日々の覚書

MFCオーナーのブログ

アナログ復活?

2017年03月05日 19時28分37秒 | 音楽ネタ


近頃、若い人たちの間に、アナログ愛好者が増えているらしい。デジタル全盛の現代に於いて、わざわざアナログ・レコードを聴くというのは、炊飯器があるのに敢えてお釜で飯を炊くのと一緒で、まぁ一種のノスタルジーというか何というか、単にアナログの良さに目覚めたというより、不便であってもアナログにこだわる事に価値を見出しているというか、ま、とにかく、ちょっとした自己満足でしかないのでは、とアナログ世代は思ったりする。アナログの方が音に暖かみがある、などと愛好家の若者は言うが、確かにそういう側面はあるけど、ではなぜ、LPはCDに取って変わられたのか、というのを考えてみると、それはCDの方が便利で楽だったからであり、音の暖かみ云々以上に大多数のユーザーにとって重要な事だったのだ。今にして思うと、1980年代中頃に起きたLP→CDの移行は、ほんとアッという間だった。商品としてのCDが発売されたのが1982年だそうだが、1985年頃には新譜が出る際、LPとCDの両方が発売されるようになり、そのうちCDの出荷枚数がLPを追い抜き、ついにソニーが”LPを生産しません宣言”をしたのが1988年と記憶している。他社も追随し、1989年春以降、日本では新譜LPが発売されなくなった。ほんの数年間で、何十年もその地位を守ってきたLPが、姿を消してしまったのだ。それだけ多くの大衆がCDを支持したのである。皆、CDの方が便利で使いやすいと思っていたのだ。

そりゃ、確かに、CDは画期的だった。コンパクトで持ち運びが楽だし、再生してても途中でひっくり返す手間は不要だし、傷とか埃とか気にしなくてもいいし、頭出しやらランダムやらの再生モードも便利だったし、再生してる途中の針飛びやスクラッチノイズで興ざめ、なんて事もない。LPから乗り換える人が多かったのも当然だ。

最近の、若い人たちのアナログ人気は、ここいらに対する揺り戻しなのでは、という気がする。

僕も、LPからCDに移行しつつある、というのは気づいてたし、周囲が徐々にCDプレーヤーを買い始めて、内心焦ったりもしてたけど(笑)、しばらくはLPにこだわっていた。洋楽の新譜はLPを買い続けていたのだ。前述の、”LP生産しません宣言”までは。

ただ、意地を張るのに疲れた訳ではないが(笑)、その”LP生産しません宣言”で少し安心してCDを買うようになった。そうなると、国内外問わずCD一色になるのに時間はかからなかった。90年代初頭から1枚もLPは買っていない。

何度も言ってるけど、CDは楽だ。音の違い云々は多少あるけど、それはLPで出ていた物がCD化される際に問題になる事であり、最初からCDで発売される物が多くなってくると、別に気にはならない。録音するのも楽だ。僕は、CDをカセットテープに録音した音、というのが好きだったのだが、録音ボタンを押してしまえば、針飛びとか気にしなくていいし、曲順を変えたり一曲減らしたりして再生、というのも簡単だし、パソコンが普及すると、CDから必要な曲を取り込んで保存したりメールで送ったり、という事も出来るようになった。いずれも、LP時代には面倒だった事ばかりだ。CDは、音楽の聴き方も作り方も変えてしまった。

とはいえ、ある時期までは、LPとCDを並行して聴いていた。面倒だの何だの言っても、僕はやはりLPが好きだったし(音もさることながら、サイズがたまらない。CDはちゃっちくてアカン。ジャケットの芸術性は、あのサイズでないと楽しめない)、LPで持ってるのはCDでは買わなかった。アニバーサリー・エディションとか、ボーナストラック等が入って、LPと若干違う内容になってるならともかく、LPと全く同じ内容なら買っていない。だから、相変わらずLPでないと聴けないアルバムもかなりある。

そのLPたちは、ずっと実家に置きっ放しになってて、長い間聴いていなかった。が、最近とある事情により、実家に置いてある物も少しづつ整理しなければならなくなり、まずは何枚かのLPを持ってきたのである。プレーヤーも昔使ってたのを持ってきた。かれこれ30年近く前に買ったものだが(余談だが、この頃既にシステム・コンポが主流で、アンプやプレーヤーを別々に揃える、というのは難しくなっていた)、まだまだ十分使える。久々にアナログが聴ける環境となったのだ。なんか嬉しい(笑)

という訳で、近頃よくLPを聴いている。

 

お馴染みの名盤たち。

 

80年代のアルバムが多いのは、80年代に一番LPを買っていたからだ。

LPは、ご承知のように、音質自体はCDにひけはとらないものの、音量は低いので、LPを聴く時は、ボリュームを大きくしなければならないのだが、さすがにCDとは違い、ある程度の音量でないと良い音で聴けない(もちろん、これは僕のオーディオ・システムの問題であって、LPの問題ではないと思う)。それと、聴く時は最低でも、片面全部はかけないといけない。ま、一度針を落としたら、最後まで聴くのが普通、と言われて育ってるもんで(笑) プレーヤーも古いとはいえ、ボタンを押せば、アームが自動的に動いて、レコード盤に載って再生を始め、終わったら自動的に上がって定位置に戻る、という動きをするタイプなのだが、いかんせん長い事使ってなかったら設定方法ほ忘れてしまったので、針を載せるのも戻すのも手動(笑)という訳で、かなりLP聴くのも面倒ではあるのだが、前述したけど、CDでは聴けないのばかりなので、懐かしさも手伝って、感動しながら聴いてる(笑)

僕は基本的に、CDとLPの音の差はあまりない、という考えだが、若かりし時にLPで聴いていたせいか、気のせいかCDで聴いてもLPで聴いた時の感動があまりない、みたいな経験もしてて、例えばクイーンは『カインド・オブ・マジック』までLPで聴いてて、後年CDでも揃えたのだが、特に『オペラ座の夜』あたりまでは、LPの方が良かったような気がしてたりする。そういうのって、やっぱりあるのかな?

という訳で、やっぱりアナログっていいもんだ(笑)
コメント (4)
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