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木になる 木の合う 事柄

今 こんなことをしています。

修理記録

2020-11-24 19:14:59 | 木彫
慈母観音像の修理 終わりましたから修理の記録をまとめました。

福井市にとっては 戦災の一つの記録です。
大勢の方の供養の結晶ですから その修理を担当させて頂けた事は
       私にとっても 記念とすべき仕事の一つになります。

壊れてしまった部分を この様に修理しましたと
                   写真で紹介してあります。
安置する場所に納まってしまうと 傍へ寄れなくなりますし
    横 後ろは全く見ることも出来無くなってしまいます。

それらをまとめて冊子にしました。
関係者の方にお渡しすれば 記念になる事でしょう。

残念なことは 大きな像だけに 満足できる位置 方向から
          写真を撮影することが出来なかったことです。 

仏像 搬出

2020-11-20 19:18:20 | 木彫
修理し終えた仏像   搬出しました。

大きく 重い 作品ですから 5人の方が来宅しました。
業者ですから 扱いは慣れているようです。

気を付けて・・・・ 気を付けて・・・・
これだけ大きくて 打ち繰りのしてない しかも欅製
                   想像以上の重さです。

トラックに積み込みました。

大きな作品が運び出されましたから
     狭い仕事場が 広く感じられるようになりました。
思い出に残る仕事になる事でしょう。
   ホッと一息  後始末をのんびりしていました。

仏像修理 終える

2020-11-16 19:05:56 | 木彫
仏像の修理  殆ど終わりました。

お尻の部分  昨日 貼り合せ 透いた部分を埋めておきました。
その部分を 刃物で形を整え・・・・。

埋めた材料が白くなっていますから 色を塗って周囲と馴染ませました。

子供の足も割れていた部分を埋め その部分が白く見えます。

その部分を周囲に馴染むように 色を塗りました。
これで 本体の修理を終えました。
明日になると 塗った色が乾燥して変わりますから 修正が必要になります。

台座の中にも墨書がなされていました。

狭い曲面の箇所ですのに しっかりした文字で書かれています。
当時は筆で書くことが当然とは言え 達筆です。

仏像修理 胎内物

2020-11-15 19:06:10 | 木彫
昨日 思いがけず見つかった胎内物。
関係の方達と相談して また元の位置に戻すことになりました。

昭和22年に作った当時の趣意書 観音経  尽力された方々の名前などが
                       記されていました。

32年にも開かれていました。
その時の 機関紙  名簿 等が記されていました。

今回の修理の事を記した内容が 記されています。

これらをもとの位置に戻しました。

蓋の部分を接着し ビスで固定しました。
これで 元の状態に戻りました。

開いた時に 樹脂の流れた跡がありました。
22年当時に 樹脂の接着剤があったのだろうかと 疑問に思いました。
32年にも開かれていたことが分かり その時の接着剤だったのです。
そのことは はっきりしたのですが・・・・
               何故開いたのでしょうか?
その理由は分かりませんでした。


仏像修理 背面

2020-11-14 19:20:47 | 木彫
仏像の修理  正面の修理を終えましたから 背面の修理にかかりました。

大きな作品ですから 裏返しにするのに4人の方に
          お手伝いをお願いして そっと裏返しにしました。

子供の部分  ちょうど木の芯が通っていますから 
          どうしても 割れが入ってしまうのでしょう。
                   痛々しく かわいそう。

お尻の部分  大きな部材が貼り付けられています。

お尻に部分が貼り付けられていることは 
             全体を見たときに分かっていました。
部材が足りず貼り付けたものだと思っていましたが・・・・・

そっと剥がして見ましたら・・・・中から書き物が出てきました。
部材が足りないのではなく 胎内に納めるためだったのです。
その様なことはお聞きしていませんでしたから 開けてびっくり!!

これは関係者の方達と相談しないといけません。

仏像修理 子供

2020-11-13 22:11:46 | 木彫
今日は 光背の彩色です。

三つに分かれていたのですが それを繋ぎ合せ
     接着箇所に色を塗って 周囲と合わせました。
これで 殆ど見ただけでは分からなくなりました。

裏側も同様に色を塗りました。

慈母観音ですから 子供と一緒に彫られています。

子供が足元に居り 手で頭を触っています。
一本の木で彫られています。

太ももと腕の間に子供の手が入っています。
一本の木でこの様子を彫り出すことは 並大抵の事ではありません。
余程 正確な粘土で作られた原型があったのでしょう。

ピッタリ寄り添っている 足と子供の体
彫る事も大変だったでしょうが 原型を作る事も大変だった事でしょう。

昭和22年の作品ですから 終戦後 世の中が落ち着ていなかった時期。
戦没者の慰霊のために 一心に作られたのであろうことが
                     良く伝わってきます。

仏像修理

2020-11-12 18:59:48 | 木彫
修理中の仏像  細かく見ると実によく彫られています。

腕の部分
見て分かる通り 細かなノミで丁寧に彫り跡が付けられています。
これはいったん仕上げてから 小さなノミで細かく彫って行かないと  
                   付けることが出来ません。

太ももの部分
仕上がると離れて見たとき 柔らかな雰囲気が出ます。
とにかく ただひたすら ノミを動かすしかありません。

蓮華座の一部です。

大きな作品ですから 作品を彫り易い様に動かすことが出来ませんから
          身体を彫り易い位置へ動かして彫ります。
それこそ さかさまになって彫り進めた時も あったことでしょう。
昨日 隙間を埋めた腕の部分

周囲と同じようになる様 着色しました。
これで 離れて見たときには
       修理したことも分からなくなることでしょう。

剥がれたり 隙間が出来てしまっている他の部分も 
                  同じように彩色します。

仏像修理  搬入

2020-11-10 19:15:27 | 木彫
依頼を受けていた大きな仏像の修理   搬入されました。

大きさは 165cm  等身大です。
頭・台座 一木で彫られています。
頭は別に彫り 取り付けられていると思っていたのですが・・・・
良く見ると 木目が通っていますから一木です。

慈母観音  子供も一木で彫られています。
材料はケヤキ  この作品を彫ることは大変な事だったでしょう。
よくこれだけの木があった物です。
作られたのは昭和22年と記されています。
電動工具なども無かった時代  大変な作業だったことでしょう。

戦争の被害者を供養するための観音様です。
この様な大切な作品の修復を手掛けられることに 感謝しないといけません。

光背から始めました。

裏から見るとこの様に相当傷んでいます。

外れているところは 外すと 大きく三つに分かれました。

打たれていた釘は 真鍮の釘でした。
鉄製の釘を使わなかったのは 錆を配慮したのでしょう。

ステンレスも無く 
接着剤も発達していなかった時代ですから 真鍮を選んだのでしょう。
接着剤はニカワでした。

出来るだけ詳しく 記録を残さないといけません。

天神様 小作り

2020-11-03 19:21:56 | 木彫
製作中の天神様   かなり形になってきました。

小さな作品ですから コツコツと彫っています。

小さいからと言って 形作るのは同じですから 手間もかかります。

ここまで出来ると 後は仕上げて行くだけですから
   じっくり作って行きましょう。