My-boomよ、永遠なれ。

熱しやすく、冷めやすいお調子者のマイブーム日記…
いよいよ人生は佳境に“ラスト・クオーター・サバイバル”へ

30年ぶりにM.C.エッシャーを観る

2012-08-09 11:56:44 | アート・美術館

現在、佐川美術館にてエッシャーを観ることが出来ます。

ここは結構渋い企画展を開催しており、前回はセガンティーニを堪能しました。
常設で人気の平山郁夫をはじめ佐藤忠良や樂吉左衞門で平日でも結構入館者が多い。

エッシャーは日本でも人気のある画家。
今回の企画名は「ハウステンボス美術館所蔵 M.C.エッシャー展 変容・無限・迷宮」。


グラフィックデザイナーを目指していた学生時代で少なからず影響を受けた画家(多くはシュルレアリスム)としてルネ・マグリット、サルバドール・ダリ、デ・キリコ、横尾忠則そしてM.C.エッシャーなのであります。
社会人になった頃に新宿・伊勢丹美術館(1981)で開催されたエッシャー展には感激したものです。

当時の図録は今でも所有しておりますが倉庫の奥に埋没していますので今回は画像拝借で。

これは今回の図録。


エッシャーと聞いてまず思い浮かぶのは、「トロンプ・ルイユ(だまし絵)」でしょう。
学生時代に初めて画集で彼を知った時は大変な衝撃を受けたものです。
オランダ出身の版画家で現実ではありえない世界を描き、風景や動植物、建築デザインや幾何学的な図形まで、綿密に計算し、卓越した版画技法を築き上げています。
その不思議空間は、CG(コンピューター・グラフィックス)が氾濫する今日でも決して色あせることはありません。
きっとエッシャーが半世紀あとに生まれCGを手に入れたらどんなインスピレーションを更に起こしたことか…

本展では20~30歳代の木版画も多く展示されており、その卓越した技術とユニークな発想・想像力、そして確かなデッサン力を堪能出来ます。
以下、気に入ったものをピックアップします。※以下掲載するものは全て拝借画像

フンコロガシ

のっけからフンコロガシとは恐縮でありますが…。
これが木版画と目を疑うほど凄い画力であります。いくら想像を働かしても私のオツムではその技法を解明出来ません。
幸いな事に実際の版木も幾つか展示されており、穴があくほど観察しました。恐らくこれをリトグラフと言われても疑いませんよ。

爬虫類

何匹かのトカゲが、平面上に描かれていた群れから抜け出て、別次元の世界へ入り込んでいく。
これぞエッシャーだと言える40歳代半ばの作品。

もう一つの世界

三種類の想像上の世界、つまり地平、天底、天頂の全てに共通した消点が“もう一つの世界”の中心に存在している。
凡人にはまず発想出来ません。

三つの世界

この構図は森の中の小さな池をカメラで撮ると映し込む事が出来る世界です。
こんな感じかな?

平面の正則分割

モチーフの犬はすべり鏡映であるが、その彩色は異なり、明暗どちらの犬も同じ方向を向いています。
ム~。これを瞬時に理解できます?



超有名ですな…。三次元上の三角形が基本となり結びつける不思議な建築物。
人間の目の錯覚を巧みに利用しており心理学の世界とも言えます。

まさに…
人間の「想像力=創造力」がいかに無限で、可能性に満ち溢れたものかを再認識させてくれる視覚の魔術師・エッシャーの世界。
である。※本展ブローシャより抜粋


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