趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
小田急電鉄 箱根登山鉄道連絡乗車券
もう一つ、箱根登山鉄道の連絡乗車券ネタにお付き合いのほど…
今度は小田急電鉄側から箱根登山鉄道への連絡乗車券を御紹介しましょう。
伊勢原駅発行の箱根湯本駅ゆき乗車券です。
小田急電鉄から箱根登山鉄道への連絡乗車券はなぜかA型硬券の一般式が多く、井口印刷調製のこの手の券が比較的多く存在しました。
有効期間は箱根登山鉄道からのもの同様発売日共2日間有効であり、経由表記も「お約束」の「小田急線経由」と、箱根登山鉄道から小田急電鉄への連絡乗車券に準じています。
しかし、中には掟破りなものも居りまして、新宿駅のもののようにB型硬券となったものも存在したようです。
なぜB型なのか、その理由はわかりません。
こちらは祖師ヶ谷大蔵駅発行の新宿駅から箱根湯本駅ゆきのもので、特急券を発売した際に同時発行されたものです。
祖師ヶ谷大蔵駅から一旦新宿駅に行った上でロマンスカーに乗る、という経路の需要に対して設備されていたようです。発売の際、特急券の使用日に合わせるため、「○急」のから通印が捺印されています。
この券は小田急線の新宿口で良く見られたシンコー印刷調製のもので、上の井口印刷調製のものとは趣が異なります。しかし、券の大きさはA型と一般的な箱根登山鉄道への連絡乗車券と同様です。
こちらも掟破りな券です。
箱根湯本駅から新宿駅ゆきの一見して箱根登山鉄道発行のような券ですが、発行箇所は箱根湯本駅構内にある小田急電鉄の案内所であり、発行事業者は小田急電鉄となります。
乗車経路は箱根登山鉄道から小田急電鉄へと乗車(進行)方向は上の他のものとは異なりますが、ここでは敢えて様式上、小田急電鉄から箱根登山鉄道への連絡乗車券のカテゴリーに入れさせて頂きました。
他の井口印刷調製の券とは違い、経由表記が「小田原経由」となっており、他のものとは異なっているのが特徴です。
これら、小田急電鉄から箱根登山鉄道への連絡乗車券やその逆の箱根登山鉄道から小田急電鉄への連絡乗車券については、経由表記の方法や券の大きさなど、何らかの法則があるのかもしれませんが、本当のところは見い出せません。
ただ考えられることとして、新宿駅~小田原駅間は小田急線でもJR(国鉄)線のどちらでも行くことができるので、「小田原経由」だけでは乗車経路の特定が困難になるため、「小田急線経由」としたのかもしれません。とすると、箱根湯本案内所のものがなぜ「小田原経由」という表記なのか説明できなくなってしまいます。
もしかすると、実は「小田原経由」という表記は印刷ミスなのかもしれません。