15th選抜 [5-5-6(16), 10福神]「裸足でSummer」
(3列目) 北野" 星野 若月 生駒里奈 堀" 中元
(2列目) 高山 衛藤 松村 秋元 桜井
(1列目) 橋本 西野 c飛鳥 白石 生田
選抜発表 : 2016年06月05日(日)深夜『乃木坂工事中』
CD発売 : 2016年07月27日(水)


21st選抜では、加えて、若い3期が入り、沖縄の青空の下での、あのワチャワチャ感を再現しようと考えているのかもしれない。

何と言っても、選抜発表直前の盛大なネタバレとなった、MV撮影らしき光景は、ベトナムの有名なビーチで写されたそうで、今度こそ、茶色ではなく、真っ白な砂地の海で踊って、リベンジという流れでしょうか(笑)。


AKB48は「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」という二つの1億再生MVを持っている。

また、「制服のマネキン」MVがベースにあるとも言われる「サイレントマジョリティー」MVによって、妹グループである欅坂は、1億再生をデビュー3年目であっさり達成。

しかし、「ガールズルール」以降、生田・生駒・星野のトップ3による「制服のマネキン」路線を捨て、西野・白石をフロントに置き、1期年長メンバー中心の体制を5年間貫いてきたものの、乃木坂は1億再生MVを未だに出せていない。


乃木坂運営が、自分だけがそういった大ヒット曲を手にしていないことを気にし始めたのであれば、非常に良いことだと思います。

ただ、2年前の夏と同じトップ3で、楽曲人気の大幅アップを狙うつもりならば、この5年間をどう振り返り、未来へどう生かそうとしているのか、姿勢や決意というものを感じない。

少なからぬ乃木坂ファンが、またこの並びかと感じるような新鮮味のないフロントを、何回繰り返しても、MV再生数がうっかり1億回に届いてしまうなんてことは、まず起こらないでしょう。

失敗するリスクを負い、後列に下げられるトップメンバーを説得し、その上で、思い切った新人投入によるフロントを実現させてこそ、何か新しいものが見えてくると思う。


最後に、今の乃木坂でもっとも深刻だと感じるデータを紹介します。

(表10) 21st選抜確定時点における各メンバーの選抜抜擢回数

凡例
グループ 現在総人数 (/その期が選抜選考の対象となった回数)
選抜入り回数 : 該当するメンバー名

# 選考対象回数が「休業」などで期全体と異なるメンバーは、名前の直後に回数を記載
#「*」は2列目以上に抜擢されたことのある福神経験者
#「c*」はセンター経験者

1期18人 (/選考対象21回)
21回 : 桜井玲香* 白石麻衣c* 高山一実* 西野七瀬c* 松村沙友理*
20回 : 生田絵梨花c*(/19回)
19回 : 星野みなみ* 若月佑美*
18回 : 秋元真夏*(/18回)
16回 : 井上小百合*
14回 : 衛藤美彩* 齋藤飛鳥c*
09回 : 斉藤優里
07回 : 中田花奈*
03回 : 樋口日奈
02回 : 能條愛未
01回 : 川後陽菜 和田まあや

2期10人 (/選考対象15回)
13回 : 堀未央奈c*
07回 : 新内眞衣
05回 : 北野日奈子(/13回)
02回 : 寺田蘭世
01回 : 鈴木絢音
00回 : 伊藤かりん 伊藤純奈 佐々木琴子 山崎怜奈(/14回) 渡辺みり愛

3期12人 (/選考対象04回)
03回 : 大園桃子c* 与田祐希c*
02回 : 山下美月*
01回 : 岩本蓮加* 梅澤美波* 久保史緒里*
00回 : 伊藤理々杏 阪口珠美 佐藤楓 中村麗乃 向井葉月 吉田綾乃クリスティー


3期は、選抜対象になった回数が、たった4回なのに、すでにセンター経験者2人を含む6人が福神を経験しています。

一方、2期は15回も選抜発表に臨んできたのに、福神経験者は堀未央奈の1人だけ、しかも、選抜未経験メンバーが5人もいる。

2期と3期はそれぞれ違った雰囲気を持っているけど、素質という面では、どのメンバーも素晴らしいものを持っており、さらに2期は、5年の間に重ねてきた芸能経験によって、アイドルとして、大きな成長を遂げている。


いずれの期も、選抜において、自らの個性を発揮して、活躍してくれそうなメンバーばかりなのに、2期だけ、極端に抜擢回数が少ないのは、決定的なマネージメントの失敗です。

プロ野球のペナントレースと同じく、自分の信頼する選手ばかりを繰り返し使い、多数のベンチウォーマーを生み出してしまう監督やコーチの元では、チームが優勝するのはまず無理。

出番の少ない選手は、それだけで実力がないと言われがちだが、ほとんどの場合、監督やコーチに、選手の素質を見抜き、適切な使い方を考え出す力量がないに過ぎない。


5年間15回のシングルリリースを経て、未だに5人の選抜ゼロ回メンバーがおり、9人の福神未経験メンバーがいるのは、間違いなく、起用する側に深刻な問題があることを示しています。

大規模なオーディションによって採用した以上、運営は、メンバーに選抜というチャンスを与える義務がある筈で、それを5年間も怠っているのは考えられない。

まず、(表10)における2期の欄を、もっとまともな数字に改善することが、乃木坂の未来を拓く第一歩だと思う。


2期を飛び越して、3期だけ盛り上げても、では4期が入ったら、今度は3期のフィーチャーを止めて、4期に鞍替えするのかという話で、そもそもこの手法には無理がある。

採用した順に、グループ中軸を任せていくのが自然な流れで、またベンチウォーマーをもっとも少なくする方法でもあり、それが出来ないのであれば、新規採用はグループに亀裂を生むだけで、止めた方がいい。

まあ、なぜか坂道合同オーディションは応募期限が延長されたようで、アイドル志望の少女を探すことが、段々と難しくなっているのかもしれないですが。


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乃木坂20thは危機感ゼロのお花畑選抜、2期冷遇は3期、4期へ続くグループ崩壊のプレリュード [13Mar18]

忘れられた若手育成、乃木坂19枚目は舞台映画均衡型あさひなぐ選抜も、偏った年齢層と期別枠数 [04Sep17]

乃木坂「逃げ水」オリコン初動の分析、2期の躍進と失速が示す危うい未来、選抜「冷遇」の解消を [24Aug17]

18枚目はファンの気持ちを無視した運営の独りよがり選抜、2期の涙で曇る3期Wセンターは虚しい [10Jul17]


アレチボルト@sabakunonezumi のツイッターアカウント


# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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