JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
こどもてつどう でんしゃごっこきっぷセット ~その4
「こどもてつどう でんしゃごっこきっぷセット」の連載最終回となります。もう少しお付き合いの程、よろしくお願いいたします。
今回は3セット目の券を御紹介いたしましょう。
3セット目は駅名がまた漢字バージョンの「東日本ことも鉄道大宮」駅となります。台紙にパンダが描かれており、大宮駅の他、上野駅がテーマとなっているようです。
まずはセット1枚目の券です。
こども大宮駅の入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、やはり東京印刷場で調製された券によく似ています。
1セット目の入場券がこども大宮駅の入場券でありましたので、これでこども大宮駅の入場券は大人・小児用および小児専用券の双方が揃うことになります。
こちらが1セット目に入っていた小児専用券です。
このセットでは、セット2枚目の券も入場券になります。
こども上野駅の入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、やはり東京印刷場で調製された券によく似ています。
前回エントリーの時に御紹介いたしました、平成元年11月に上野駅で発行された普通入場券です。こども上野駅のものと「本家」上野駅のものです。上記2枚は間違いなく東京印刷場で調製された普通入場券がプロトタイプになっているものと思われます。
こども上野駅分入場券の裏面です。あまりに精巧に作成されているからか、「この券で上野駅への入場はできません。」という文言があります。
セット3枚目の券です。
こどもリレー号特急券というものが入っています。青色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、東京印刷場で調製された風になっています。
この券だけが全くの創造された様式で、国鉄・JRを通し、リレー号用の特急券というものは存在しません。
若いコレクター氏は御存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、かつて昭和57年に東北新幹線が開業した時は大宮駅が暫定の始発駅であったため、当時の国鉄は、今までの在来線特急のサービスレベルを確保するため、上野~大宮間に185系電車200番台を使用した「新幹線リレー号」という列車を走らせました。恐らくこの券はその列車用の特急券として作成されたものと思われますが、リレー号自体は快速(もしかすると普通)列車であったために特急券は存在せず、この券は「幻」の特急券です。
リレー号特急券の裏面です。ここにはかつて大宮~上野間に新幹線リレー号という列車が運転されていたことが記されています。
いままで3セットの「こどもてつどう でんしゃごっこきっぷセット」を御紹介してまいりましたが、実際に硬券を印刷している会社が、実際に使用している印刷機と券紙を使用して作成しているのでリアリティがあり、かえってコレクターの興味をそそるものに仕上がってのです。
大宮へお越しの際には、ぜひ実物を手に取ってご覧になり、「いいね」と思われたらお土産に御購入いただきたいと思います。