共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

皆既月食の理想と現実

2022年11月08日 19時36分35秒 | 日記
今日は皆既月食が見られる日です。昨年11月に月面全体の9割が欠ける『ほぼ皆既月食的部分月食』がありましたが、今年は正真正銘の皆既月食です。

ご存知の方も多いかと思いますが、改めて月食がおきるメカニズムを軽く復習してみようと思います。

地球や月というのは自ら光を放っているわけではなく、太陽からの光を反射することで光輝いています。そして太陽に照らされると、当然のように地球にも影ができます。

この太陽と反対方向に伸びた地球の影の中に月が入ると、



地上からは月がどんどんと欠けていくように見えます。これが月食です。

月食は太陽・地球・月が一直線に並んだ「満月の時」に見ることができます。しかし、だからといって満月の度に毎回月食が起こるわけではありません。

というのも、月の通り道は



上の図のように地球の通り道に対してちょっとだけ傾いているため殆どの場合は地球の影から外れた場所で満月になることが多く、地球から見た満月も白く輝いて見えます。しかし、何回かに一度月の通り道と地球の通り道とがピッタリと重なって月が地球の影にスッポリと入ることがあって、その時に見られる月食が皆既月食だというわけです。

また、皆既月食というと



こんな感じで月が赤黒く見えるのですが、これにも理由があります。

プリズムを使ったことのある方は分かると思いますが、



太陽の光というのは赤や青など色(波長)の異なる様々な光を含んでいます。そんな太陽の光が地球の周りにある大気を通過する時に青や紫といった波長の短い光は散乱してしまいますが、赤やオレンジといった波長の長い光は散乱されにくいので、大気を通過することが可能です。

これが大気中で屈折することで地球の影の中に入り込み、



赤い光が月を照らすことで、赤く見えるのです。これは、夕日が赤く見える原理と同じことです。

さて、ここまで言ってから実際に月を観察してみたのですが、出たばかりの満月をスマホで撮ると



こんな感じが精一杯で、皆既食が進んだ状態をスマホで撮ると



こんな感じ、そして最大食が



こんな感じでした。いろいろとやってみたのですが、これがスマホカメラの限界です…。

因みに今日は皆既月食と一緒に天王星食も見られるそうなのですが、それはさすがに天体望遠鏡でも無いと観測できません。なので、そちらについては国立天文台の写真か何かを御覧ください(汗)。

コメント (1)
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