「医療崩壊からの脱却」

2009年06月30日 | 医療
週末は母校の同窓会や県医師会の総会、延岡で行われたJCのブロック大会に来賓で出席し、合間を見つけて支持者を訪問をさせてもらった。

医師会の総会に出席すると国会議員の出席は私一人だった。昨年は、中山議員・古川議員が出席されていたが、その姿もなかった。

日本の医療は今日、崩壊の危機に瀕している。私もこれまで幾度となく現場で頑張られてる医師の方々とお話する機会があったが、どこも悲鳴に近い声が聞こえてくる。自民党が行ってきた構造改革がその原因だ。「骨太2006」で毎年2200億円の社会保障費が抑制された結果、日本の医療崩壊は「火に油をそそぐ」形でガタガタと崩れ始めた。

小泉改革からの脱却なのか麻生政権では「骨太2009」で2200億円の抑制を削ると言っている。その事は評価できるが、抑制をやめれば事が片付くわけではない。医療には充分にお金をつぎ込むしか、崩壊を食い止める方法はない。このブログでも何度も指摘しているが、日本の医療費とは自民党政府が主張してるほど決して高くないのである。

次の総選挙の最大の争点は「地方分権」だと言われる人もいるが、「医療」も争点の一つだと私は思う。イギリスでトニー・ブレアが率いる労働党が政権交代を成し遂げた時に彼らは「医療の再生」を強く訴えていた。

総会に自民党から誰一人参加しないところを見ても、彼らには日本の医療の深刻さを現実の問題として捉えられてないのかもしれない。茨城県医師会では自民党から大量の離党者が出たのも、多くの方が今日の医療崩壊の現況を招いたのが誰だか知ってるからだろう。

何度も言うが、医療の崩壊を食い止める為には、社会保障費の抑制政策を止めると同時に、医療分野に投資していくしか方法はない。

「成人になると負担が増えるという現実」

2009年01月16日 | 医療
国会が空転していると言っても、毎日会議が入っているし、省庁からの説明なども入っている。今朝は「民主党難病対策推進議員連盟」の会合に出席した。

厚生労働省や各難病患者の団体から、来年度難病対策予算案の説明や各団体からの要望を聞いた。

来年度の難病対策関連予算は今年度と比べて4倍増となる(総額1587億円)。予算が増えた事は歓迎すべき問題なのだが、未だに特定疾患の対象となってない病気や、小児慢性特定疾患にはなっているが、特定疾患になってない病気などもある。

このような場合、20歳以降の患者は特定疾患治療の対象とならない為に、経済的負担が大きくなる。病気が子供の時の限定的なものであるならいいが、全ての病気が20歳になったから治るというものではなく、成人になっても病気と闘わねばならない。

患者団体の方が言われていましたが、「成人するというのは喜ばしい事だが、その一方で重い負担が圧し掛かってくる。」、「本来、病気になっても保険料に困らないのが医療保険制度であるが、日本の制度は病気になったら保険料に困ってしまう。」こういった、経済的負担の問題は、なるべき軽くしてあげなければいけないと思う。中には経済的負担の問題で治療を中断せざるえない患者もいるそうだ。

まだまだ、認定されてない病気、また研究されてない病気というのは想像以上に多い。
現行の枠組みでは予算の問題も含めて難しい問題でもあるが、患者団体も要望しているように新しい制度を構築して、ほんとうに苦しんでる人の負担を少しでも軽減してあげなければならない。

「漢方のお話」

2008年12月17日 | 医療
昨日付で、会派を組んでる民主党の漢方医療小委員会の事務局長になりました。

漢方という言葉は聞きなれてはいるでしょうけど、実際に理解してるかというそんなに多いとは思えません。

自分を振り返っても、漢方医療小委員会のメンバーになるまでは、漢方に関してほとんど理解してませんでしたし、服用する薬も西洋薬が多く、葛根湯ぐらいしか服用した記憶はありません。

漢方薬といったら、中国の薬だと思ってる方も多いでしょうが、生まれたのは中国なのですが、日本に伝来して独自の発展をとげて今日に至っております。

1874年に明治政府が西洋医学の導入を決め、1883年に医術免許規則・医師開業試験規則で西洋医学の修得が義務付けられてからは、漢方医療が衰退していきました。現在では、見なおされ始めた事もあり、医師の86%は漢方製剤を使用しているという事実があります。

現在では海外にも広まり、各国が中長期的な政策や研究機関に対する支援を行っております。ちなみに、アメリカでは国立衛生研究所(NIH)に年間300億円の調査・研究予算を計上しております。これは、癌に対するものよりも多い。

ちなみに、日本では漢方の科学研究費は文科省・厚労省合計で1億9000千万円であります。

このように、海外では評価されて始めてる漢方ですが、日本ではインフラの問題もあるのか、充分とは言えません。

そこで、漢方医療小委員会としては提言という形で中間報告をさせていただきました。

・漢方医学教育の更なる充実、和漢診療外来の拡充に向けた取り組み

各大学における講座設置・必須時間の増加・医師国家試験における漢方医学分野の出題の義務化など

・漢方医療に関する医学的効果の科学的知見の蓄積の為の取り組み

医療経済的効果が期待されるので、経済学者と医療研究者の共同の研究基盤の整備、科学研究費の増額や人員配置上の措置を講ずるなど

列記しませんが、計7項目を提言という形で報告させていただきました。

私自身は、日本独自の漢方薬で世界の薬分野を制する事は可能だろうし、世界が評価をしはじめた今こそ、漢方医学における日本発のグローバルスタンダードを発信していかねばならないと考えております。

その為には我々の「提言」を軸とした、国家戦略が必要です。

「外来管理加算の問題が部会で扱われます。」

2008年07月22日 | 医療
なかなか、ブログが更新できなくて申し訳ありません。

消防局本部を訪ねたり、海上保安庁の訓練を見たり、柔道整復師の方との意見交換会、支持者をまわったり、集まりに呼ばれて話したり、四半的の大会に出たり色々としておりました。また、詳しくは写真を載せながら話したいと思います。

先日、紹介した外来管理加算の問題は、7月30日に民主党の厚生労働部会で扱う事が決まりました。長崎から本田医師、そして厚生労働省が参加し質疑応答が行われます。


「捏造の5分間ルール?」

2008年07月14日 | 医療
外来管理加算に関して、民主党の山田正彦ネクスト厚労大臣に申し入れをしてまいりました。

というのも、5分間ルールのデータに不正流用疑惑があるからだ。

厚生労働省は委託して、今後の時間外の診療体制のあり方を検討する為に「平成19年度厚生労働省委託事業 時間外診療に関する実態調査結果」というものを開業医を対象に実施している。

その調査用紙には、「回答いただいた情報については取り扱いに十分注意し、統計的に処理するとともに、上記目的以外に使用することは一切ございません。」と記されていたそうだ。

だが、実際には、このデータを元手に5分間ルールという時間要件が決められたのではないかという疑いがある。医療現場からは外来管理加算の時間要件という全く別の目的に使用したのは不正流用なのではないかという声があがっており、厚生労働省とのやり取りが続いている。

これが事実なら大変な事態だし、このようなやり方で、日本の医療が壊されたらたまったものじゃない。そもそも、医療の質を時間ではかろうとしたやり方には、私自身納得いきませんでした。

そのような事もあり、山田ネクストに申し入れをさせていただきました。
山田ネクストからは、「分かった。関係者を呼んで。一度、部会で話を聞いてみよう。」と言っていただけました。

この問題を知らない国会議員は数多くいるのではないでしょうか。
現場で医療に携わってる方々が声を大きくあげなければ、この問題は簡単には動きません。

今後、この問題がどのように進展していくのか注視し続けてまいります。


「脳死後の臓器移植に関して。」

2008年06月04日 | 医療

「脳死」の問題。
これは、避けてとおれない問題だろう。
何をもって、「人の死」とするのかについては議論は尽きる事はない。

「脳死」、「臓器移植」について問われたら、返答に困る。
一人でも多くの人を救う為に推進したい気持ちもあれば、ほんとに「脳死」は人の死なのだろうか?と迷う気持ちもある。

過去の新聞や文献を読めば、読むほど。この問題に関する考えは迷ってしまう。

しかし、立法府に身を置く人間として、この問題を避ける事は出来ないし、
自分がどうするのかは別として、法でどのように対応するのかは考えないといけない。

脳死の判定は、85年に旧厚生省の研究班がまとめた六項目の基準を満たさないといけない。

① 深い昏睡
② 自発呼吸がない
③ 瞳孔が4ミリ以上に開いたままになる
④ 脳幹反射がない
⑤ 脳波が平坦になる
⑥ 以上の5点が6時間たっても変わらない

現行法では、これらの基準によって「脳死」と認められる。
しかし、脳死後に臓器を提供するには、脳死者が生存中に臓器提供の意思を書面により表示し、なおかつ遺族が拒まない場合に限られている。

「書面」というと、まず思い浮かぶのが、「意思表示カード」だ。

脳死判定後の臓器提供に関しての世論調査では、41.6%の人が本人の意思として「提供したい」と回答している。また、家族の意思として70.8%の人が「本人の意思を尊重する」と答えている。

ただ、現行法では「本人の意思」を示すのは「意思表示カード」だ。しかし、この「意思表示カード」の所持率は7.9%、携帯率は4.0%以下になる。現に私も所持はしてたが、今ではカードがどこにいったか分かりません・・。

世論調査なので、全ての人の意見を反映しるかは分からないが、「脳死後の臓器移植」を認めるといった声が強くなってきている事は事実だろう。

しかし、そういった声に対して法整備が遅れているという現実がある。
そういった、法整備の不備等もあり、国内で臓器移植を受けられず、海外で臓器移植を行う例が多い。

先日、事務所に海外で臓器移植を行い二人のお子さんが助かったお父さんとお話をさせてもらった。「子供は助かったが、それで(待機していたアメリカの)他のお子さんが、助からなかったと思うと悲しい。」と仰られていました。特に小児の臓器移植は現行法では不可能であります。

WHOも臓器移植に関する指針をだしておりますし、海外で日本人患者が臓器移植を受けている現状には受け入れ国からも批判があります。国内で臓器移植が受けられないから、海外で行うという事情は、批判どころか、近い将来、患者が受け入れられなくなる可能性もあります。

だからこそ、国内の提供意思のある人、また臓器移植でしか救うことのできない人の為の法整備を行っていかなければなりません。

そういう事情もあり、私は「臓器移植法改正推進議員連盟」に参加しました。

ところで、先日 ある会合で宮崎選出の自民党国会議員が「後期高齢者医療制度で7割は保険料は下がる」と言ってたのが、今日の朝刊でも各紙が「7割が減」と書いてたが、ほんとなのだろうか??



「診療報酬改定に対する民主党の声明。」

2008年03月25日 | 医療
数多くの医療問題に対する要望を受け、医療現場の声というものを民主党の山田正彦「次の内閣」ネクスト厚労大臣に何度も届けに行きました。
(ちなみに、山田正彦議員は私の師とも呼べる政治家であります。)

特に4月から導入される「外来管理加算」について現場の声を伝えさせていただき、
山田議員からは「外山君、分かった。部会でもこの問題を取り上げて、至急、我が党の診療報酬改定に対する声明をだそう。」と約束していただきました。

そして、昨日、民主党から以下のような声明がだされました。



医療制度の抜本的な総合改革が必要だ-08年度の診療報酬改定の中医協答申について(コメント)


民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣
山田 正彦


先に中央社会保険医療協議会から答申された診療報酬改定が4月から実施されようとしている。今回、緊急課題への対応として、病院勤務医支援を目的に1500億円規模の診療報酬引き上げが行われるが、焼け石に水であり、改革と呼ぶにはほど遠い。


病院勤務医の疲弊や、医療崩壊は深く広く進行している。今回の対策の1500億円という規模は、33兆円規模の国民医療費の0.5%以下にすぎず、現状打開には不十分である。加えて毎年2200億円にのぼる社会保障費の削減が過剰な医療費圧縮を生み、他の先進国に類を見ない医療崩壊を招く一因となっている。民主党はかねてから、医療崩壊を食い止めるには、診療報酬の上げ下げで医療政策を誘導すべきではなく、大胆な一般財源の投入が不可欠であると主張してきた。こうした一般財源の投入により、制度面でも、勤務医の労働条件の向上・女性医師の就業維持と職場復帰支援・医師養成定員増員・無過失補償制度の整備などが必要である。民主党は現在、医療崩壊の現状を打開するべく、総合対策を打ち出す準備を行っている。


今回の改訂では、医療費削減策として、外来管理加算などの算定に、5分以上などの時間の目安が導入された。こうした時間の目安を設けることによって、丁寧な診療が行われ、診療の質が高まるとの見解を厚生労働省はとっている。しかし、医療の現場実態や医師の専門的判断、裁量を無視するような施策は、一つの医療機関で受診できる外来患者数を抑制しかねない。民主党は、この5分ルールの導入により、医療崩壊や医師不足がさらに深刻化するのではないかと危惧している。さらに専門医不足に対応し、地域医療を支援するためにも、病理診断のみならず放射線の遠隔診断評価なども検討されるべきだ。


4月から導入される後期高齢者医療制度への対応として、後期高齢者を対象とした新たな診療報酬も定められた。しかし、その内容はまさに高齢者いじめである。例えば、後期高齢者診療料は、その報酬の範囲内で検査や処置を行うことを前提とするもので、定められた報酬が極めて低く、後期高齢者は、従来と同等の検査や処置を受けられなくなる恐れがある。民主党は、高齢者いじめに断固として反対する立場から、後期高齢者医療制度廃止法案を4野党共同で提出したところであり、このような後期高齢者医療制度の廃止を実現する決意である。

以上

「医療崩壊へのシナリオ 外来管理加算」

2008年02月28日 | 医療
医療崩壊が忍び寄っている。

2月13日の社会保険中央医療協議会(中医協)の総会で、4月実施の診療報酬改定が答申された。
これにより、平成20年度より、診療報酬の本体部分は0.38%の引き上げとなった。(8年ぶり。全体としては、0.82%の引き下げ。)

本体部分0.38%の引き上げという事で、プラス改定にも見えるが、「実質はマイナス改定だ!」という現場の声が数多く寄せられております。

中医協は厚生労働大臣の諮問機関であり、国会審議などは通さず、この中医協によって、日本の医療の値段は決められる。

中医協では当初、開業医の再診料引く下げによって、勤務医不足対策の財源の一部を捻出する議論が行われていた。
しかし、紆余曲折あり、最終的には再診料引き下げを断念し、「外来管理加算」の見直し等が行われる事が決まった。

「外来管理加算」とは、再診時に理学療法や処置などを行わなかった場合に再診療に上乗せ請求できる診療報酬であります。

中医協の答申では、勤務医不足対策の財源400億円を捻出する為に、この「外来管理加算」の算定要件として、「最低でも5分」という診察時間を設けなければならなくなる。
一人に30分かかる事もあれば、2,3分の事もあるわけであって、時間で質を計ろうとするやり方に現場では反発がでているし、必ず患者にも影響がでてくるだろう。(例えば、診察を受けれなかったり・・。)

このようなやり方で、地域医療の崩壊を止められると思っているのなら、本末転倒であり、あまりにも現場を見ていないと言っても過言ではない。

「高い!高い!」、「医療費が財政を圧迫している!」と言われているが、日本の医療費は皆さんがイメージしている程、決して高いわけではないのです。
むしろ、世界の水準から見れば、安いのである。

GDPに対する総医療費の割合は、日本は8.0%でOECD 30ヶ国中18位であり、日本の医療費は決して高くはない。(平均は8.8%。先進国では低い方。)
それにもかかわらず、平均寿命、健康寿命では世界一位であり、乳幼児死亡率の低さも世界トップクラスなのです。
日本の医療というのは、世界に誇るべき制度である(であった?)。

厚労省は、国の予算から支出している社会保障費の増加を毎年2200億円抑制する事を課せられているわけですが、日本の医療を支えていく為には、どれだけのコストがかかるのかという議論が蔑にされているのは残念でなりません。
現在の日本医療の議論は、先に「金の勘定」が行われ、システムの構築や、人の命といった議論が後にまわされすぎているのではないでしょうか。

先日、民主党の衆議院予算委員会のメンバー(前原団長)が、地方公聴会で宮崎入りされた際に、県医師会の幹部との意見交換会をセットさせていただきましたが、
現場からは「地域医療の崩壊は現実的な問題となっている。」、「現在は産科医不足などの問題だが、やがて外科も足りなくなる。」等々の声を聞かせていただきました。

診療報酬による政策誘導には限界があるわけであって、このようなやり方では医師不足、地域医療の崩壊というものは止められるはずもない。
医療崩壊は、加速していくのではないだろうか。

日本の医療制度を抜本的に立て直さなければ、医療の抱える様々な問題は解決されないだろう。
私個人としては、財政再建と医療というものは別の問題だと考えますし、以前の医療制度に戻すべきだと考えます。

毎週、地元に戻っておりますが。今週末は、現場の声を多く聞くために、医師の方々との意見交換会を行います。

「隠蔽か、思考力欠如か?」

2008年02月27日 | 医療
緊急の肝炎総合対策推進本部の会合があった。

薬害肝炎問題で、また新たな事実が発覚した。

厚生労働省が血液製剤フィブリノゲンを投与された患者3859人の資料を製薬会社が保管していた事を平成13年に知りながら、放置していたのだ・・・。

これまで「418人」のリストの問題の時も、散々「他にリストはないのか?」等々、議論し、調査会まででき、総括まで行われたわけだ。
しかしながら、20日に西日本新聞がスクープするまで、「3859人」のリストは意図的なのか、それとも忘れていたのか表に現れる事はなかった。

なぜ、「418人」のリスト問題の時に、存在を認知してるはずの「3859人」のリストに厚生省の誰もが言及しなかったのか?

隠蔽か、思考力・想像力の欠如か、どちらかがあったのだろう。

この「3859人」のリストが、なぜこれまで放置され続けたのか、徹底的な原因究明がない限り、必ずまた同じような薬害が引き起こされる可能性がある。

このような体質の厚生労働省に、我々の命を管理してもらってるリスクをかなり感じると同時に、
国民の生命を守り、信頼される薬事行政への抜本的な改革を断行しなければならないと強く感じます。



「愛のある決断 or 場しのぎの決断?」

2007年12月25日 | 医療
「『愛のある決断』なのか、『場しのぎの決断』なのかで大きく違ってくる。」と薬害肝炎原告団は、先ほど行われた「民主党B型・C型肝炎総合推進本部」の会合で不安を語りました。

福田首相は23日に薬害肝炎訴訟の原告団の求める一律救済に応じる議員立法の提出を表明し、全面解決へ一歩踏み出した・・・。

原告からは「総理から全員一律救済と言われたが、私達はもろ手をあげて喜べない。ほんとうに私達の言ってる全員一律救済と同じなのか?」という不安の声があがったが、これには理由があります。

報道等によりますと、政府・与党の案では「薬害解決を遅らせた責任」など、薬害の「結果責任」を明記する方針だが、弁護団・原告が求めているのは「薬害被害を発生させた責任」の明記を求めている。

また、国は「第三者機関による薬害被害者の認定」を行おうとしておりますが、ここで新たな線引きが行われる可能性がある事や、行政認定では紛争が終わらない事など(水俣病なども行政認定の為に紛争が終わってません。)から、弁護団・原告側からは行政認定ではなく、司法認定を求めております。

①責任条項 
②司法認定 

特にこの二つが議員立法の中に明記させるかが、原告側の希望に沿う形の救済策になるか、ならないかの大きなポイントなのです。

本来は、総理の「政治決断」で一律救済の和解に導く事が望まれた形だったし、物事が迅速に進むはずだった。
議員立法でないと、官僚が納得しなかったのかもしれません。

ただ、薬害肝炎被害者の全員一律救済へ向けて、前進したのは事実ですので、私達はそれに関しては批判はしませんし、むしろ協力し、被害者の求める救済を実現していこうと思います。

特に弁護団・原告の求める「国の責任」。この薬害被害を発生させ、拡大させた国の責任が明記されなければ、薬害の根絶にはつながらないと私は考えます。

原告の方は、「政治の力で、正義が貫かれる事を望む」と私達に言われましたが、
被害者を救済し、国が心から謝罪するような全面解決が一日も早く達成される事を、一国会議員として望むと共に、法整備に全力を誓う事をお約束いたします。

総理の約束が、『愛のある決断』だという事を信じております。