横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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企業が創業者によって経営されているかそうで無いかは、その企業の将来の可能性を根本的に変える

2016年06月24日 14時13分52秒 | ビジネスetc
ソフトバンクの次期社長に「約束」されていたニケシュ・アローラ氏が退任し、創業者の孫正義氏が続投するというニュースが流れ、日経のインタビュー記事を読んだ。

「創業者は往々にしてクレージーだ。いつまでも若く、まだまだやれると思っていたい。自ら経営の一線から引退する、いざその時期が近づくと、やっぱりもう少しやっていたいという欲望が出た」

孫氏「見直しはない。60代で(引き継ぐ)というのは変わらない。69歳まであるから今後、10年は社長をやると言っている。ただ今回のことでよく分かったのは、69歳になっても結構アクティブに続けているんじゃないかという気はする」

 「インターネットは若い業界だ。僕自身が会社の成長のボトルネックになってはならないと思った。若いうちにバトンを渡す必要があると思っていた。これは2年前のことだ。ただあと1年で60歳という年齢になって急にさみしくなった」

(いずれも日経のインタビュー記事からの転載)

読んでいて、孫社長の自分に正直な人だと感じた。そしてこういうことを実行できるのが創業者なのだと改めて認識した。創業者の意志決定の結果、事業がどうなるかは、最後は創業者自身が結果責任を負うから、誰がどうこう論評する筋合いも無い。孫社長は、出版、パッケージソフトの流通から事業を始めて、現在のソフトバンクを一代で築き上げた、希有の事業家である。その事業家精神には終わりも引退も無いのだ。

私もオークニーを創業し、そして新たにCUNEMOを創業した者として、孫社長の気持ちはとても良く理解できる。長く続ける中で、ビジネスモデルを転換していくことにも抵抗はない。自分の器のままに、がむしゃらに事業に取り組んでいけばいいのだ。

それが、いわゆる「プロ経営者」では、全然そうはならない。組織を運営できても、0を1にする経験をしていない。合議ができて、理が通ることしかできない。だから、イノベーションの程度が知れている。Appleしかり、Uberしかり、破壊的なイノベーションを起こす人間は、いつも創業者である。

その企業が創業者によって経営されているかそうで無いかは、その企業の将来の可能性を根本的に変えてしまう。かつてのソニーが輝きを失ったように、ニケシュ・アローラにバトンタッチしてしまったら、ソフトバンクも面白くない会社になってしまっただろう。

最後に、
 ――具体的に検討している買収案はありますか。
 孫氏「今はない。常に色々と狙ってはいるが。NTTドコモを買おうかとか(笑)。あり得ないでしょうけど」


こういう不遜なことをさらっと言ってのけてしまう人は、私は大好きである(笑)。

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