世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

ルリマツリ

2022-05-18 05:14:38 | 花詩集

宵の方 天空にクギ打たれた
銀のヴェガを見つめていた
あらゆる雲と風と虚無を乗り越えて
今私たちは一本の光でつながっていた

沈黙の中で眼差しをかわす
見つめ合うだけですべてがわかるひとが
ほら あそこにいる

いつか
すべてのことを語り終えて
青い風の結び目がほどけたら
私はあのなつかしいひとの元へと
帰ることだろう

野の香り山の光を染め上げて
空に語る人々の愛の歌を織り込んだ
広い翼をひるがえし

差し伸べられたあなたの
ただ一本の指をたぐり
風を越え空を越え
魂の岸辺を抜け

いつか帰ることだろう

なつかしいあの故郷へと




(花詩集・29、2005年10月)





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