「総務部門会議・片山教授のお話」

2009年03月05日 | いつきの思い
昨日は、片山善博慶應大学教授を総務部門会議にお迎えして、分権の視点で点検する国の地方行財政施策に関するお話を伺った。

片山教授は前鳥取県知事で元祖改革派知事としても有名な方なので、改革派知事の視点で国の行っている地方行財政施策をどのような視点で見ているのか大変興味深かった。

片山教授は、昨年の道路特定財源問題を例に出して、多くの自治体が、暫定税率が単純に延長されるものとして歳入予算を計上した事に問題提起をされました。

地方財政法3条によれば、予算の編成において「地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない。」としておりますが、道路特定財源問題の際は多くの自治体が国会の動向を無視して、官僚の指導の下に歳入予算を計上し、その後、国が財政補填を行ったが、片山教授曰く、あてのない財源を勝手に見込み、結果として歳入不足に陥ったのは、その自治体の自業自得であり、国はそのような自治体に対する財政補填をやるべきではない

これは、昨日 関連法案が成立した「定額給付金」に関しても同じだと言うことです。
マスコミ報道でも多くの人が分かると思いますが、法律が定まっていないのに、多くの自治体が定額給付金の支給準備をしていた。

これらの事例を「立法が行われてないのに、執行が先走っている。」と指摘されました。
執行が立法よりも先走り、もし法律が通らなかったらどうするのか?

このような地方行政がまかり通ってるから「足りなくなった、補填してくれ」といった話にいつもなるというものでした。

そこで、片山教授は国の本来の責務として、「足りなくなったから、補填する」といった場当たり的な年度対策ではなく、自治体が将来を見通せるルール変更を心がけないといけない、そういう意味では国会は職務怠慢になっていると指摘されました。

また、自治体が自ら行うべき事は家計と同じと指摘した上で、歳出の削減や地方税の税率変更等々を挙げられました。それ以外にも片山教授からは、国の地方行財政施策について指摘を受けました。


本来は、地方分権とは、国(中央)が地方のやる事に関しては、ほとんどノータッチでいるべきだと思う。国が地方を指導したり、地方が国を頼ったりするのは、地域主権に反すると考えております。地方が自己責任で行政を行っていくことが、真の地方分権・地域主権なわけだ。

ただ、どうしても条件不利地域などはある。それらの地域に対するセーフティーネットは張らないといけない。

地方分権・地域主権に向けて、国は地方が自ら動きやすい環境を作ること、そして地方は国に依存しない事を心がけ、役割分担を行わなければならない。