福島第一原発1、2、3号機のタービン建屋に、高濃度の放射性物質で汚染された水が大量に存在することが判明した。また、原発敷地の土壌からはプルトニウムが検出された。
衝撃的なニュースだ。
原子炉本体か、それにつながるパイプ・バルブ系のどれかが大きく破損して、本来、原子炉内部に閉じ込められるべきものが、外部に大量に漏れ出た可能性が高いからである。
放射性物質の「閉じ込め」は、原子力発電の安全性の基本をなす思想で、原子炉は「どんな事態が起こっても」内部の物質を外部に出さないように、設計されているはずだった。
だからこそ、事故の見通しについて、多くの専門家がテレビで楽観論を述べることが出来たのだろう。
しかし、それが大破してしまった。しかも、1号機から3号機まで、程度の差はあれ三つとも壊れている可能性が少なくない。
原子炉の設計をもう一度根幹から考え直すべき深刻な事態である。
東京電力は事故の原因が「想定外の津波」だったことを強調するが、津波によって原子炉系が破損したとは思えない。原子炉が入った建屋が津波で壊れた形跡はない。また、海水が侵入して電気系が故障したとしても、原子炉の機械系が物理的ダメージを受けるとは考えにくい。
恐らく破損の原因は、地震そのものの揺れ、メルトダウンによる内部圧上昇、水素爆発のどれかだと思われるが、そのいずれにしても、チェルノブイリ事故、スリーマイル島事故、阪神大震災など、近年に参考とすべき貴重な教訓がある事態で、「想定外」という言葉を使うことは出来ない。
中国電力の山下社長は、上関原発(山口県)の建設計画を今後も進めていくと表明したが、従来の原子炉設計に重大な疑問を投げかける事態が起きている以上、あまりにも時期尚早というべきである。
原子炉建屋に入ることすら出来ない現在、福島第一原発事故の全容はほとんど何も明らかになっていない。それどころか、汚染水の発見により、事態収束への道筋も完全に見えなくなってしまった。
電力会社のトップは、今回の事故が、どれほど深刻で危機的なものなのか、理解できていないようだ。そして、その姿勢こそが、彼らに原発を任せるべきではない一番の理由である。
衝撃的なニュースだ。
原子炉本体か、それにつながるパイプ・バルブ系のどれかが大きく破損して、本来、原子炉内部に閉じ込められるべきものが、外部に大量に漏れ出た可能性が高いからである。
放射性物質の「閉じ込め」は、原子力発電の安全性の基本をなす思想で、原子炉は「どんな事態が起こっても」内部の物質を外部に出さないように、設計されているはずだった。
だからこそ、事故の見通しについて、多くの専門家がテレビで楽観論を述べることが出来たのだろう。
しかし、それが大破してしまった。しかも、1号機から3号機まで、程度の差はあれ三つとも壊れている可能性が少なくない。
原子炉の設計をもう一度根幹から考え直すべき深刻な事態である。
東京電力は事故の原因が「想定外の津波」だったことを強調するが、津波によって原子炉系が破損したとは思えない。原子炉が入った建屋が津波で壊れた形跡はない。また、海水が侵入して電気系が故障したとしても、原子炉の機械系が物理的ダメージを受けるとは考えにくい。
恐らく破損の原因は、地震そのものの揺れ、メルトダウンによる内部圧上昇、水素爆発のどれかだと思われるが、そのいずれにしても、チェルノブイリ事故、スリーマイル島事故、阪神大震災など、近年に参考とすべき貴重な教訓がある事態で、「想定外」という言葉を使うことは出来ない。
中国電力の山下社長は、上関原発(山口県)の建設計画を今後も進めていくと表明したが、従来の原子炉設計に重大な疑問を投げかける事態が起きている以上、あまりにも時期尚早というべきである。
原子炉建屋に入ることすら出来ない現在、福島第一原発事故の全容はほとんど何も明らかになっていない。それどころか、汚染水の発見により、事態収束への道筋も完全に見えなくなってしまった。
電力会社のトップは、今回の事故が、どれほど深刻で危機的なものなのか、理解できていないようだ。そして、その姿勢こそが、彼らに原発を任せるべきではない一番の理由である。