クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

富田伸介さんが描く自画像の心地よさ

2016年04月09日 21時38分25秒 | 美術展
不思議な展覧会名の秘密が少し分かったような気がします。

『私、達』、英語では、I As a Group。

会場に入れば、中におみえになった画家の富田伸介さんが説明してくれました。
油彩で描かれた絵は、自身がモデルであると。

そう言われれば、画面に1人だけ描かれているのもありますが、2人、3人と描かれているのも、全て同じ顔の人(、私の目の前にいる画家)が登場します。

『自画像は、今、一つのジャンルとなっている。』
『心おきなくモデルを観察し、いろんなポーズを取らせることができる。』
『鏡を見て描く。横顔を描く時は、2つの鏡を使っている。』
『絵を描きたいという欲求があり、その欲求に沿って描いている。』
『これまでは描けなかったことが表現できた時は、喜びを感じる。』

いろいろと自身の描くことへの取組について、画家は分かり易く説明をしてくれます。

いじわるな質問を投げかけました。
「自分を描くと、自分のいやな面も出てしまい、困らないですか?」

そんな質問にも、気持ちよく画家は答えてくれます。
『どんな人にも、いやな面はあるのでは。ですから表現されてしまっても構わない。』

いろんなポーズの人物像。
ちょっと危ない(?)状況のもあります。
画家が画家自身に覆いかぶさって、その顔の横にはもう一つの覚めた顔。
それが、このシリーズの一番最初に描いたものだそうです。

私が自分のそばに置いていつも眺める喜びを感じるであろうポーズは、画家の頬に画家の足がぴったりくっついて、それでも平然としている画家の目が描かれた1枚。

いずれにしても、富田さんが描く自画像は、虚飾を捨てて、自身の心を素直に表現しています。
観ていて心地よさを感じます。

富田伸介さんの『私、達』は、明日10日(日)まで、名古屋市中区錦1丁目のギャラリー名芳洞で開催中です。


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