「アンダーグランド」

2005年03月20日 | Weblog
あれから10年経ちました。ちょうど、今僕がこれを書いてる時間帯に、あの惨劇が行われてたのです。オウムによる地下鉄サリン事件です。12名の死者と5000人以上の負傷者がでました。

今、村上春樹の「アンダーグランド」(サリン被害者へのインタビュー集)を読んでるところです。事件当時の映像では漠然としか捕らえることの出来なかった、あの事件の怖さを改めて感じさせられますし、その後の後遺症の辛さ、そして事件当時の人為的ミスが柿間見えてきます。

人が一杯倒れてるのに、道を隔てると他人事で関心を寄せない多くの人。そして、自らの庁舎の前で多くの国民が倒れてるのに何もしない厚生省の職員、救急で運ばれてるにもかかわらず、患者を入り口で放置し急いで診察しない病院。(結果、その患者は亡くなられた。)オウムのテロによる犠牲という印象が強いですが、みんなが迅速的な行動をとっておれば、この被害者数は確実に減らせていたのに・・・。

国はテロといって、オウムを凶弾するばかりで、それを防げなかった自らの責任を今でも放棄し、未だに被害者に補償等をしてないそうです。事件時も苦しんで、その後も苦しんでる方々がいるのに、見て見ぬふり。国民の関心が、徐々に減ってもきている。去年の麻原判決の日はマスコミは大々的に報道し、特番も組んだが事件から10年という節目に、大々的に何かをやろうとするマスコミはあるのでしょうか?

国、マスコミそして国民意識が今のままだったら、同じような事件が再発したら、同じような被害をまたもたらすのではないかと危惧しています。私達はあの事件から何も学んではないのではないでしょうか?

「政治家?政治屋?」

2005年03月18日 | Weblog
国会議員の役割とは一体何だろうか?国会とは立法機関である。ようするに法律を作るのが仕事である。

しかし議院内閣制のせいか、日本ではあまりアメリカに比べて議員立法は少ないらしい。ようするに議員が法律を作ることは少ないようだ。日本の場合は、法律はたいてい政府か、政党が作っている。(これは同じ議院内閣制のイギリスでも政党が主導でも法案を作成している。しかし、日本との違いは法案は政治家(政党)が作り、官僚はそれを実行してるだけ。日本では官僚が法案を作り、政治家が横槍をいれる。中には法案を作ってる政治家もいるが・・・)

自民党の長期政権により、政治が立法からサービスへ変化した結果 議員による立法は減ってきているらしい。(最近は、また増加傾向にあるらしいのだが ピーク時の半分程度だ。)民主党の河村たかし議員なんかは法案製作数がかなり多いらしいのだが、彼は「国会議員の魅力は、(法案をつくって)社会のシステムを変えること」と言っている。結局は法案を作らない限りは社会は変わらない。それをやらない事には国は変わらないのではないか。

日本の国会議員の議員事務所は、ほんと狭い。僕も一度行ったが、びっくりするぐらい狭かった。議員応接室は、やや広めだが 秘書さん達が控えてる部屋は今の僕が住んでる部屋より狭く、そこに冷蔵庫や流しもあり、2,3人で机を並べて仕事してるのだ。(ちなみに、各事務所のドアをあけるとすぐその部屋になる。)議員応接室もたぶん、僕の部屋ぐらいの大きさだ。。。実に狭い。

アメリカでは映像でみたが、議員の部屋には応接室、会議室、議員の部屋、そして秘書が控える部屋とかなり数多くあった。立法する為に、多くのスッタッフが必要で その分、部屋の数も多くなるのだろう。ちなみにアメリカの下院では最大22人の秘書が国費で雇えるらしい。さらに国から議員への秘書給与負担は一律8600万円。上院では州の人口によって最大3億円まで支給されるらしい。ちなみに日本では政策秘書、第一秘書、第二秘書の3名しか国でお金を出してくれない。ようするにそれ以外は私設秘書で議員が自腹で雇わないといけないのだ。選挙を睨んだ後援会活動が必要になる為に多くの秘書が必要になり、結果お金が必要となっている。だがしかし、アメリカではボランティアでない限り秘書が選挙に関わることは禁止されている。また、秘書から議員に対する寄付も禁止だ。さらに、配偶者・親族の秘書は禁止されていて、秘書の名前そして給与は全て公開義務がある。(日本では全てアメリカと逆・・・)

何がいいとは一概には言えないが、まずシステムを変えない限り日本の政治と金の癒着という構造は変えれないのではないか?また国民の意識が「オラの町に、○○持ってきてくれ~」という利権誘導を願う意識だったら、政治家は選挙の事を考えて本来の仕事に集中できない。システムと国民意識が変化すれば、必ず今のような金まみれの政治は少なからず減る。国民は、金まみれの政治家を叩くだけだが、それを作り出してる根本的な原因は国民なのである。ただ、本当に地域の代弁者の政治家は少なからず必要だとも思います。代弁者=利益誘導型政治家という図式は必ずしも当てはまるものではないと思う。

「ある日、突然の死」

2005年03月15日 | Weblog
ある日、突然 自殺する予兆のなかった人物が、突然変死体で見つかり、警察によって「自殺」とされたら、あなたはどう思いますか?それが、愛する家族だったらどうしますか?

日本ジャーナリスト会議が贈る「黒田清記念JCJ新人賞」を受賞した三笠貴子さんは、ある日、突然兄を失い、警察の杜撰な捜査をされた被害者の一人です。そして彼女は独自の調査で事件を調査し「お兄ちゃんは自殺じゃない」という本を執筆され賞を受賞しました。

僕は、この本は読んだことはないのですが、さっき文化放送の対談番組でこの事件の事を知り、「ニュースステーション」のサイトでこの事件の特集をやってたのでネットで見ました。(詳しくは、こちらでご覧ください http://www.tv-asahi.co.jp/n-station/dcut/frmain.html)

あらゆる専門家が自殺じゃないと指摘し、第三者が関与したという証拠も挙がっており、目撃証言もあるにも関わらず、警察は認めようとしない。(4回目の捜査でやっと、殺人事件としてとりあげてくれた)そればかりか、証拠隠滅にもはかる。こんな事がまかり通る世の中でいいのでしょうか?

そして彼女は警察が動かないなら、マスコミに動いてもらうしかないと記者クラブに資料をもって行き、「警察が動かないと一般市民は助けてもらえない。こんな状況はおかしいんじゃないか?」と訴えるが、返ってきた言葉は「当局(警察)が認めれば記事に書きます」という返事だった。

事件は未だ未解決だ。保身の為に事件すら抹消しようとする警察に対して、誰が我々を守ってくれるのだ?という疑念すら感じる。そして、自らジャーナリズムを放棄する報道関係者に対して情けなく思う。(中には協力してくれる良心的な人もいる。この事件でもテレビ朝日などが活発に報道してくれたおかげで警察が動いたという背景もある。)


「お散歩」

2005年03月13日 | Weblog
久しぶりにお外に出て散歩してきました。
散歩といっても、寮の周りなんですけどね。寮の裏手に、河なのか入り江なのか分からないようなのがあって、その川沿いに散歩してきました。数分でしたけど気持ちよかった。

依然、イギリスは寒いのですが春を少しだけ感じた。川は潮が引いて(川の水位が下がるのはなんていうんですっけ??)、ヘドロがむき出しになってたのですが、そこを番の鴨が仲よさげに歩いてた。

そんなひと時でした。

「風に立つライオン」

2005年03月12日 | Weblog
さだまさしの「風に立つライオン」という歌をご存知でしょうか?僕は聴いたことはないのですが、詩は知ってます。内容は、アフリカのケニアで医療に励む医者が、別れた恋人にもらった手紙に返答するという物です。(その別れた恋人は違う相手と結婚してしまう。)

この歌のモデルになった医師が、宮崎県の日南県立病院で院長をされてる柴田先生です。内容は、さださんによって脚色されてるようですが、柴田先生のケニアでの体験を何度も聞いた話が15年の構想して作った曲らしいのです。

僕も一度、用事があって柴田先生とお話しをさせていただきましたが、実に楽しい先生で医者であり、院長なのに威張った感じがなく気さくな優しい方でした。僕が自分の話をすると。「いや~いい。感心した。」と言って、その後も うちの親なんかに色々褒めてくれてるみたいです・・・。

そんな柴田先生に本を一冊もらいました。前から、柴田先生のインタビューの部分は読んでたのですが、じっくり読むのは昨日が初めてでした。その名も「風に立つライオン」(不知火書房 1575円)という題名で旧宮崎医科大学の学園祭の企画として出された本で柴田先生をはじめ、心ある医療、夢のある医学を目指し、実践されてる方にインタビューされてる本です。

医療事故や、医師の不祥事が横行している現代ですが、ほんと心から医療に励んでいる医師たちも多い。

ここで、この本について色々説明するのは困難ですが、ある意味 医学だけではなく普通に生活してる人に対しても人生について語ってくれてる部分は多いと僕は思います。

柴田先生は、こう言ってます。「常に夢を持ってくれ、死ぬまで持ってくれと・・。持つと夢は必ず叶いますから。」

そんな柴田先生にもらった本に、こう先生は僕の為に書いてくれました。「これからの日本を創って下さい。」

多くの方が、さだまさしさんの「風に立つライオン」を聴いて、自分も風に立つライオンでありたいと思うそうです。僕も風に立つライオンになりたいと、この本を読んで思いました。

この歌の歌詞に「やはり僕たちの国は残念だけど何か 大切な処で道を間違えたようですね」というフレーズがあります。好きな部分というと語弊を招くかもしれませんが、このフレーズに納得させられます。我々の国はどこかで道を間違えたような気がしてなりません。それは、政治の事だけではなく、社会全体が「ある種の大切さ」を失った気がしてなりません。

「東京大空襲」

2005年03月11日 | 歴史
東京大空襲から60年を迎えたそうです。
世代間の違いかもしれませんが、広島・長崎に落とされた原爆についてはなんとなくイメージは湧きますが、東京大空襲というと何やら漠然としたイメージしかありません。(教科書でも、あまり書いてなかったと思います。)現に、今日が東京大空襲の日だったとはニュースを見るまで知りませんでした。

この東京大空襲は約10万人の方が亡くなられたそうです。原爆というと一瞬で人々が亡くなったり、その後の後遺症など凄い被害実態が浮き彫りにされてますが、
この東京大空襲とは米軍による「市民虐殺」の典型的な例といってもいいでしょう。

表向きの理由は、日本は家庭内でも軍需作業をしてるということで、木造家屋の多い日本建築を爆撃機から爆弾ではなく、焼夷弾で焼き払って、市民を焼死させたのです。本来、戦争とは軍と軍の戦いであり、そこには市民を殺してはいけないというルールがあるはず。しかし、この東京大空襲、長崎、広島の原爆は明らかに軍事施設を狙ったというよりも、市民へのダメージを狙ってた。

戦争を知ってる世代は、段々と少なくなってきてます。教科書では自虐史観と言って日本の戦争犯罪だけを追及してるという世界的にみておかしい教科書が主流です。自分らの行った悪いことは書き立てる。でも、敵(アメリカや中国、ソ連)から同じようにやれれた虐殺行為については何も書かれていない。(日教組の影響で原爆などのアメリカ軍の行為は書かれてるが、中国やソ連などの共産主義のやった行為にはまったく言及されていない。)

今、多くの日本人は二次大戦では日本だけが悪いことをしたと思ってるのではないでしょうか。そういう意味でも、教育は本当に大事だと思いますし、国の礎だと思います。

「読んでみたい」

2005年03月10日 | 出来事
各地でライブドアの堀江社長が講演をされてる模様。その講演会で彼は「私の話なんか聞くのは今すぐやめて、私の書いた本を帰ってすぐ読んで、企業を起こせと言ってるのです。」というような内容の話をされてるそうです。(蛇足だが、これで出版の売り上げ伸びるんだろうな・・)

ただ、ほんと読んではみたい。企業なんか起こさないけど、読んでみたい。いろいろと考えは変わるかもしれないしね。

ちなみに、堀江さんは「人に仕えるんじゃなくて、自分で企業を起こしなさい。そうしないと日本は他の国に抜かれます。失敗したって、倒産すればいいじゃないか。」みたいな事も述べたそうです。ほんと、凄い自信家だな~。でも、それだけ成功してる人だから仕方ないか。

今までの概念を壊し、破っていくスタイルはまるで幕末の志士のような感じがする。

ちなみに、今 幕末関係の本を読んでると以前も述べましたが(HPの方にて http://members.goo.ne.jp/home/izki-toyama)、ここで「幕末トリビア」です。

薩摩で有名なのは西郷隆盛ですが、彼の本当の名前は隆盛ではなかったそうだ。。。
「隆永」が本名だが、秘書みたいな事をしてた吉井友実という人物が届出の際に、西郷さんの父親の名前と混同して、そう届け出たそうな。

ちなみに西郷さんの弟は西郷従道海軍大将ですが、これも実は違うそうだ。西郷家に代々受け継がれてる名は「隆」で彼の名前も「隆道」だったが、届出の際に音読みで読んで「リュウドウ」と言おうとしたら訛って「ジュドウ」と言ってしまいと聞き取ってた役人が「従道(つぐみち)」と届けたそうな。

「一石を投じる会社」

2005年03月10日 | Weblog
フジテレビのニッポン放送株のTOB(株の公開買い付け)が成立し、予定の25%を上回り36.47%取得した。(議決権ペースでは39.26%。以前、筆頭株主はライブドアだが、3分の1を超えたので拒否権がでる。)

ライブドアの堀江社長は、「想定の範囲内」と強気の態度ででてるが、ほんとに彼が言ってるように「将棋はつんでいる」のだろうか?

経済学者の大前研一さんによると、リーマンとの契約の中身をみると堀江さんは数週間、長くて一ヶ月ぐらいを想定してたのではないかということです。(堀江さんは、長くて一年は見てると今、公言してますが。)「短期決戦になるからすぐに返せると踏んでいた、でなければ株価450円の時点で、転換できる下限を157円に設定した契約など結ばないと思います。」と大前氏は言ってます。

一体、どうなるんでしょ??

また、この問題をきっかけに政界から放送への外資の間接支配を反対する声が聞こえますが、大前氏によれば「時代錯誤がはなはだしい。」そうなのです。ソニーにしろ、オリックスにしろ大企業は今は数十%以上、海外の資本が入ってて、そんな規制をしてたら放送を買おうとする企業は現れないばかりか、今経営されてるスカイパーフェクトなんかも違反になるのではないかとの事。

このライブドアからはじまった問題、なかなか終わらないような感じがします。

それにしてもライブドアは野球界にしても、マスコミに関しても一石を投じてる。

付け加えて言えば、「新株予約権」の発効差し止め訴訟の結果次第ではライブドアが有利になるでしょ。でも、この場合は最高裁までもつれるかもしれませんね・・。

「献血禁止」

2005年03月08日 | 事件
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病)の患者が国内で初めて確認された問題で、厚生労働省は、1980年から96年の間にイギリスとフランスに1日以上滞在していた人の献血を禁止することを決めた。ならびに臓器提供も禁止されるとの事だ。

なんでも対象者は数十万人に上るそうだ。

何が正しい決断かは分からないが、もうすでに献血してる人とかも多いだろうし、数十万の人が献血禁止になると、医療にも深刻に影響するのは間違いないだろう。

発症して亡くなった方が献血をされてたか、どうかの追跡調査は可能だろうが、まだ発症してない不特定多数の人達(その期間に一日でも滞在した人達)の追跡調査ならびに献血の有無の調査は不可能と言ってもいいのではないのか・・・。

献血を禁止しますと言った、軽い判断だけでは色々な面ですまされない問題だし、またどうすることもできない問題でもある。

ある意味、ぞっとするような問題です。

グローバル化を迎えた今日、社会学者のギデンズはリスクが多様化すると言ってますが、ほんとそうだと思います・・・。

女人

2005年03月07日 | 選挙
「女人禁制」となっている鉱山やトンネル、地下鉄工事などの「坑内労働」に国は規制を大幅に見直す方向で検討に入ったそうだ。

なんでも「坑内」での労働は法律によって女性は禁じられてるそうだ。(この時代に、法律で女性が排除されてるのにもビックリ。)これは、古くから伝わる迷信に由来してるらしい。「女性が入ると、同じ女である山の神が嫉妬して、落盤事故などが起きる」といった迷信・縁起担ぎがあって、それで女人禁制が長く続いてきたそうだ。

だからといって、法律で女性を締め出したのは問題はあると思う。しかしながら、こういった文化ってのもある程度は引き継がれないといけない部分もあると思う。

ようは、管理責任者側の問題だと思う。迷信を気にしないのなら、受け入れればいいし。やっぱり、気になるのであれは受け入れなければいい。行政が文化や慣習にまで口を挟んで、無理やり女性を入れるってのはしない方がいいと思う。まあ、この場合は無理やり入れるってのではなく法整備が名目だとは思うが・・・。

見直しを求めた日本経団連は、「技術の進歩に伴い、現場での安全・環境は格段に改善が図られており、坑内労働にのみ性別による制限があるのは男女雇用機会均等法の精神に反する」としている。なんでも、東京では土木・技術など工事に関連する職だけで600人近い女性職員が社会進出しているいるそうで地下鉄や下水坑工事現場での人のやり繰りに苦慮する場面があるというのが本音らしい。

こうした中、逆に「男人禁制」の場所も出現している。それはプリクラだ。なんでも、女性を狙った盗撮が多いとこことで男性だけでの利用を禁じてるとこが多い。実際、僕もよくゲーセンとかで「男性だけでの、ご利用はご遠慮願います。」という注意書きを見る。

これって、ある意味差別ではないのでしょうか?