My-boomよ、永遠なれ。

熱しやすく、冷めやすいお調子者のマイブーム日記…
いよいよ人生は佳境に“ラスト・クオーター・サバイバル”へ

写実絵画専門・ホキ美術館へ。

2012-10-11 14:35:38 | アート・美術館

みちのく旅の帰りにある千葉県の美術館によってみました。



同館の詳細はHPを参照してください。←ホキ美術館

写実(リアリズム絵画)と言う観点に一番最初に衝撃を受けたのは、デザイン学生時代にブームとなったスーパー-リアリズム(超写実主義)です。
1960年代から70年代にかけて欧米、特にアメリカを中心に現われた動向で、写真を利用して人物や日常的光景などを克明に極度に写実的に描くものです。
巨大なキャンパスにプロジェクターで投影しエアブラシで描かれた技法が有名です。

さらに西洋絵画史に輝くレオナルド・ダ・ヴィンチやフェルメールそして新古典主義の巨匠アングルなどが素晴らしい。

最近では2007年7月に北海道立近代美術館で野田弘志展を鑑賞しました。
おそらく、この時に日本人の写実絵画の凄さを感じておりましたが、その後ある雑誌でホキ美術館の紹介された時いずれ訪れたかったのです。

本館の建築も非常にユニーク。
5つの回廊型ギャラリーを三層(地上1階、地下2階)に組み合わせ、一部が宙に浮いています。




今回は個々の作品や収蔵作家についてコメントはしません。
写実絵画のために設計された、ピクチャーレールのない展示室、天井に埋め込まれたLEDとハロゲンの照明など環境は素晴らしい。
惜しむべきは一部を除いて絵画がガラスで保護されており、照明や外光の反射が映り込んでしまうことです。
また、図録や画集も購入しませんでした。これはやはり実物を間近で見て技法や筆使い、光の捉え方を感じるしかありません。

写実絵画、西洋絵画・巨匠、新古典主義、写真撮像、スーパー-リアリズム…。
これらはどう位置付けられるのでしょうか?

ある意味、写実度や徹底度ではスーパー-リアリズムですかね。時間経過による残像すら表現します。
新古典主義ではそのテーマ性と観点こそが絶対的であり、写実性は付加的なものです。

難しいのは写実絵画と写真となにが違うのかという問いですね。
野田弘志は以下のように述べています。
写実絵画とは物がそこに在る(存在する)ということを描くことを通してしっかり確かめようとすること。物が存在するということのすべてを二次元の世界に描き切ろうとする。
写実絵画は写真のようだとよくいわれます。しかし、写真は一点から見た画面、いわゆる単眼ですが、人間の眼は両眼なので、視差によって遠近を知覚します。
人間が見ている空間と写真が表現する空間とはおのずと違ってきます。人間の目で見たままを描いているのが写実絵画といえます。

もう一度ここに訪れた時に、今回と同じような感動を味わうことが出来るでしょうか?
その時に自分自身で写実絵画の位置付けが明確になると良いのですが…。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿