仕事を終え、けいちゃんとカメ君を迎えに
次女とあるレストランで待ち合わせた。
急いでオーダーしたタコピザを食べ、
泣きじゃくるカメ君と 眠そうなけいちゃんを車に入れて
家に急ぐ夜道、 ふと見上げると 満月が夜空を照らしていた。
老人ホームで働いていた頃、こんな事をよく耳にした。
’今晩は満月だから おじいちゃんたち ワイルドになるよー。”
満月の夜は 引力が強くなるのか (?)
特にアルツハイマーの病棟は いつもより 賑やかになる。
元 神父さんだった K氏は声高らかに お説教を始める。
この時 口をだすと K氏は攻撃的になるので 一人にしておく。
愛犬家のMおばあちゃんは 私たちには見えない犬君と いつも会話をしているが
満月の夜は 犬まで駆け回ってる様子だ。
細くて高い笑い声をだして 駆け回る犬を指差しその名を呼ぶ。
”こっちにおいで、、。”
と 私も 口笛をふきながら 幻の犬に 話しかけると
その時始めて おばあちゃんが 私の目を見、ニッコリ微笑む。
犬が一緒だと おばあちゃんと会話ができた。
満月を見る度に 私はこの老人ホームでの一時を思い出す。
丸い月の中では 長い耳をしたウサギが横になっていた。
おまけ
所や季節によって月には違ったものが見えるんですね。