世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

破壊の魔王

2018-08-21 04:16:29 | 詩集・絹の鎖

いやらしいことをすれば
俺の勝ちなのだと
そういうことにしてきた

人をだまして 馬鹿にして
狂うほどもてあそんで
惑い滅んでいく人の
その苦しみの顔に
勝利者の高笑いを焼き付けて
刹那的な愉楽に酔ってきた

孤独は
研ぎ澄まされる針のようだ
だれもおれを愛しはしない
愛しはしない

逃げる人間をつかまえて
鳩のように引き裂き
十字架の贄にした
おれはどんなことをしてもいいのだ
いやがられるものが
王なのだ
永遠に君臨すればいい

すべての創造物は
俺のえさだ
おれの快楽の餌食だ
なにもかもが俺だけのためにある

えんえんと えんえんと
繰り返す
孤独は
鉄の十字架のようだ
おれの心臓から
巨木のようにたちのぼる

破壊の魔王は
酔いどれて
世間の裏にいる
どうしようもないくそったれだ
二度と出て来はしない





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