ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

道徳教育用の徴兵制(笑)

2007-11-30 22:07:40 | 政治
東国原知事の口から、「社会のモラルハザード」なんていう言葉が、出てくるとは思わなかった。あんたこそ、モラルがハザードし過ぎて、奥さんに愛想尽かされたんじゃないのか、って、突っ込みたくなる(笑)。

彼の考えによると、徴兵制によって、若者に、訓練や、規律正しい生活をさせ、モラルハザードを防ごうということらしい。もし、その方法で、道徳や倫理が身につくのであれば、軍隊や、警察は、一番、腐敗のない組織になるはずである。しかし、現実は逆である。洋の東西を問わず、これらの組織が、一番、腐敗しやすい。

原因の一つとして、上の言うことに、無条件に従う訓練を受けると、組織浄化が困難になる、という点が挙げられる。一度、上層部が腐り始めると、誰も、それを止められない。

いまの自衛隊が、まさにそうである。制服も背広も、幹部クラスが、強烈なモラルハザードに陥っている。こういった、腐った組織というのは、若者の倫理観育成用としては、あまりお薦め出来ない。

我々は、いま、守屋だ、宮崎だ、おねだり妻だと、「立派な大人たち」のモラルハザードを、嫌と言うほど見せつけられている。若者云々言う前に、大人の倫理観の欠如こそ、まず、問題にすべきである。

大人が、ちゃんとした社会を作れば、若者も、自ずと、まともに成長する。徴兵制の議論は、軍事力増強を目的とするなら、話の筋は通っているが、道徳教育のための徴兵制など、笑い種でしかない。そんな無意味な議論をする暇があるなら、東国原氏は、どうすれば、自分も含めた大人たちが、組織の中で、倫理観を持ち続けられるのか、その方法を考えて欲しい。

守屋氏も、入省した当初から、業者と癒着して良いと、思っていたわけではないだろう。なぜ、日本の社会は、出世と共に、倫理観を失っていくのか。あるいは、なぜ、倫理観を失う人間ほど、出世するのか。そこを明らかにする必要がある。若者のときの高邁な理想と強い倫理観を、なぜ失ってしまうのか。そこが、一番の論点であると思う。

東国原知事の「徴兵制発言」については、以下のサイトで、ニュースが読めます。

http://www.asahi.com/politics/update/1128/SEB200711280014.html



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額賀氏の証人喚問、なぜ消極的?

2007-11-29 20:31:37 | 政治
今朝の朝日新聞に、「国政調査権の名が泣く」との見出しで、額賀氏喚問に批判的な社説が出ていた。与党の同意がなく、全会一致ではない、宴席問題だけで呼ぶのはおかしい、地道な調査を積み重ねるべきなどが、批判の理由である。

しかし、私は、喚問は積極的に行うべきだと思う。

まず、過去の喚問が全会一致だったのは、自民党政権が長期に渡る中で、全野党が要求しても、与党が、滅多に同意しないからである。その結果、与党が「追求されても構わない人物」だけが、「追求されても構わない時期」に喚問されて、喚問の効力がそがれてきた歴史がある。

政権交代がない中で、全会一致の原則を守れば、野党に不利なのは、当然である。それでは、政府与党の問題を、糾すことが出来なくなる。その結果が、現在の、金権腐敗政治を生んでいる一面もあるのではないだろうか。むしろ、過半数に届かなくても、野党の要望が強ければ、実施するべきである。

額賀氏の喚問では、宴席に出たかどうか、それだけに質問が限定される訳ではない。日米平和・文化交流協会は防衛利権を生んだ温床と見られつつある。12月4日に、額賀氏は、そこでの「勉強会」に出席している。幸い、議事録があるそうなので、それと付き合わせながら、本人から、そこで何を、誰と、話し合ったのか、詳しく聞きたいところである。

守屋前事務次官の逮捕は、防衛庁の腐敗が、抜き差しならない状態にあることを、はっきりと示している。額賀氏は、守屋氏の動向を把握し、宮崎氏との癒着を、止める立場にあった人物である。当時、額賀氏は、何を、どこまで、把握していたのだろうか?宮崎氏が理事を務める、日米協会の会合に出席していて、何も、知らなかったのだろうか?これも、ぜひ聞きたいところである。

いま、未曾有の疑獄事件が、全容を現しつつある。額賀氏、久間氏、石破氏など、関係する歴代長官の責任が、厳しく追及されるのは、当然のことだ。特に、額賀氏は、もともと、日米協会の立て役者だった人物である。彼に、宣誓付きの証言をさせることは、極めて意味のあることである。

与党を追求するのに、与党の合意が必要。それで、何が出来るだろうか?検察が動いて、誰かが逮捕されて、初めて、渋々、証人喚問が行われる。全会一致などと、美辞麗句を並べているうちに、疑惑追及が後手後手になって、結局、検察の調査以上のものは、何も出てこない。

それこそ、国政調査権の名が泣いている。

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額賀氏と宮崎氏、同席なら論外

2007-11-28 22:08:09 | 政治
額賀財務相は、防衛庁長官時代、12月4日の宴席に、顔を出したのか?そこで、山田洋行元専務の宮崎氏と同席したのか?

守屋前事務次官が、証人喚問で、同席を明言したが、一方で、額賀氏本人は、強く否定。自民党が、額賀氏の「アリバイ」を主張する一方、民主党は、参議院での、額賀、守屋、両氏の証人喚問を議決。国会は、緊迫した状況になりつつある。

そんな中、テレビ朝日のニュースワイドショーで、コメンテーターが、「同席して、何が問題なのか?」「そんなに、破廉恥なことですか?」と発言したのには、驚いた。

同席が本当なら、論外で、破廉恥極まりない。防衛庁長官が、宮崎氏のような、利害関係の強い特定の業者と、料亭の宴席で会うというのは、癒着以外の何ものでもない。だからこそ、額賀氏は、同席を強く否定している。

防衛庁は、防衛機密という伝家の宝刀に守られて、戦闘機エンジンの購入など、巨額の税金が投入される契約であっても、選定過程など、情報が開示されにくい。それゆえ、幹部、とりわけ、事務次官や長官は、業者との関係には、ことさら神経を使うのが、本当の在り方の筈だ。

もし、業者に話を聞く必要があるなら、防衛庁に呼んで、会えば事足りる。あの立派な庁舎は、何のためにある?しかるに、業者である宮崎氏が理事を務める「日米平和・文化交流協会」で、勉強会と称する会合を開いて、そこに長官が出席するなど、それ自体、大問題である。実際、今回の事件にからんで、この社団法人は、東京地検特捜部の家宅捜索を受けている。

さらに、誰がお金を出しているのか、はっきりしない、明らかに高額な、料亭の宴席に出て、宮崎氏と同席したのならば、国民から見て、到底看過できない。

勉強会に加えて、宴席まで行ったとなると、ひどい癒着である。防衛庁が、税金でものを買うとき、山田洋行や日本ミライズに偏らず、国民の側に立った、公平な選定が出来るだろうか?国民の税金を委ねるに値する人物と、言えるだろうか?そのような人物が、現在、財務大臣という、国家の中枢に居て良いのだろうか?こういった重大な疑問が出てくる。

残念なことに、結ばれた契約や、水増し請求の処分を見る限り、山田洋行や日本ミライズは、相当有利に扱われている印象を受ける。しかも、額賀氏が、部下である守屋氏の、業者との深い付き合いを注意した形跡はない。政治家、官僚、業者が、一緒に勉強会や宴席を催し、仲良しクラブのようなものを作って、みんなで税金を食い物にしている。そう思われても仕方がない。

そのコメンテーターに聞きたい。同席の有無は、些末な問題だろうか?政官財の癒着の重大なサインの一つではないだろうか?何百何千億という途方もない額の税金が、間違った使われ方をしたかもしれない、その原因の一端ではないだろうか?

守屋氏と宮崎氏のような、防衛庁と業者の癒着というのは、発展途上国などでよく見られる、軍腐敗の、典型的なケースである。日本において、政府の志気が、著しく低下していると言わざるを得ない。地球の裏側で、命を懸けて働いている、現場の自衛官に対して、防衛庁幹部は、どの面下げて会えるのだろう。

政府と企業の癒着をいかに防ぐか、与党も、野党も、国会で議論を尽くして欲しい。もちろん、額賀氏同席の有無、日米平和・文化交流協会の役割、久間氏の問題など、まず、徹底的に、真相を明らかにすべきだ。守屋氏は、逮捕されたが、証人喚問に、もう一度、呼べばいい。国会は、国権の最高機関である。検察には、協力する義務がある。

「同席して、何が問題なのか?」「そんなに、破廉恥なことですか?」などと、目をつぶっていると、真っ当な納税者がバカをみて、日本という国が、どんどんダメになっていくだけである。

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のびたラーメンは美味いのか?

2007-11-27 19:40:07 | Weblog
勝俣州和は、出前のラーメンを、一時間ほど、わざと放置してから、食べるらしい。のびた麺が、スープを吸い込んで、絶品なんだとか。昨日放送のテレビ東京「お茶の間の真実 -- もしかして私だけ?」でのこと。

意外にも、東原亜希とギャル曽根が、勝俣流に賛同。のびたラーメンを、スタジオで食べてみた長嶋一茂も、「結構、おいしい」。スープだけじゃなく、もやしやネギの風味まで、麺にしみ込んでる(笑)。麺のコシが、限りなくゼロになっている気がするぞ。

他人が、何をどう食べようが、自由だけど、たまに「お前、それでいいのか?」と聞きたくなることがある。

中国に出店した、日本のラーメン店の奮闘記を、以前、テレビで見たことがある。ある店では、ラーメンと一緒に、豚カツを出すのだけど、中国のひとは、それをラーメンに載せて、スープを吸って、ヘロヘロになった衣を、食べるのが好きらしい。

料理人は、日本人で、サクッと揚がったカツを、ラーメンに載せるのは、忍びなくて、あくまで別皿で出してるそうな。曰く、「オレの見てないところで、載せてくれ」(笑)。

納豆をかき混ぜる仕草も、初めてのひとが見ると、びっくりする。私は、大阪の出身で、大学に入って、東京に出てくるまで、納豆は、かき混ぜてから、食べることを、知らなかった。

サークルの合宿で、食堂で朝ご飯を食べようとしたとき。私の向かいに座った、三人の男が、席に着くなり、一斉に納豆をかき混ぜ始めた。しかも、親の敵みたいなスピードで。

納豆をかき混ぜてるひとを、初めて見た。三人一緒に。しかも、誰も笑ってない。なんかの宗教行為かと思った。呆然として見てると、彼らは、ほぼ同時に、かき混ぜるのを終了して、一斉に、ご飯の上に、納豆を載せて食べ始めた。そういう食べ方も、初めて見た。

大阪に居た頃は、納豆に、生卵を入れて、かるく混ぜて、食べてましたね。もちろん、ご飯に載せず、そのまま。そうですね、そんなに美味しくはないですよ、はい(笑)。今では、私も、せっせとかき混ぜてるけど、外国人旅行者が見たら、かなり驚くでしょう。多分、写真撮ると思うな(笑)。

再び「お茶の間の真実」でのこと。ギャル曽根家では、姉一人、弟一人らしいが、夕食のとき、ハンバーグは一人七個まで、チキンライスは二合まで、と決められていたので、満腹にならなかったそうだ(笑)。

食べ方は普通だけど、量が異常。でも、相手がギャル曽根だと、「お前、それでいいのか」とは、誰も突っ込まない。「あいつは、しょうがないよ」って(笑)。

では、では。

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ミシュランガイド東京と三ツ星ファミレス

2007-11-27 03:49:09 | Weblog
ミシュランガイド東京、発売されましたね。150軒の店が紹介されていて、三ツ星は、フランス料理三軒、寿司屋二軒、日本料理三軒の八軒。また、星の総数は、パリやニューヨークより多くて、東京は「世界一の美食の街」になったそうです。

ミシュランガイドは、もともと、1900年に行われた、パリ万国博覧会に来る、旅行者のために作られたそうです。そのことは、評価基準にも、色濃く反映されています。覆面調査員による審査は勿論、一見の客お断りの店は載せない、会員制の店も載せない、値段がはっきりしない店もダメ。

今回の東京版も、世界約百カ国で、発売されるそうで、まさに旅行者を意識したガイドブックです。しかし、こういう評価基準は、東京に住むひとにも、役に立つわけで、ミシュランが、100年以上、支持されてきた、理由の一つかもしれません。

私は、外国人が、ランキングを点けることは、良いことだと思います。その評価基準が、賛同できるものだし、外からどう見えているのか、分かるだけでも意味がある。

もちろん、公平な審査が行われているのか、という疑問はあります。確かに、フランス料理が三軒、三ツ星に選ばれているのに、イタリア料理は、二ツ星まで。また、そばやラーメンは、なぜダメなのかなど、不思議な点は、少なくない。

しかし、完全に公平な審査など、現実には存在しません。フランス人が選ぶ以上、自国の料理を、贔屓目で見たとしても、それはやむを得ないでしょう。また、そばやラーメンは、いわば、ファーストフードであり、ミシュランが評価しようとする「レストラン」の範疇に入らないのかもしれない。

ミシュランガイドは、フランスのホテル・レストラン文化を作ってきたと言えるほど、フランスでは、絶大な影響力を持っているそうです。一方、東京は、ガイドブックというよりは、良い店には客が入り、そうでない店は、淘汰されるという、自然の法則で、外食文化が形成されてきた。

数多くのガイドブックに加えて、口コミ評価もあって、東京の店には、暗黙の内に、一定の序列が付いている感があります。したがって、ミシュランガイド東京は、その既存の序列と、競うことになる。

その競合が、意味のある、新しい価値を生み出すのか。それとも、金持ちの、外国人旅行者御用達のガイドブックの域を出ないのか。その辺が、今後、日本で支持されるかどうかの、ポイントになると思います。

でも、載ってる店は、庶民から見ると、かなり値段の張るところが多くて、私などが持ってても、あまり意味がないかもしれません。そこが、悲しいです(笑)。

レストランの話をしてたら、何か、食べに行きたくなってきました。そうだ、明日、ロイヤルホストで、ハンバーグ食べよう。結構、おいしいんですよ。コーヒー、飲み放題だし。ロイヤルホストは、私の中では、「三ツ星ファミレス」ですね(笑)。

この文を書くにあたって、以下のサイトの記事を参考にしました。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20071119gr09.htm


http://allabout.co.jp/travel/gourmettravel/closeup/CU20070322A/


では、では。

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心に残る関西のローカルCM

2007-11-24 19:47:43 | Weblog
フジテレビ「笑う犬の冒険」の「パタヤビーチへようこそ」というコント。現地のひと役の堀健が、ぴちぴち動く大きな魚を、両腕で抱えたジェスチャーをして、「何のコマーシャル?」。日本人観光客の原田泰造は、苦もなく、「ハトヤ」。

ハトヤのCMは、日本人なら、誰でも知ってるくらい、有名ですね。でも、当然知ってるだろうと思って、話してて、全く通じないCMも、結構、あります。大抵は、子供の頃見た、地域限定のCMですね。

私は、生まれてから、高校までを、兵庫と大阪で過ごしたので、その頃よく見た、ローカルのテレビCMを、つい口ずさむんですが、東京では、「なんだ、それ?」って、顔されます(笑)。例えば、

「有馬ひょうえの、こうようかくへー」

有馬温泉の「こうようかく」という旅館のCMですね。ど真ん中の、直球勝負です(笑)。ただ、「ひょうえ」って、何でしょう?子供の頃から疑問で、未だに分かりません(^_^;)。

さらに、幾つか挙げると、まず、

「十だい万だい、百だい万だい、千だい万だい、万だーーい、ひゃっかてん」

勢いだけです。しかも、意味のないシャレです。初めて聞いたひとは、フレーズの大胆さに呆然とするようですね(笑)。

実は、この歌、「一だい万だい」から始まっていたような、あるいは「百だい万だい」からで「十だい万だい」はなかったような、よく覚えてません。どっちにしても、大勢には影響しないと思います(笑)。

「こうしーん牛乳、今日も、まきばは日本晴れ。こうしーん、こうしーん。よーいぎゅーうにゅーう」

言い回しが、レトロです。「まきばは日本晴れ」、今じゃ、なかなか聞けません(笑)。さらに、良い牛乳って、どんな牛乳でしょう?(笑)。

「ろーそんへ行こうよ、ふれあう何かがあるかーあーら、忘れていた味覚があるーから。ほら、あのお店が、ろーーそん」

この「ろーそん」は、コンビニのローソンじゃないみたいですね。レストランのような。でも、メロディが、もの悲しい感じで、子供の頃、これを聞くたびに、寂しい気持ちになりました。あんまり、食欲はわかないっす(笑)。

「ママ、裸じゃやだー。みんなでのりを巻こうよ、おおっしまやーのり」

「おおしまや」の海苔ですね。家族の食事風景で、確か、お母さんとお姉さんが、おむすびに海苔を巻いて、食べてる。次に、小さな女の子が出てきて、前に、おにぎりが置かれている。でも、海苔が巻かれていない。それで、その子が、「ママ、裸じゃやだー」と叫んで、歌が始まる。そういうCMだったと思います。メロディが明るく、テンポも良くて、割と好きでした。

ところで、小さい頃、広島県に住んでいたひとが、教えてくれた、コマーシャル。

「一つ山越え、二つ山越え、三つ山越え、みつこし・・・」

勿論、銀座の三越デパートのCMじゃないです。三越は、山を三つも越えなくても、行けます(笑)。聞いた当人によると、記憶が曖昧で、「みつこし」のあと、何が続いたか、分からないそうです。「みつこし商事」だったような、違うような。どんな会社にしても、何だか、行くのが大変そうですね(笑)。

以上のCMは、自分の記憶だけを頼りに、書きました。もし、間違いがある場合は、どうぞ、コメントなどで、お知らせ下さい。

では、では。

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酔っぱらいの向こう側

2007-11-23 20:04:17 | Weblog
朝の八時頃、駅のホームで電車を待ってたときのこと。五十代くらいのおじさんが、階段の上で、ワンカップ酒をパカッと開けるのが見えた。おじさんは、階段を下りながら、酒をこくこく。ホームに降り立つ前に、飲み干して、「はあー」。

あまりの光景に、言葉が出なかった。朝のまだ早い時間に、酒。しかも、酔って宴会とかじゃなくて、水を飲むみたいに、一気に。でも、間違いなく、あれは、日本酒だった。このおじさんは、どういうひとなんだろう。訳が分からなかった。

それから何年かして、吾妻ひでおの「失踪日記」というマンガを読んで、納得した。おじさんは、アルコール依存症の一歩手前だったんですね。

吾妻ひでおは、ギャグ、ロリ、美少女が得意で、熱心なファンも多い、サブカル系のマンガ家(こう言って、いいのかな?)。ところが、執筆活動の辛さからだと思うけど、彼は、二度失踪して、ホームレス生活を送り、さらに、アルコール依存症になって強制入院、という強烈な体験をした。「失踪日記」は、それをマンガにしたものです。

「失踪日記」によると、アルコール依存症は、酒が好きで好きで、飲んでる状態では、ないらしい。酒を止めると、度を越した二日酔いが襲ってきて、幻覚、幻聴、被害妄想、恐怖感などの禁断症状が出てしまう。それは死ぬほど辛いらしい。それが嫌で、酒を飲み続ける。

だから、飲んでて、楽しいわけではない。胃腸がボロボロになるので、食事はもちろん、酒も受け付けなくなる。それでも、飲む。酒を飲んで、すぐに吐いて、それでもまた飲む。また吐いても、飲む。飲まないと、禁断症状が出るので、何としても、飲む。しかも、酒の影響で、夜、ほとんど眠れなくなる。まあ、「地獄を見た」に近いものがあるようです。

吾妻さんは、心配した家族が、強制入院させて、治療を始めた。彼は、禁断症状を抑える薬があることを知って、安心したそうです。もう、飲まなくていいって(笑)。もちろん、最初だけですけど。体が、ボロボロだから。復調したら、当然、また飲みたくなる。

「アル中が治ったら、晩酌くらいはいいだろう、今度は飲み過ぎないようにして」。彼は、そう考えたらしいですが、これは大きな間違いだった。一度、依存症になると、一生、断酒するしかないそうです。

こんな話がありました。依存症のひとが、十年近く断酒していた。あるとき、町内で祭りがあって、はっぴ着て御輿をかついだ。喉が乾いたので、目の前にある家のおばさんに、水を一杯頼んだ。で、それをくいっと飲んだら、酒だった。おばさんが、気を利かせたらしい。

その後、彼は、二杯目、三杯目と、酒が止まらなくなって、何時間も何時間も、飲み続けて、結局、ぶっ倒れて、救急車で病院に運ばれた。飲むと暴れる癖があったので、大騒動だったそうな。

アルコール依存症は、不治の病らしい。

でも、一番怖いのは、肝臓や腎臓をやられて、死んじゃう話ですね。どんどん、死ぬらしい。これは、読んでて、ぞっとしますね。

飲み始めると、止められない。あのおじさんみたいに、日の光を浴びても、飲める。酔うことだけを目的に、一気に飲むことがある。こういうのは、かなりやばいらしい。私も、大の酒好きで、とことん行く方なので、全然、他人事ではないです(^_^;)。

このブログ、いま飲んでる方は、読まない方がいいかも。せっかくの酒が、不味くなりますね(笑)。

ちなみに、吾妻さんは「失踪日記」で、手塚治虫文化賞、日本漫画家協会賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞など、大きな賞を、総なめにしました。転んでも、ただでは起きない。その根性、見習いたいです(笑)。

では、では。

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原田泰造に、風呂場で会った話

2007-11-22 20:59:44 | Weblog
昔、新潟の、とあるスキー場に行ったときの出来事。

スノボーの方が、スキーより簡単、という友人の甘言にのせられて、一日、ゲレンデを転がり落ちているうちに、夕方になった。そのスキー場のうりは、温泉に入れることで、さっそく、風呂場に行って、冷えた体を暖めた。

風呂を上がって、脱衣室で体を拭いていると、洗面場の鏡に向かって、一人の若い男が、延々と、髪にドライヤーをかけているのに、気が付いた。タオルなしの、真っ裸で、しかも、胸を反らして、仁王立ち。なんだ、お前は、と思って、鏡に映った顔をよく見ると、ココリコの遠藤だった(笑)。

芸能人といのは、何とも偉そうで、ナルシストだなあと、苦笑いしてると、自分のすぐ隣に立っている男と、ふっと目があった。驚いた、ネプチューンの原田泰造だった。こちらも、タオルなしの、全裸。慌てて、もう一度、脱衣場を見回してみたが、堀健とか、名倉とか、ココリコ田中とか、は居なかった(笑)。

閉口したのは、そのまま、何も言わずに、着替えていると、隣の泰造が、全裸のまま、じっと、私を見つめている(^_^;)。気持ち悪いくらい、じっと、見てる(笑)。多分、彼は、

「お前、オレがネプチューンの原田ってことに、気づいてるだろ。何か、話し掛けてくれよ。そしたら、回りの人間も、みんなオレに注目するから」

という気持ちで、私に、目線を送っていたんだと思う。キラーパスを出せよと(笑)。

勿論、無視しましたよ。そんなことしても、自分には、何のメリットもないから。芸人のプライベートにも、興味はないし。

それが、松本莉緒だったら、すぐに、声、掛けるけどね(笑)。サイン下さい、出来れば、握手してもらっていいですか、って。でも、松本莉緒が全裸で隣にいる状況というのは、もうお互い、言葉の要らない関係か、それとも、私が犯罪者か、どっちかだな(笑)。あり得ないですね。

泰造のしつこい目線を振り切って、風呂場を出ました。ロビーの受付を通ったとき、はっと、気づいた。朝、身分証を忘れて、受付で、少しもめたとき、相手のスキー場関係者が、もの凄く、品川庄司の庄司に似ていたことを。そのときは、世の中には、そっくりさんが居るんだな、程度にしか思わなかったけど。多分、本物ですね、あれは。

カンニング竹山が、言ってたけど、かなり売れて、テレビに頻繁に出るようになっても、弁当屋で、アルバイトしてたそうな。恐らく、庄司も、アルバイトで、働いていたのだと思う。そのつてで、遠藤と原田が、遊びに来てた。そんなところでしょう。

ところで、原田泰造と言えば、フジテレビの「笑う犬の生活」を、思い出しますね。本格的なコント番組で、毎週、欠かさず見てました。裸の付き合いがあったから、って訳じゃないけど、泰造の出ているコントは、結構、面白かった。

「センターマン」「青山さんの憂鬱」「小須田部長」とか。あと、タイトルは忘れたけど、ウンナンの内村がゲイ役で、泰造を好きになるシリーズも、強烈だった(笑)。

漁師町が舞台のとき、警官役の内村扮するテルさんの前に、白いふんどし一丁で、しかも、オイルてかてかに塗った泰造が、カツオ片手に、登場する。

「テルさーん、テルさーん。ハッ、ハッ、ハッ」

って。あの場面は、思いっきり笑いましたね。でも、なぜか、コントの泰造は、ほとんど全裸なんですね。その泰造に、風呂場で会った。テレビでも全裸、実物でもマジ全裸。もう、お腹、一杯です(笑)。

では、では。

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軽井沢での、ちょっと不思議な体験

2007-11-21 18:45:08 | 超常現象
以前の日記に書いたように、私は、オカルト関係の話が大好きですが、自分自身の心霊体験というのは、ほとんどありません。ただ、二三ですが、不思議な経験をしたことがあって、今日は、その一つを紹介します。

今から、十年以上前のことですが、夏休みに、軽井沢に遊びに行ったことがあります。天気が良かったので、軽井沢銀座で、自転車を借りて、街をサイクリングすることにしました。

軽井沢駅の南の方に、レイクニュータウンという場所があります。比較的新しい別荘地ですが、中心部に、人工の小さな湖を作って、その周りに、お土産物屋や木工博物館などが立ち並んでいて、遊べる空間になっています。

サイクリングには、ちょうど良い距離なので、行ってみました。駅からは、右折が一本だけの、簡単な道筋でした。地図を見る必要もなく、看板だけを頼りに、迷うことなく、一時間弱で着きました。

レイクニュータウンで、しばらく遊んだ後、そろそろ帰ろうと、軽井沢銀座に向けて、走り始めました。二、三十分走ったとき、ちょっとした交差点を通り過ぎました。行く先の道は、両側が林になっていて、緩やかに右に曲がっていました。

ふっと、どこからか、線香の匂いがしました。

このまま、あの林の道に行っていいのか、急に不安になりました。それで、自転車を止めて、交差点に戻りました。

往きの経験から、ここは真っ直ぐで良いはずでした。ところが、今度は、自分がどの道を走ってきたのか、分からなくなっていました。今さっき来た道なのに、本当に分からないんです。貸し自転車屋で貰った地図を見ましたが、観光地によくある、大ざっぱなもので、今どこにいるのかさえ、分かりませんでした。

そこで、交差点に立って、回りを眺めてみました。小さな道も合わせると、六差路でしたが、ある道の傍らから、線香の煙が立ち上っていました。近寄ってみると、板状の大きな石碑がありました。「あさま山荘事件慰霊」と書かれていました。誰かが、線香と菓子を、お供えしていました。

あさま山荘事件は、今から数十年前、連合赤軍のメンバー数人が、長野県のあさま山荘で起こした、人質立てこもり事件です。犯人グループは、銃や弾薬を持っていたため、立てこもりは何日にもわたり、警察との銃撃戦もあり、最後は強行突入で終わった大事件、その程度の知識しかありませんでした。

「こんなところに、慰霊碑があったのか」

その黒い石碑を、しばらく見ていました。顔を上げて、もう一度、回りを見渡したとき、自分が、どの道から来たのか、急に思い出しました。

「なんだ、あの林の道で、よかったんだ。おれは、なに迷ってんだろ」

再び、自転車で走り始めました。確かに、林の道で、駅に戻れました。

東京に帰って、少し気になったので、「あさま山荘事件」を調べてみました。あさま山荘は、レイクニュータウンにありました。強行突入のときに、警察官二人が、亡くなっていました。あの石碑は、その方達の魂を慰霊するものでした。

そのとき、何気なく、強行突入の日付を見て、驚きました。

それは、私の誕生日でした。

ある夏の日、軽井沢で急に道に迷った、自分の誕生日に終結した、あさま山荘事件の慰霊碑を見つけた、それをしばらく見ていた、そして急に道を思い出した。

それだけのことです。ただ、私の中では、あの線香の匂いを感じたとき、「おい、ちょっとぐらい寄ってけよ。お前の誕生日に、ここで、こんな事件があったんだぞ」と、誰かが囁いた。そんな気がしています。少なくとも、あの石碑を見つけるまでは、事件のことなど、微塵も、頭に浮かびませんでしたから。

勿論、これは偶然の産物で、心霊体験ではないと、自分に言い聞かせています。

事件について書かれた、Wikipedia のサイトは、ここです

では、では。

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宮沢賢治風ごはんダイエット

2007-11-19 20:07:53 | Weblog
以前、ダイエットに挑戦したときのことを書きます。ただ、見事に失敗したので、真面目に取り組んでらっしゃる方には、ごめんなさい、参考にならないと思います。

二十代までは、何をいくら食べても、全然、太りませんでした。それで、自分は、太らない体質なんだと、勝手に思ってました。ところが、三十代に入って、食べれば食べるだけ太る、という時代がやって来ました。

もともと、痩せていたため、体重を気にしたことがなく、体重計に載る習慣もなかったので、「何か、ちょっと体が重いか?まあ、すぐ戻るだろう」程度の気持ちで、ダイエットなど、微塵も考えませんでした。

しかし、二十キロ近く太ったあたりで、ようやく、ことの重大さに気付きました。なんせ、着られる服がなくなった(笑)。「おれ、太ったな。間違いなく、太った」

はい、間違いなく、太ってました(笑)。世の中では、「万病のもと」「生活習慣病への片道切符」「将来の医療費負担増の主原因」など、肥満に対する、風当たりがどんどん強くなってました。「やばい、これは、ダイエットして、少しでも、体重落とさなければ」。遅ればせながら、初めてダイエットを決意しました。

ここで、普通に、ダイエット本などを読んで、やれば良かったのですが、「それではつまらない。何か、自分オリジナルの方法で、行こうじゃないか」と、バカなことを考えてしまいました。で、そんなとき、宮沢賢治の「雨にも負けず」を、思い出したんですね。

「雨にも負けず、風にも負けず」で始まるあの有名な詩です。質素な生活をしながらも、自分のためではなく、みんなの幸せを願って、生きて行こうという内容です。その「質素な生活」を表現した部分に、「一日玄米四合と、味噌と少しの野菜を食べ」という節があります。

よく考えてみると、一日お米四合というのは、すごい量です。一合で茶碗三杯くらいなので、一日十二杯、一食平均四杯。オバQか、お前は、と突っ込みたくなるほどの量です。それでも質素。宮沢賢治も、全然、太ってません。

なるほど、ご飯は、相当な量食べても太らない、そういうことではないか、と考えたんですね。このときは、凄い発見をしたと、興奮しました(笑)。それならば、食事の際、むしろ、ご飯をたくさん食べて、ご飯でお腹を一杯にすれば、ダイエット出来るんじゃないか。そう、これが「宮沢賢治風ごはんダイエット」です(笑)。

さっそく、実践しました。ご飯を必ず炊いて、おかずは、焼き魚、煮物、おひたし、きんぴら、みそ汁など、和食系で揃えました。

ところが、数日してから、気が付きました。こういうものは、意外に、ご飯が進まないんですね。

「だめじゃん。ごはんダイエットなのに、ご飯を食べてないよ」

食べなくて良いんだよ、ダイエットなんだから(笑)。でも、このときは、セオリー重視で「ご飯食べなきゃ、もっと食べなきゃ」って思いました。何のセオリーじゃ(^_^;)。

それで、ちょっとした工夫を始めたんですね。きんぴらも、ゴボウとニンジンだけだったのを、豚バラとか入れて。煮物も、野菜だけだったのを、鶏肉入れて。焼き魚は、塩焼きを、ムニエルとかにして。

そうすると、なんと、どんどんご飯が進むんですね。ああ、これはいいや、凄く美味しい。どんどんご飯が食べられる、って(笑)。もう、ダイエットって言葉、忘れかけてました。

で、はい、もちろん、かえって太りました(笑)。

宮沢賢治の時代は、肉が、簡単には手に入らなかったんですね。おかずは、必然、低カロリーになった。だから、ご飯をたくさん食べないと、体がもたない。一説によると、当時のおかずの品目や、労働状況などを考えると、四合では少なすぎで、六合は必要だそうです。

一方、今の時代は、ばんばん、肉が手に入る。豚、鶏、牛、ハム、ソーセージなど、世の中に、溢れてる。だから、おかずが、簡単に、高カロリーになる。それに、気付かなかったのが、失敗の原因です。って、気付けよ、真っ先に(笑)。

皆さん、ダイエットをする場合、ご飯は、少な目に抑えた方がいいですよ。当たり前か(笑)。実は、今、「脱塩ダイエット」を、密かに、やってるんですよ。これについては、次の機会に書きます。ただ、効果は、まだ出てません。しかも、また、オリジナルの方法です(笑)。

宮沢賢治の「雨にも負けず」については、以下の二つのサイトを参照しました。両方、PCサイトです。

雨にも負けず(宮沢賢治)--偉人の名言集とその出典

雨ニモマケズ - Wikipedia

では、では。

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