世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

2024-07-04 03:39:45 | 詩集・こどもたちへ

魚の舌で作った
銀の造花を踏みながら
果てしない海の上を
歩いていく馬鹿がいる

逃げることはできない自分を
妖怪のように背負い
重い足取りで次々と
海に浮かぶ造花を
踏んでいく

一つでも踏みそこなえば
深い海の奈落に落ち
そこで真実の巨魚に
飲み込まれてしまうだろう

何億の魚の舌を抜き
愛に似せて作った
銀の造花を踏みながら
馬鹿が歩いていく
永遠の海の上を
歩いていく

こんなことは
二度とするものかと
うめきながら
絶望の日々を
数えていく




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