いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

松葉杖で電車に乗ってみて・・・優先席は実際のところ、どうなっているでしょうか。

2012年06月17日 00時38分11秒 | 日記

 5月の連休に左足の足首を骨折し、入院して手術を受け
ました。幸い、経過は順調で、すでに退院しました。
 しかし、まだまだ左足首は腫れており、主治医の話では、
軽いジョギングが出来るようになるのは、8月に入ってか
らということです。

 現在は、松葉杖をついて、歩いております。
 電車にも乗って東京に出ており、いわゆる「優先席」の
お世話になっています。


 初めて優先席を利用してみて、実際に、優先席はどうな
っているのか、少し書いておきます。

 足をけがして、松葉杖で歩くことになってみると、優先
席は本当にありがたいというのが、まず、初めの感想です。 
 松葉杖で電車に乗り、席がなくて、立ったままだとする
と、電車が走っているときの揺れや、発車、停車のときの
揺れは、大変怖いものです。
 私の場合、左足首の骨折でしたので、当初は、左足首を
空中に浮かせ、右足と左右2本の松葉杖で体を支えていま
した。
 左足首が浮いた状態で電車が揺れると、とてもではあり
ませんが、体を支えきれません。
 松葉杖で電車に乗るのなら、座らないと、危険です。

 これは、障害のある方は、みな、同じでしょう。
 妊婦さんも、当然、同じです。
 なによりも、年配の方は、電車では座らないと、本当に
危ないと思います。

 では、優先席はちゃんと利用できるでしょうか。

郊外から都心に向かう場合、郊外から乗るときはすいて
いるので、100%、優先席に座れます。

 東京の場合、郊外から都心に向かう電車はすべて地下鉄
に接続しています。
 この地下鉄区間になるところから、急に混んできます。

 問題は、そうした区間での乗り換えです。

 郊外から乗った電車は、乗るときはすいているので、優
先席に座れます。
 しかし、都心で地下鉄を乗り換えるときは、混んでいる
地下鉄に乗り込むことになります。

 混んでいる地下鉄、混んでいる電車で、優先席はどうな
っているでしょうかーーというのが問題です。

 すべての優先席が埋まっていることが一度だけありまし
た。
 8席の優先席があり、5人は年配の方でした。
 しかし、3席は、2人が30代後半の女性の二人連れ、
もう1人が30代半ばの男のサラリーマンでした。
 女性二人はおしゃべりに夢中、サラリーマンはiPhone
を聴いています。

 困ったと思っていると、前に座っていた年輩の女性、6
0代半ばの方でしょうか、「どうぞ、おかけください」と、
席を譲ろうとしてくれます。
 さすがに、「いや、私、立っていられますので、どうぞ、
お座りください」と断ったのですが、その方は、「いえ、
どうぞ」といって、自ら席をお立ちになりました。
 これは、本当に申し訳ないことでした。
 ここは、おしゃべりに夢中の女性お二人と、iPhoneを
聴いているサラリーマン氏が、立つべきだったでしょう。

 優先席がすべて埋まっていたのは、この1回だけです。
 優先席は、混んでいても、1席か2席は空いています。
 
 ただし、空いている優先席の前に立っている乗客がいま
す。これがもったいない。
 せっかく優先席が空いているのに、その前に人が立って
いると、松葉杖をついている人間には、座るのが難しいの
です。
 優先席の前は、どうせなら、立たないほうがいいように
思います。

 そんなに混んでなくて、優先席が空いていたらどうすべ
きかという問題があります。
 優先席には座るけれども、譲るべき人が乗ってきたら譲
るつもりですーーという方もいらっしゃるでしょう。
 今回、松葉杖2本で乗ってみて分かったのは、優先席と
いえども、座っている人の前に行って、
 「恐縮ですが、席、譲っていただけますか?」
 とは、なかなか、言いにくいということです。

 たとえ、松葉杖をついていても、「席、譲ってください」
というのは、なんだかえらそうな感じで、ちょっと言い出
しにくいのです。

 ですから、優先席は、たとえ、車内がそんなに混んでい
なくても、健康な人は座らないほうがいいと思います。
 それは、
 「私は優先席には座らない」
 という美学でもあります。
 そういう美学は、絶対に必要です。

 さて、最後に、ひとつ、発見がありました。
 すいている車内で、障害もなく、若いのに、優先席に座
る人は、ふたつのタイプがあります。それが分かりました。
 なにか。

 第一のタイプは、太った人です。
 背は高くないけれど、はちきれんばかりに太った人は、
若くても、当然のように優先席に座ろうとします。
 あれは、たぶん、立っているのがしんどいのでしょう。
 立っていると息が切れるのだと思います。
 さらにまた、太っていて、立っていると、電車が揺れた
とき、足下がおぼつかないように見えます。
 
 しかし、太った人は、優先席の対象者ではないと思いま
す。
 みっともないから、少しはダイエットしたほうがいいで
しょう。

 第二のタイプは、自分ではちょっとジャニーズ系と意識
している20代前半の男です。
 これは、必ず、iPhoneかPSP(ソニーの携帯ゲーム機)
を持っていて、電車に乗り込んでくると、当然のように優
先席に座り、ゲームに取り組みます。
本人は、自分はかっこいいと思っているのでしょう、そ
ういう雰囲気がにじみ出ます。
 
 なんというか、いまどきの若い男のひとつの典型という
か、あまりにベタな典型です。あまりにベタ過ぎて、ここ
に書くのも気が引けるような話ですが、でも、しっかりい
るんですね。
 本人は、女性にもてると思っているのでしょうが、たぶ
ん、これはもてないでしょうね。

 ともあれ、松葉杖の生活をして、それまでなら気がつか
なかったことが、いろいろと見えました。
 それはひとつの収穫でした。

 でも、みなさん。
 松葉杖の生活って、できれば、しないほうがいいです。
 それはそれは、本当に不便です。