二年前から音韻認識をチャレンジ教室に取り入れたいと思っていましたが、
日本で音韻認識をきちんと取り入れている教材がなかったので
主に海外の文献や教材を参考にあれこれやっています。
春に中学生を対象としてやったToe by Toeは、
音韻認識ではなく読みのトレーニングでした。
Toe by Toeをやっていて、
やっぱり日本の子どもたちには文字に至る前の段階、
英語の音を自在に操作する力そのものを身につける
練習も大切なんじゃないか、と感じています。
同時進行でもいいと思います。
音を操作する力は年齢と共に
大きな固まりから小さな固まりの認識へ、
それぞれのステージで足し算、引き算、置きかえなどが
できるようになっていきますが、
これも個人差があります。
英語では、音の足し算をblendingといいます。
black + boardは、blackboard
もう少し細かいレベルでonset-rime だと、
s + ock で、sock
一番細かい単位の音素だと、
s + l + a + t で slat
これを文字を使わずに行います。
5月から夏までの目標として、
まずは、onset-rimeの足し算と引き算が
しっかりできることを目指しています。
ライムのパターンを増やしていくことで、
その後の語彙力アップや、読みのスピードアップにつながる
ことも狙っています。
onsetとは、子音+母音+子音(CVC)という英語の単語の基本構造の
最初の子音のことです。
C + VC
のパターン練習を毎回取り入れています。
Cが、CCになったり、CCCになると難易度がアップ♪
例: tr + ain = train, pl + ain =plain, tr + ad = tradなど
次に、
CVC から最初のC を抜いて、VC(ライム部分)だけを言わせます。
(これがonset-rimeレベルの”引き算”です)
例: train => ain, plain => ain, trad => ad など
これで、音素の意識ができているか、ライムが確実に取れているか、
が確認できます。
ライムを取るためには、
母音がきちんと認識できていなくてはいけませんから、
ライムの指導と同時に母音を集中的に導入するのがいいように思います。
ライムのゲームで、
「違うライムになったらペンを取る」というのを短大の授業でもやっています。
たとえば、
songで始めます。
long.... wong....pong ..... wang
で ang が聞き取れていれば
「あっ、違う!」とわかるわけで、
そこで真ん中にあるペンを奪うといったゲームです。
「音を注意して聞く」ということに集中させるのが大切です。
おそらくですが、
”ライムに注意を払う”という経験を積み重ねているうちに、
マザーグースなどのライミングソングの面白さがわかったりするのでしょうね。
ライムがわかるようになると、
その前の音素の意識がぐっと高まります。
そうした発達にともなって、
音素の足し算、引き算、置きかえへとつながっていく道筋が見える気がします。
s + l + a + t で slat
これを文字を使わずに行います。」
文字を使わずに、どのようにblendingするのでしょうか。
うちのお教室は凸凹のある生徒さんが多く、国語・算数はなんとか対応できているのですが、英語は手探り状態です。
最近、文字を使わずに、音だけを聴きとる練習をしたほうがいいのかもしれないと思っていまして。
でも、具体的に何をどうしたらいいのか、よくつかめていない状況です。
先生のレッスンを、動画でアップする予定はないのでしょうか。
音素をひとつひとつ、口頭でいうのです。
「た」 「ん」 「ぼ」 は、なんですか?
「たんぼ」。
まずはアルファベットの音素がすべて言えるようになること。
その次は、オンセットとライムの足し算先かと思います。
それが自在にできてようやく、音素の足し算ができるようになります。
ライムの練習を動画で今日撮ったので、
準備ができればアップします。
先生の記事を参考にして、音素から勉強した生徒が2人います。
1人は、3文字程度の単語を読めるようになりました。
もう1人は、耳から入る情報を記憶することがなかなかできないので、ゆっくりゆっくり勉強を進めています。
2人と一緒に楽しく英語を勉強できるは、先生のおかげです。
ありがとうございます。