にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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ダブル

2009-07-24 01:11:19 | オーケストラ
TOC定期の本番がまず終了です。
ブラームスの1番と2番というヘヴィーなプログラム。
1番の後に2番というのがミソと言うか何と言うか。
1番のフィナーレで大団円を迎えた後に始まる長閑な世界。
ベートーベンで言えば5番の後に6番をやるような、不思議な組み合わせです。

我々としても気持ちを切り替えるのが難しい。
1番の後の休憩、気持ちを切り替えつつも集中力は切ってはいけないし。
普段なら1番でコンサートは終了となるのです、どうしてもこれで今日は終わりという気分にもなってしまう。
それにマエストロと演奏するという行為は我々の持てる力を出し切ってもなお足りないくらいに途轍もない事なのです。
1番でも一切の妥協は無し、全力疾走です。
そしてその後に2番。
多少こじんまりとしているとは言え、ブラームスですから重量級には変わりがありません。
以前のベートーベン全曲連続演奏会にも匹敵するきつさです。
しかもまだ2回残っている。
まずは明日のサントリー定期、残った力を全て注ぎ込みましょう。

しかしマエストロの想像力にもまいります。
昨日までとは違うテンポで作ってしまったり、昨日までの音楽が悪い訳ではなく、それどころかとんでも無く素晴らしいにもかかわらず。
今日は違う音楽を作るよ、と言って2番のフィナーレの決め所のテンポを変えてしまう。
で、こちらもまた説得力に溢れていて素晴らしい。
恐れ入ります。

昔フェドセーエフさんも同じような事をやってくれました。
やはりブラームスのハンガリー舞曲第5番で練習と本番とで全く違うテンポで演奏したんです。
ゲネプロの時に「夕べ思い付いたんだけど今日はこのテンポでやるからね」と。
そのどちらも個性に溢れていて凄かった。
巨匠クラスの指揮者ともなればこんな芸当も当たり前に出来るんですね。