ノーベル賞の発表がそろそろ終わりに近づき、きょう10月10
日に、経済学賞が発表されました。
今年は、アメリカの経済学者2人です。
しかし、ノーベル経済学賞は、限界に近づいてきました。
個人的な予想ですが、そう遠くない将来、経済学賞は、廃止には
ならないにせよ、いったん中断されるのではないでしょうか。
というのも、この混沌とした現在の経済情勢に、経済学は、
有効な処方箋を出せないでいるからです。
いま、ギリシャが経済危機にあえいでいます。
ギリシャの経済破綻は、このままでは時間の問題でしょう。
ギリシャの経済危機をどう解決すればいいのか。
ギリシャの経済破綻が現実のものとなったとき、それが世界経済
の混乱につながるのを避けるには、どうすればいいのか。
そもそも、ギリシャ経済がここまでの危機に陥るのを、どうして
見逃してしまったのか。
これに対し、経済学は、なんらの回答も出せず、解決策も提示で
きないままです。
ギリシャ経済だけではありません。
いまの円高も、経済学的には、不思議な現象です。この円高を
どうすれば、もう少しまともな為替になるのか。
日本の長期のデフレも、そこから脱出する処方箋を、経済学は
結局、提案できずにいます。
2008年のリーマンショックにしても、経済学は、なすすべも
なく、ただ見ているだけでした。
もう長い間、現実の経済現象に対し、経済学は有効な手立てを
打ち出すことができないままです。
そんな状態で、果たして、ノーベル経済学賞などというものを出
す意味があるのでしょうか。
私は、大学で経済学を専攻しました。
経済学は、素晴らしい学問です。
おもしろい。
現実の経済を分析するのに、ものすごく役に立ちます。
経済学が重要なことはとてもよく分かる。
しかし、だからこそ、いま、この混沌とした世界経済に、有効な
解決策を提示できない経済学は、いったいなんだろうと思います。
ノーベル経済学賞は、いま、その存在意味を失いました。
下手をすると世界恐慌につながりかねない現在の世界経済に対し、
経済学が、なにか画期的な処方箋を提示できるようになるまで、ノ
ーベル経済学賞は、一時、中断するべきではないかと思います。