OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

ゆで卵とふかし芋

2008年06月09日 | 硫黄島・小笠原村
小笠原村の生徒が遠足で訪れると、硫黄ヶ丘で、持参した生卵をゆで卵にするそうです。同じような、硫黄噴出の熱で作るゆで卵は、箱根の大涌谷で紙袋に入れられて売っている黒卵が有名で、観光で大涌谷に行くと、多くの人は買って食べた経験があると思います。

戦前に島で子供時代を過ごした方から、お聞きした話です。

小学校があった本山集落以外から歩いて登校してくる子供たちの
一人だったそうです。

登校時に、硫黄ヶ丘の、ちょうど良さそうな場所、深さに
持ってきたサツマイモを埋めておくと、
学校が終わって帰る頃には、美味しくふかし芋が出来上がっていて、
それを掘り起こすのが楽しいで、食べながら帰ったそうです。
ところが、ある日、年長の子供に、埋めておいた場所を
探り当てられて先に堀されてしまい、とても、悔しい思いを
したそうです。
楽しみしていた ふかし芋 を取られてしまい、悔し涙を
浮かべている情景が多い浮かぶ、お話です。

学校が終わって、帰路に着く前に
元山集落の祖父母宅に、立ち寄ってから帰ったことがあった
と聞きました。「食べるものをもらったりしていた。」
そうです。
サツマイモが見つけられなかった日には寄ったのかもしれません。


いつの時代にも年長者は狡賢く、年下を出し抜くものです。

同じような話は私にも経験があります。
このあたりは、今では住宅地になってしまっていますが、子供の頃には
田んぼが多くて。ザリガニがたくさん取れました。田んぼで過ごす時間が
多かったです。

その日は、学校が終わって一度家に帰ってから田んぼに行って、
既にかなり多く取って、バケツに入れていました。
その時、下校時間が遅い6年生がとおりかかり、
「秘密にしていたが、いいことをを教えてやる。
あのあたりに行くと、もっと、いっぱいいる。」と十数メートル先の
場所を探すようにと言いました。
「いいことをを教えてもらった」と、友人と二人で夢中になって探して、
つかまえたのをバケツに入れようとして、道端に置いていた、収獲を入れていたバケツの方を向くと、あったはずの場所にありません。
だまされた、と気が付いた時には後の祭りでした。
同じ6年生には、年少で学習能力が無かったので、
何度か出し抜かれた記憶があります。

サツマイモの場所がばれて先に掘られたしまったお話を聞きながら、
小学校の時の体験を思い出しました。

写真は硫黄ヶ丘の硫黄が噴出している場所。
風向きで、硫黄含む噴出蒸気の熱風が顔に当たると、かなり熱いです。
コメント
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