いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

消費税増税に政治生命をかける首相?・・・民主党は悲しく、未熟な政党です。

2012年06月23日 23時41分27秒 | 日記

 民主党は、悲しき政党です。
 そして、未熟な政党です。
 いったい、何をしているのでしょうか。

 消費税の増税法案で、民主、自民、公明の3党が合意し
たものの、民主党は党内がまとまりません。
 消費税増税に反対する小沢氏のグループが離党する可能
性があります。

 不運な政党というのは、そうした党内のごたごたを指す
のではありません。
 
 いまの日本の財政赤字を作ったのは、すべて、自民党時
代の話です。
 政権を握ってきた自民党と、それを政策面で支えてきた
財務省(旧大蔵省)の責任です。

 端的にいえば、財務省の責任です。

 この財政赤字を削減するために、消費税増税をしようと
いうわけです。

 財政赤字は、自民党と財務省が作り出しました。
 その赤字を削減するために、民主党の野田首相が、「消
費税増税に政治生命をかける」と言っているわけです。

 自民党と財務省が作った財政赤字の後始末を、民主党が
しているわけです。

 こんな馬鹿な話はありません。
それを、悲しき政党というのです。
 そして、それにどう対応したらいいのか分からないで
いることを、未熟な政党というのです。

 野田首相が消費税増税を言い始めたとき、自民党は、こ
こぞとばかり、野田首相を批判しました。
 しかし、そのとき、自民党の内部に「自民党も与党時代
に消費税の増税を提案していた。それなのに、いま消費税
増税に反対していいのか」という声が上がりました。自民
党の中にも、責任を感じている政治家がいるということで
す。

 ギリシャの財政赤字に端を発する欧州の金融危機を見て
いると、日本の財政赤字をなんとかする必要があることは、
だれでも分かります。


 しかし、2009年の夏、政権交代への夢と期待をかけ
て民主党に投票した国民は、まさか、民主党の首相が「消
費税増税に政治生命をかけます」と宣言するとは思わなか
ったでしょう。
 国民からすれば、「ウソだろう」と言いたい気分でしょ
う。

 いまここで消費税の増税法案を出すのであれば、なにも、
民主党でなくてもよかったのです。
 消費税を増税するのであれば、2009年夏に政権交代
などする必要はなく、あのまま、自民党政権でよかったの
です。

 前にも書きましたが、いま、日本の首相が政治生命をか
けるべきものは、
 第一に、震災からの復興です。
 第二に、原発事故の被害者の救済です。

 消費税増税は、そのあとでしょう。

 ところが、5月、6月と、野田首相の口から、
 「震災からの復興」
 「原発事故への対応」
 という言葉が、まったく出ません。

 このところ、国会では、毎日毎日、消費税をめぐる駆け
引きばかりです。
 ニュースも、消費税の話ばかりです。

 福島原発の事故で避難生活を送っているみなさんや、宮
城、岩手で津波の被害にあい、生活の再建を目指している
みなさんは、
 「私たちのことは、忘れ去られたのだろうか」
 と思っているのではないでしょうか。

 いま、財政赤字は、自民党と財務省が作ったと書きまし
た。
 そして、それを民主党が後始末している。

 自民党から民主党に政権が変わっても、変わらない存在
がある。
 何か?
 いうまでもなく、財務省です。

 日本の財政赤字は財務省が作り、
 いま、
 財務省が対応に追われている。
 だから、
 消費税増税を一番したいのは、財務省です。

 いまの財政赤字に対し、最も責任が重いのは、財務省で
す。
 野田首相は、首相になる前、財務相をしていました。
 野田首相が消費税増税に変わったのは、財務相になって
からです。
 間違いなく、野田首相は財務省で、日本の財政赤字が危
機的な状況で、それを改善するには消費税増税しかないと、
すり込まれました。

 では、政権与党と財務省は、いったい、どんな関係にあ
るのか。
 財務省といっても、役人の集団です。財政赤字は、政権
与党である自民党より、役人の集団である財務省に責任が
あると言っていいのか。なぜ、そう言っていいのか。
 では、財務省に対し、政党、政治家は、どう対応すれば
いいのか。
 
 それは、非常に大きく、重いテーマです。
 それは、稿を改めて、少しずつ、解きほぐして書いて行
きます。

 今回は、ひとまず、民主党がいかに悲しい政党であるか
を書いておきます。