学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

英語を学ぶとき、最初につまずきやすいこと

2011年04月22日 | 英語教室でできること
学習障害を持つ子どもたちが、


英語を「科目」として勉強することになるとします。


中学1年生です。


まず、どこにつまずいちゃうかな?


中学1年生では 簡単すぎて つまずかないかな。



学習障害を持つこの多くは、「読み書き」に難しさを抱えている子どもたちです。


この読み書きも、脳でたくさんのプロセスを経る作業なので

そのプロセスのどこで ひっかかっているのかは

それは人それぞれなんだけど、

まずは アルファベットでつまずきます。


アルファベットは 難しい点が2つあります。


まずは、文字の形の認識、


次に、文字と音の結びつきです。


形の認識が難しいというのは、左右がわからなかったり

斜めや角が認識しづらかったりすると、

d b p qなどの似た文字をいつまでも混乱したり

dをo l みたいに ○と棒で分けて書いたりします。


認識できていないだけで、見えていますので

視力が悪いわけではありません。

だから、眼科に行っても「問題ない」とか言われてしまう。


ほかには、文字が二重に見えていたり、

反転していたりするケースもあるようです。



文字と音の結びつきに関しては、

アルファベット圏では非常に目立つ問題です。

たとえば、Dという形を「でぃー」という音で読ませますね。

形はわかっているのに、音とうまく結びつかないと、読めません。

「えーと、この形はなんだっけな。」

一生懸命思い出そうとするため、本読みなどでは時間がかかります。


アルファベットはそれに加えて、

文字の名前と音が違うので、ひらがなよりも読むのがずっと難しいのです。


「あ」は「あ」と発音しますが、dogはディーオージーじゃなくてドッグ。



そのため、欧米では文字から音への接続に

フォニックスを導入している幼稚園やプレスクールも多く、

読みのルールを学んで行きます。


そうした練習無しに、

いきなりアルファベットを教えた翌週から

教科書になじまなくてはいけない日本の中学1年生が

英語の読みでどれほど苦労するかは、

お察しの通り。

学習障害がなくても、大変なのです。



それに加えて、読み書きに困難のある子どもたちは、

語彙が少ない、読解力が年齢相応についていない、

という傾向もあるように思います。


これは、やはり読書量に比例するのでしょうか・・・。


そのため、何が問題かというと、

中間テストや期末テストの問題文が理解できない。


「次の英文を、下線の部分を問うような疑問文に書き換えなさい」


とか、


「次の日本語にあうように括弧の中に適当な語を2語入れなさい」


などの指示が 意味がわからなくてパニックになるということもあります。


英語の問題のはずですが、肝心の答えにたどり着く前に、出題につまずく。


小学校とは違う学校用語、テスト用語ともいう

特殊な言い回しがありますが

これを理解するのが、意外と大変なのではないかと思います。



ですが、テスト用語には徐々に慣れていく必要もあるため、

言葉を優しくする必要はありませんが、

指導の時は、ゆっくりと、一つ一つの語の意味を確認しながら

(例えば「下線の部分」って、どこのことかな?」「下線ってどれのこと?」とか)


設問を理解する、問題文になれる、というような練習も必要かなと感じます。


私の勤務校で5月から小学校高学年、中学1,2年生のための英語教室をしますが


これは読み書きの苦手な子向けです。


英語と同時に、こうした学校用語を練習していこうと思っています。。。。




あれ、長くなってしまった。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿