山歩き自粛中の今、これまでに撮影した高山植物の写真を見返すと、花の名前の間違いなどに気が付くことが少なくないので、調べなおすことにしました。
最近、山の先輩と花の先輩がシャクナゲを載せておられましたので、先ずはシャクナゲから始めました。
私はアズマシャクナゲは見たことがなく、ハクサンシャクナゲとキバナシャクナゲだけだろうと思っておりましたが、豈図らんや、アズマシャクナゲが忘れられてパソコンの片隅で咲いておりました。
ツツジ科ツツジ属のこれらについて、①今回着目した特徴②分布③生育環境を整理したものと併せてご覧ください。
キバナシャクナゲ
①花冠は淡黄色で漏斗形。 葉は卵状楕円形で表面の細脈はへこむ。
②北海道、新潟県、栃木県、北・中央・南アルプス、八ヶ岳。
③高山帯の草地や岩礫帯。
2015年6月29日 木曽駒ケ岳で撮影
2015年7月5日 大雪山 旭岳で撮影
ハクサンシャクナゲ
①花冠は白色または淡紅色で上側の裂片中央に淡緑色の斑点がある。
葉は常緑で、水分の蒸散を防ぐため下方に巻きこむ。
②北海道、本州中部地方以北、石鎚山。
③高山帯から亜高山帯の樹林中。
2016年6月26日 八方尾根で撮影
2016年7月10日 早池峰山で撮影
2016年7月20日 鳥海山で撮影
2017年6月29日 秋田駒ケ岳で撮影
2017年7月8日 岩手山で撮影
2017年7月26日 八幡平で撮影
2018年7月3日 秋田駒ケ岳で撮影
2018年7月14日 早池峰山で撮影
2018年7月20日 秋田駒ケ岳で撮影
2019年7月14日 白山で撮影
2019年7月20日 秋田駒ケ岳で撮影
2019年7月31日 岩手山で撮影
アズマシャクナゲ
①花冠は淡紅色。葉の縁が羽柄に反曲せずに流れることでハクサンと区別する。
②東北地方南部~中部地方南部、関東地方。
③亜高山帯の樹林中。
2016年4月30日 榛名湖畔で撮影
石楠花寺もありますが、華やかな西洋石楠花で自宅のニホンシャクナゲとはまったく違うというぐらいの知識です。
今回、投稿するにあたって調べましたら、ニホンシャクナゲの中にも数種類あることを知りました。
自宅のお花と同じ花が咲いているサイトを見つけた時は嬉しかったです。ヤクシマシャクナゲであるという事が分かり、日々、この様なことに喜びを見つけ喜んでいます。
この度は、上お二人の方に、サイトに名が載っていても、画像の無かったシャクナゲをみせて頂き感動しました。
キバナシャクナゲは這うように咲くのですね。というより厳しさで耐えられないのかもしれませんね
さすがに大雪山のシャクナゲはしがみついているような感じです。
アヅマシャクナゲはその点、のびのびできたのでしょうか(笑)
花もふんわりしていますね。アズマシャクナゲは、大きくなるのですね。シャクナゲも色々ですね。屋久島シャクナゲも1年で20cm以上伸びますので、同じ状態で育っているのかと思います。お花もよく似ています。
でも屋久島と比べると花びらの厚さが違います。育つ環境になじんで生きながらえているのですね。
ハクサンシャクナゲは色に変化があり、ピンクも咲き始めは、濃かったみたいですね。葉が良く巻いていますね。水分の蒸散を防ぐためですか?我が家のも少し巻いたのがありますが、水不足で自己防衛しているのでしょうか(笑)
いつも水不足で20年以上も良く持ってくれています。移植すると枯れると思い出来ないでいます。
この度はお陰様でニホンシャクナゲのことが良く分かりました。ありがとうございました。
さて、私は二ホンシャクナゲはおろか西洋シャクナゲも知りませんで、何となく知っていたのが岩手県の五葉山に咲くシャクナゲでした。
しかしながら、五葉山でシャクナゲが見頃になると他の山に沢山の花が咲きますので、五葉山を後回しにしてしまい未だ見たことがありません。
この機会にと調べたところ、シャクナゲの最大の産地はヒマラヤ東部から中国の雲南・四川省いたる山岳地帯だそうで、この一帯の気候が充分な水湿を必要とするシャクナゲに合っているとのこと、ハクサンシャクナゲが葉を巻き込んでいることが頷けますね。
今回ご覧いただいた旭岳のキバナシャクナゲのように、「よくもこんな所に咲いていてくれた」と思う花を見ますと、その強い生命力に感動します。
水を求めて砂礫に深く根を伸ばしているというコマクサなど、地中からの水分を補うため綿毛で霧を捕まえようとしているウスユキソウなど、葉の外側を上に巻き上げその中に粘液を分泌させているムシトリスミレなどに、肥料や水を貰えない為の様々な工夫をみます。
少し巻いている葉があるとのことですが、仰るように本能的な自己防衛ではないでしょうか、水やりを控えれば葉の巻き方が強くなり逞しいシャクナゲになるのではないでしょうか。
最後は無責任な提案となってしまい失礼しました(笑)
早速、ご自身のシャクナゲコレクションを分類・整理されましたね。有言実行で、素晴らしいと思いました。
私も、ブログを書いている中で整理できていない部分があり、あらためてシャクナゲの品種について確認してみました。
長文になりますが、ご容赦願います(後ほど拙ブログにも要点を転記しておこうと思います)。
先ず、シャクナゲは、ツツジ属シャクナゲ亜属に属します。
次に、日本のシャクナゲ亜属は大きく、シャクナゲ列とハクサンシャクナゲ列に分かれます。
シャクナゲ列には、ヤクシマシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、アズマシャクナゲ、エンシュウシャクナゲの4つの品種が含まれます。
さらに、変種まで見ますと、ヤクシマシャクナゲには、オオヤクシマシャクナゲという変種があります。ツクシシャクナゲにはホンシャクナゲとキョウマルシャクナゲ、オキシャクナゲの3つの変種があります。アズマシャクナゲには、アマギシャクナゲという変種があります。
一方、ハクサンシャクナゲ列には、ハクサンシャクナゲとキバナシャクナゲの2つの品種があります。
上記のシャクナゲの品種の分布について、既に研究が進んでいますが、現在図書館の利用ができないのでこれ以上調べることはできませんでした。
しかし、品種の分布は水平分布と垂直分布があり、例えば、関東の日光白根山ではハクサンシャクナゲとアズマシャクナゲが共存したりしているようです。
東北地方は、高緯度にあり、標高2000mに満たない山でも高山植物が豊富です。様々なお花が楽しめるので、是非とも再び足を運ぼうと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
私の参考書はツツジ科ツツジ属との分類で、レンゲツツジ、ヤマツツジ、ミヤマキリシマ、ムラサキヤシオツツジ、コメツツジなどと一緒で良いのかな、と思っておりましたので、シャクナゲ亜属と教えて頂き納得いたしました。
さらに列もあるのですね、私は割と淡白な性格で「まっいいか」と調べようともしませんでしたが、何事も徹底的に追求しなくてはいけませんね。
アズマシャクナゲは東北地方南部が北限のようですが、具体の場所が示されていないのは、垂直分布による線引きが出来ないからですね。
今度はハクサンイチゲを調べていますが、葉の形状によってエゾノハクサンイチゲとハクサンイチゲに分類されることが分かり、月山に垂直分布による共存が確認されそうです。
今後、同じ花の山による違いや、似たような花を並べて違いを確認することなどが出来そうですが、スミレ科、セリ科、アザミ属は後回しにするか分かる範囲だけにしようかと思います、こちらこそよろしくお願いします。