「住吉浜視察」

2008年05月26日 | 環境問題
金曜に東京黒潮同窓会(母校・日南高校の同窓会)に出席した為に、土曜の朝一で地元・宮崎に戻った。三ヶ月前から予定していた、住吉浜を視察する為だ。以前から、このブログでも触れてますが、浸食が深刻な問題となっている住吉浜にヘッドランドと呼ばれる人工岬を造り砂浜の復元を目指す計画があります。

ヘッドランド工法に反対している「ひむかの砂浜復元ネットワーク」の案内で、住吉浜そして、人工リーフで問題となった赤江浜を、民主党の井上県議、後藤市議、郡司市議、社民党の徳重市議と現地視察を行いました。

住吉浜では二ヶ所視察をさせてもらったのですが、最初の浜は、まったく砂浜がなく、ただただ驚かされた。二ヶ所目の砂浜は、アカウミガメが産卵に訪れた痕跡が残されており、子供達も砂浜で楽しそうに遊んでおり、この「豊かな自然」を残していかなければならないと強く感じました。そして、また深刻な砂浜の浸食の問題。地域の住民の方も困っている、この問題。解決するには、砂浜を復元するしか方法はないわけです。

そこで、検討されているのがヘッドランドと呼ばれる人工岬を造って砂浜を復元させるやり方だ。特に日本の海岸で行われている工法で、成功している所もあります。(という事は、失敗している所もあるわけです。)

私は今現在、この「ヘッドランド」には懐疑的であります。このヘッドランドによって、一部の砂浜の復元はできたとしても、他の場所で新たな浸食問題を引き起こす可能性がある事と、住吉浜の浸食の根本的な問題としては、宮崎港など川の河口に巨大な海に突き出している人工構造物を建設した事も一因で、ヘッドランドを建設したところで解決するとは思えないからです。

ヘッドランドで、どのようになるかは分かりませんが「グーグル・アース」で、赤江の宮崎空港を見ていただければ、なんとなく想像はつきます。空港の沖合に伸びてる滑走路を「ヘッドランド」だと思って見ていただくと、その両サイドには砂浜のような物ができております。たぶん、ヘッドランドを建設した場合は、このように砂浜が形成されていく事でしょう。しかし、周辺の砂浜を見ていくと明らかに砂浜の量が空港周辺よりも減っております。砂の供給量は変わらないわけですから、砂の取り合いになって増える所と、減る所がでてくるのではないでしょうか。

自然を壊し、人工構造物を造るというのは簡単な事ですから、まずはあらゆる分析を行い、養浜や、海外で試されているサンドバック工法などを試してみるのがいいのではないかと思います。私は、できる限り砂浜は自然に近い形に戻すべきだと思います。

しかし、技術的な問題もあり、自然に戻す事は困難で、様々な工法(諸外国で試されてる工法や、新たな工法など)を協議しても、「ヘッドランド」でしか砂浜は復元できないと結論にいったったなら、それは仕方がないのかもしれません。

今後は、国土交通省による説明、そして地域住民の方との説明を聞いていきたいと思います。