福島輝哲さんが創り出す独特のリアリティは、周りの空気を全て取り込む

やんちゃそうな手と足。
そして、悠然と構える自信に満ちた眼力。
体全体を覆う皮膚の質感が、作家の注ぎ込んだ精力を閉じ込め、マグマのように真っ赤に溶融させます。

もしもその動物の皮膚に触れば、その一点から熱い熱い作家の吐息が勢いよく噴出してきそうです。

福島輝哲さんの「陶人形展 猿と動物」。
毎年干支の動物にちなんで、ここアートスペース創で開催されているそうです。

会場には、福島さんが焼いた器に植え付けられた山野草も展示されています。
山野草に挟まれて、小さなお地蔵さまが祈る姿には、思わず目を見張らされます。

福島さんが創り出す陶製の仏さま、人、動物が発する独特のリアリティ。
周りの空気を全て取り込んでしまった後で光り輝くエネルギーの清冽さ。
個展が終わると『どっと疲れる。』と福島さんは言います。
そりゃぁ、そうでしょう、こんなにも自らが産み出す作品にエネルギーを注ぎ込んでいるから。
そうでなければ、人に感動を与えません。

福島輝哲さんの「陶人形展 猿と動物」は、１７日（日）まで名古屋市緑区鳴子町のアートスペース創で開催中です。