今日、目覚めたら昼近くになっていました。日頃の疲れが蓄積しているのかも知れませんが、それでも時計を見ると自己嫌悪でゲンナリします…。
それでも朝食を兼ねたブランチを摂ってから、今日はデスクワークを進めることにしました。そのお供BGMは

やはりバッハです。
いろいろと聴きましたが、今回はそのラインナップから《4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065》を取り上げてみようと思います。
バッハは1729年から1741年にかけて、ライプツィヒにあったコレギウム・ムジクムという民間の音楽愛好団体での公演の指揮をしていて、バッハのチェンバロ協奏曲の殆どはその演奏会のために作曲されたもので、その多くはバッハの旧作や他の作曲家たちの作品を編曲したものでした。
バッハがコレギウム・ムジクムの仕事を始めた頃、長男のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ、次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハを始めとする息子たちや、弟子のヨハン・ルートヴィヒ・クレープスらが一流のチェンバロ奏者に成長していました。そんな彼らに公演させるためということが、バッハのチェンバロ協奏曲の成立の背景にあると考えられています。
バッハのチェンバロ協奏曲にはソロ(1台)、2台、3台、そして最大で4台のためのものがあります。そして、4台ものチェンバロをソロに据えた作品を書いたのはバッハだけです。
《4台のチェンバロのための協奏曲》は、ヴィヴァルディの代表作のひとつである《調和の霊感》の中の『4台のヴァイオリンとチェロのための協奏曲ロ短調』を元にして作曲されました。チェンバロの音域の観点からロ短調からイ短調に移調されたり、チェロのソロパートをそれぞれのチェンバロのパートに振り分けられたりはしているものの、基本的にはヴィヴァルディの作品を丁寧にオマージュしています。
それでも、そこはバッハのことですから、ただヴィヴァルディをトレースしているわけではありません。原曲のヴァイオリンらしいフレーズをチェンバロ向けにアレンジしたり、主旋律に対して対旋律も加えてバッハらしい重厚な響きを聴かせるように改変したりもしています。
そんなわけで、今日はバッハの《4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065》をお聴きいただきたいと思います。ネーデルラント・バッハ・ソサエティによる演奏で、4台ものチェンバロが奏でるヴィヴァルディとバッハのゴージャスな『共演』をお楽しみください。