本日、参院本会議で口蹄疫に関して代表質問をしました。
詳しくは、参院ホームページのビデオライブラリーをご覧ください。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
民主党・新緑風会・国民新・日本の外山いつきです。ただいま議題となりました口蹄疫問題に関しまして、会派を代表して質問をさせていただきます。
まず、質問に先立ち、今回、私の選挙区である宮崎県において、口蹄疫の発生により被害に遭われた農家を初め、多くの畜産関係者ならびに地域で生活する皆さま方に対し、心からお見舞い申し上げます。
4月20日に口蹄疫の第一例目が宮崎県都農町で確認されてから、1ヶ月以上が経ちました。
その間、国には様々な対策を打ち出していただいておりますが、被害は止まるどころか、むしろ拡大しております。
被害件数は、今日現在で、209例、殺処分対象は約14万8千頭となっております。
宮崎県をはじめとする南九州は、日本の畜産基地であります。
この口蹄疫問題は、日本の畜産の危機であり、我が国の危機であります。
まず、与野党の国会議員の皆さんにお願いがあります。
どうか、この問題を「政争の具」に使わないでいただきたい。また、「政局」にしないでいただきたい。
今、我々がやらなければならない事は、この国家の危機に、日本の畜産の危機に、われわれ国会議員が一丸となって、 「見えない敵」である口蹄疫に対峙していく事であり、苦しんでいる農家の皆さんに「希望」を与えることであります。
それを、現場の方々も、多くの国民の皆さんも望んでいるはずです。宮崎県民の一人として、皆様にご協力をお願いいたします。
そこで、鳩山総理にお尋ねします。
17日に総理を本部長とした政府の口蹄疫対策本部が開催され、「基本的対処方針」が決定されました。
その方針では、「今回の発生地域は、畜産への依存度が極めて高い地域であることを踏まえ、発生農場や移動制限の影響を受ける農家の生活支援、経営再建・維持のための対策に 万全を期する」と明記していただいております。
総理ご自身が指示を出された通り、平成22年度予算の予備費の中から、充分な予算を確保して、農家や地域の皆さんに、生活支援や経営再建の不安がないように政府が責任を もって対策を進めていくという明確なメッセージを出していただくことが一番大事なのではないかと思います。
1000億円の予備費を充てるという報道もありましたが、
総理、今一度、生活支援・経営再建などに必要な予算に
ついては国が責任をもって確保し、充分な施策を実行することをお約束いただきたいと思いますが、鳩山総理のご所見をお伺いします。
次に「特例措置」に関して質問させていただきます。
宮崎県家畜改良事業団が飼育していた種牛の農場で、肥育牛から口蹄疫が確認された事により、種牛を含めた殺処分の 方針が決まりました。
しかしながら、種雄牛という特殊性から、宮崎県の東国原知事からも49頭の種牛をなんとか、残してくれないかという声があります。
確かに、家伝法に従えば、直ちに殺処分しなければなりません。しかしながら、次の日本の畜産を背負うエースになる可能性も高いわけであり、今残る5頭と49頭は、宮崎、 そして日本の畜産にとって残された「希望」なのです。
国の考えとしては、「仮に感染しているとウィルスを拡散 させる事になり、問題が大きい」との事でありますが、
今現在、発症は確認されておりません。
どうか、政治判断で、日本の畜産を守る為に、宮崎の畜産を守る為に、49頭の種雄牛を特例として経過観察措置へと 方針の見直しをお願いしたいと思いますが、鳩山総理の ご判断をお聞かせ下さい。
次に、これまでの政府の対応について伺います。
政府は、一例目が発生した4月20日、ただちに農林水産省内に赤松農林水産大臣を本部長とする口蹄疫対策本部を 立ち上げ、防疫措置に全力を挙げる方針を確認しました。
つまり、初動対応はしっかりなされたのであります。
しかし、その後、発生の拡大を見る中で、新たな一手を打ち出す訳でもなく、当初の防疫対応を徹底するだけでした。
専門家で構成する「牛豚等疾病小委員会」も、必ずしも現地の事情に精通していないこともあり、パンデミックを想定 した戦略的対応策を打ち出した形跡はありません。
農林水産省は、これまで専門家の意見を聴いた上で対応策を検討するという姿勢に終始してきましたが、そうした待ちの姿勢が今回の蔓延を許したと言われても仕方がないのではないでしょうか。
専門家のお墨付きを得てからでなければ対策が進められないというのであれば、爆発的に広がるウィルスを押さえ込むには後手後手の対応となってしまいます。
現地の要望に耳を傾け、もっと早く、現地対策本部を設けるべきだったのではないでしょうか。
今回の教訓を糧に、専門家の意見と、現地の詳しい状況とを照らし合わせ、迅速かつ 柔軟に判断する体制を整備する ことが極めて重要と考えますが、鳩山総理と赤松農林水産 大臣のご所見を伺います。
次に、消毒の徹底について伺います。
発生農場の消毒については、法で義務付けられ、消毒方法も法令で規定されていますが、制限区域や幹線道路を通行する車両、人の靴底等に対する消毒は、詳しく書かれておりません。
そのため、消毒ポイントを多数設置しても、消毒方法が
まちまちであり、一般車両の消毒に至っては、任意で協力
して頂いている状況です。
これでは、せっかく制限区域を指定しても、ウイルスの拡散を防ぐことはできないのではないでしょうか。
発生農場以外の消毒についても、法令あるいは防疫指針の中で詳しく定めておくべきであると考えますが、赤松農林水産大臣のご所見を伺います。
自衛隊の活動範囲の弾力的な判断について(総理)
また、慢性的な人手不足に直面している現地からは、
知事の要請で出動している自衛隊員にも、埋却処分だけでなく消毒ポイントでの消毒作業等幅広く、かつ臨機応変に対応してほしいとの要望が上がっております。
大規模災害とも考えられる口蹄疫被害であり、ワクチン接種後は更なる防疫の強化が必要になるわけでありますから、
自衛隊員の出動と作業については、もっと弾力的に判断できるようにすることが必要だと考えますが、鳩山総理のご所見をお伺いします。
最後に、今回の口蹄疫が一日も早く終息して、宮崎県が元の平和な畜産県の姿を取り戻し、全国の農家や消費者に安心・安全を宣言できるよう、関係省庁一体となって事態に対処して頂きますよう、強く要望いたしまして、私の質問を終わります。