あなたがたは、自分に手があり、足があり、目があることも、本当は、当たり前と思ってはいけないのです。まだ幼い存在たちは、より高い存在の愛に頼らないと、自分の肉体さえ、ろくに持つことができないのです。あなたがたは、愛によって当たり前のように、すべてを与えられています。だがもう、子供の時代はそろそろ終わります。気付きなさい。自分の手が、自分の心の大きさに比べるととてもよくできているということに。それは奇跡でも魔法でもないでのすよ。当たり前ではない。見えないだれかが、あなたを愛して、あなたのために作ってくれるのです。あなたがたが生きるために必要なものは、すべて、愛が与えてくれたのです。
ルナ
民衆の言うことを全部聞いていたら、政治は必ず破たんするよ。彼らはできないやつの集団だからだ。だから常にできるやつに嫉妬する。嫉妬を動機に、どんな優れた政治家にも鼻くそみたいな欠点を見つけて滅ぼそうとする。そして国をだめにする。
アンタレス
イワン・クラムスコイ
原題「夫人の肖像」
これは全部を嘘で作り上げた女性である。顔も体つきもすべて人から盗んだものだ。この中にいる本人の本来の姿は、もっと貧相で、これとはまったく違う姿をしているのである。
身分のありそうな服を着て、真に迫って自分をやっているが、それ自体が芝居なのである。本当の自分はこんなものではない。苦い事実がいくつもあるはずである。見かけからは考えられないようなことを、この女性はいくつもしているはずだ。
だからなんとはなしに、まるでキツネが化けているような、胡散臭い空気をまとっているのである。
画家はその空気をもみごとに描き切っている。
嘘でつくりあげた人間には、いつもこの見えない空気がまとわりついているのである。
セックスの悦びは動物の段階では重要だが、人間となって勉強が進んでくると、だんだん意義が薄れてくる。いつまでも追いかけているのはガキの証拠だ。心配しなくても人類は繁栄していくよ。そこはうまくできているのだ。神を信頼したまえ。
アンタレス
コンスタンティン・ソモフ
顔と肉体があっていない。これは霊的技術で人工的に美しい肉体をつくったことが如実にわかる例である。
普通こういう顔をしている男はもっと細い。筋肉も薄い。それは目が弱いことでわかる。筋骨隆々とした男は普通目も強いのだ。
目が弱いのにこれだけの体をしているということは、他人から盗んだ筋肉を自分につけているからである。骨組みが小さいのを筋肉を厚くしてごまかしているのがわかる。こういう肉体は、現代のスポーツ選手などに多い。一見美しいが、何やら気色悪さを感じるのは、完全に嘘だからである。こんな顔にこれだけの筋肉がつくはずはないのだ。
近現代の人間は、こういうふうに、肉体改造をふんだんにやっているものが多い。
あまりに自分がつらいことになっているのだ。人間は長い人類史を通して馬鹿なことをやりすぎた。それゆえに本当の姿が実に貧しく醜くなってしまっている。
その本当の姿がいやなばかりに、技術を弄してこのような人工的な美形を作りまくっているのである。
春は来てあなさくらぎの照り映えてふるさとを見るあけぼのの空
白雲の白きにまがふうすべにのさかりの春にあまつ日の照る
みみなぐささにはのすみにのび出でてちひさくしろき星光かな
光降る春のしじまにまどろみのあはき夢見したまゆらの恋
愛情のふりをしていふ空言の空のやかんのごとくつめたき
やさしさは自分を守るためのうそばれたらこまるほんねのほんね
患者より大事な医者のメンツかな誤診ごまかす小技は名医
本当のことを言われて馬鹿になりだれかのせいにして逃げる人
ぬばたまの夜空の星をみがきみてひとりの部屋にともしてみたり
奥山の石工の胸に咲く百合の深き眠りをとほく見る人
さくら花さかりの春にあふれ咲き光も風も心にぞとく
何を見てわづかにゑまふ昼の月
すみれ草あをきいさめをうたひつつみちのべにさくしづかなる風
病棟の窓に見る山朝来る
いざよひて窓に明るき夜半の月
うそばかりついておのれにかへる時たれをうらむか凡庸の人
おのが身の馬鹿さ加減もわからずてたまる借金苦しかりけれ
子育ての苦きをたへてくれるのは親ばかりとぞおもふべきなる
出ぬ月を待たむここちも月夜かな
面倒な仕事は全部ひとまかせいばってりゃいいバカ殿社長