学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

指導者ってすごい・・・パート2

2011年10月19日 | 英語教室でできること
B先生の了承を得られましたので、日記をご紹介します。

全体に公開されていますので、リンクと、抜粋で。


中間テストまで先生がAくんに指導した回数は以下。

8月 4回、
9月 2回。
10月 1回。
その後、定期テストにむけて3回スカイプで勉強。

合計10回です。

一回あたりの時間は、60分以上と聞いています。
(うち、家庭訪問もされています)


B先生の2回目のレッスン語の日記より。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1760794333&owner_id=11379466
(原文はこちら。ぜひ読んでね。)

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(抜粋+太字箇所は私が入れました)

2回目のレッスンをしました。

1回目はかなり遅れてきたから1時間しかできなかった。

読み書き苦手、、、、ああ、ほんまに苦手やねんなあ。
スペルを覚えるのも大変。
文字を書くのも大変。

1学期の最後のところの教科書を1ページだけ音読してもらった。
読めない。
意味がわかっていない。

目標は、「自分にもできるんだ」ということを感じてもらうこと。

まず、教科書の1ページを読む練習。
意味をひとつひとつ確認。
文法、未来時制はもう少しあとでやることにしよう。

発音をなおしてあげると、即座に直った。

「おお、あんた、うまいなあ。すぐに上手くなるなあ」って何度も言った。

だってほんまやし。彼はどんどん音読練習をして、ちょっと嬉しそうだった。
1ページを上手く音読できた。という達成感はこれでOK!


つぎに、SVCとSVOの基本をやった。
まずここに戻らないとどうしようもないだろう。

やはりBe動詞の使い方も覚えていなかった。
He are とか言ってる。wereも読めないし意味がわかっていない。

文法チャンツの0段と1段を繰り返し練習して、ノートに書いてもらう。
1日目の宿題はそれで精一杯だった。
それぞれの否定文も書いてきてね、という宿題も出して、「やって来れるかなあ」って心配だった。

「自力でしっかり理解できて、自力でしっかり完了できた」という達成感が持てる宿題しか出すべきではない。


(中略)


そして、昨日は2回目のレッスン。
今度は早めにきてくれた。

おお!ノートは2ページをみっちり書いてくる宿題。
1ページは読めない、きたない、やりなおし!
もう1ページはめっちゃ綺麗に書いていた。

(中略)

2日目はピアノのある部屋を使えたので、ピアノで文法九九をやった。
なかなか楽しそうだった。

30分くらいひたすら文法九九。
完全にできるまで次にいかない。
そうでないと、積み重ねの達成感を味わってもらえない。

時間はないから、ほんとうは次に進みたかったけど、諦めた。
文法九九、1段のまま、その音読をしてくるのが宿題。


(中略)

よし、とにかく、文法九九と、教科書と単語をやれるところまでやろう。
五感を使って、記憶を高める。

そして、フォニックスを使ってスペルを覚える負担を少しでも減らす。
それから一番大事なことは本人のやる気だ。

それをどんどん引き出す。これが使命だ。

(中略)

これはどうかな?って聞いても、「わからない」「読めない」って即答。
考えずに、そう答える。

短期記憶と長期記憶の説明をして、どうやったらいいかを教えた。

「ええか、絶対覚えられるようになるから、諦めるな。自分の気持ちに負けてるからあかんねや。大丈夫やで。できるようになるから。五感を使うねんで。」

「うん。」彼の目が真剣になる。


(中略)

宿題は、教科書音読、文法九九の言う練習、単語60個を自分でテストしてくること。
そのテストのやり方も細かく指示。

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ここまでで、素晴らしいと思ったところは以下の3点でした。


① Bくんの、どこができて、どこができていないかの把握

  たった一回でいくつものアセスメントをされて状況把握をされています。
  どこにつまずきがあって、どうしてそこに躓いているのかがわからなければ
  指導はできません。

  クラスの一人ひとりの子の「ここがわかっていない。ここはわかっている」
  を指導者が把握しておくことは、とってもとっても大切!

  指導は、まずアセスメントから。
  
  「わからないことは教えない」「わかるまで教える」が可能になります。


② 具体的な目標設定
   
  子どものやる気という精神面と、
  学習項目での目標を設定されました。

  同時に、指導方法もほぼ決定されています。


③ 勉強方法の指導
 
  略した部分もありますが、本人へは弱点補強のために
  どのように勉強したらよいのかというアドバイスを
  かなりされていると思いました。

  それも、「必ずできる」と自信を持たせるように。



そして、そのやる気を出させるだけでなく

次に、本当に結果を出していくところまで、

丁寧に集中して目標まで指導していきます。



(つづく)

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