世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

恐ろしい詐欺

2018-06-26 04:17:56 | 黄昏美術館


アルマン・ポワン

原題「マダム・ベルトロの素描」


これは詐欺である。すばらしく優雅な形に髪を結い、美女の容をしているが、目を見れば、こういう高い段階の暮らしができる霊魂ではないことがわかる。

この魂は、もっと下賤な世界に生まれるべき魂なのだ。そういう環境で忍耐や共同作業の基本的修行をせねばならない。しかしそれがいやなばかりに、霊的技術を弄して自分以外の人間になり、無理矢理よい家庭に生まれてきたものと思われる。

あからさまに他人を敵視しているような目だ。実質内面では嫉妬の炎を抑えることもせず、他人への憎悪を営々と育てているのであろう。どういう経歴の女性であるかは不明だが、周囲に害を及ぼさない人間ではあるまい。

こういうのを、妖淫という。馬鹿が高貴な身分に生まれてくると、よくこういうものになる。なんでも自分の願いが叶うと思い込み、あらゆる害を吹きだす、おそろしくいやな存在になるのである。

このような人格に神秘を感じてひっかかる男も多い。しかし引っかかると大変な目に合わされる。

存在自体が詐欺だという女性である。





この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジンジャー・3 | トップ | 人は »
最新の画像もっと見る

黄昏美術館」カテゴリの最新記事