いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

大阪の通り魔・・・亡くなった方は本当にお気の毒です。言葉もありません。

2012年06月11日 20時47分25秒 | 日記

 大阪・心斎橋で通り魔殺人があり、2人の方が亡くなり
ました。
 まったく関係ない男に、なんで、白昼、刺されて死なな
くてはならいのでしょう。
 本当にお気の毒です。

 最近、こうした凶悪な事件、事故が増えているように思
います。
 
 心斎橋の事件は、取材をしているわけでもありませんし、
こういう事件に、何か解説めいたことを書くつもりもあり
ません。こういう事件で下手に解説を書くと、いわゆる上
から目線になりかねないと思います。

 しかし、あまりにひどい事件ですし、こういう事件が多
くなってきたことは、見過ごせません。
 そこで、今回の事件で、せめて、気になったことだけ、
書き留めておきます。

 まず、今回、犠牲になった2人の方を、途中で助けるこ
とは出来なかっただろうか、ということです。
 報道によると、犯人は、初めに男性の被害者を刺したあ
と、次に女性の被害者を刺しました。そのあと、3人目を
探したようですが、人々がぱっと逃げたので、倒れている
男性と女性のところに戻り、改めて、また刺したーーとい
ういことです。
目撃者がテレビの取材に「犯人は、とどめを刺したよう
な感じでした」と話しています。

 とすると、被害にあった男性と女性は、犯人が戻ってき
て刺すまでに、少し時間があったことになります。
 その間に、倒れている男性と女性を、助ける時間はなか
ったのでしょうか。

 白昼の心斎橋ですから、人は大勢いたはずです。
 目撃者もかなりいたと思います。
 
 誤解されると困りますが、助けなかったことを非難した
り、批判したりするつもりは、まったくありません。
 
 現場近くの飲食店の経営者がテレビの取材に対し、「ナ
イフを振り回している男が見えたから、これは危ないと思
い、お客さんを外に出ないようにして、店のドアを閉めま
した」と答えています。

 これが、あの場にいた人の、率直な反応でしょう。
 あそこは商店街ですから、店主や経営者は、お客さんを
店の中にいれて、ドアを閉めるというのが、普通の対応だ
と思います。
それは、正しい行動だと思います。

 では、もし、自分自身が、あの場に居合わせたとしたら、
どういう行動を取っただろうかと、思わず、自問自答して
しまいます。
 刺されて倒れている男性と女性を、助けに行けるでしょ
うか。
 ナイフを持った犯人が近くにいる状況で、道路に横たわ
っている被害者の服や体を引っ張って、近くの店の中にで
も入れてあげるということが出来るでしょうか。

 アメリカの通り魔事件だと、犯人はライフルやピストル
を持っています。
 しかし、日本では、ピストルを持つということはまずな
いでしょうし、実際、今回の犯人は包丁を使っています。
もし、長い棒とか、あるいはバットのようなものがあれ
ば、あの犯人に立ち向かえば、もしかすると、なんとかな
ったかもしれません。
 
 しかし、それは、後講釈のようなもので、現実にあの場
にいたら、なかなか犯人に立ち向かうというのは、無理で
しょう。

 ただ、それでも、刺されて倒れている人を、なんとか、
服の端っこでも引っ張って、安全な所まで引きずっていっ
てあげることぐらいはできただろうかと、これも、自問自
答です。

 個人的には、そうありたいと思います。実際にできるか
どうかは分かりませんが。

 それにしても、冒頭にも触れたように、最近、こうした
凶悪の事件が増えています。
 通り魔事件は、1年のうちに何回か発生します。渋谷駅
で、見知らぬ人にナイフで切りつけたというのも、つい最
近の事件です。
 親が自分の子供を虐待し、死なせてしまうという事件も、
よく起きます。
 それが、日本の経済や社会の変化と関係があるのかどう
かという大きな問題があります。これも、下手に論じると、
上から目線、あるいは、通俗的な社会論になってしまうで
しょう。ただ、いずれは、避けて通れぬ論点です。

 あまりに理不尽な事件であり、
 亡くなった方が、気の毒でなりません。
何を書いてもしようがないような気もしますが、今回は、
気がついたことだけを、整理の意味も兼ねて、書いておき
ます。