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【1205/52:原発再稼働問題】電力需給中長期展望なく再稼働混迷 政府、原発の必要性示しきれず

2012-05-08 23:16:54 | Weblog

 

 

 再稼働をめぐり地元でも関西でも反対、不安の声が強い理由の一つは、4月を予定していた原子力規制庁の発足の遅れにある。設置のための法案が国会に提出されているが、組織の独立性などをめぐる与野党の対立で審議すら始まっていない。

 規制組織が十分機能しない現状での国の再稼働要請に対し、福井県おおい町での住民説明会では「拙速」との批判を招き、京都、滋賀両府県知事の7項目の提言でも規制庁の早期設置を求めている。西川知事も規制庁設置までは「原子力安全委と保安院がしっかり原子力の安全に取り組んでもらわないと地元としては困る」と苦言を呈している。

 安全性とは別に「必要性」についても、政府は十分に説明し切れていない。今夏「非常に厳しいレベルの電力不足に直面する」(牧野聖修経済産業副大臣)はずの関西が、節電や計画停電を心配する以前に、需給見通しに疑問を呈するという構図だ。

 先の説明会でおおい町の女性は「立地地域が悪いように言われている」と語り、原発の電力を消費してきながら再稼働に反発する関西への不満をあらわにした。

 さらに、短期的な需給にとどまらず、中長期的にどの程度の電力を原子力でまかなうか、政府の方向性が定まっていないことで、議論は拡散。再稼働の必要性をどこに見いだすか、国と福井県の認識はずれている。関西圏の主張も、再稼働問題と将来の脱原発依存が混線している。

 政府は「やや短期の大飯3、4号機の稼働と、長期の脱原発依存の話は少しフェーズ(局面)が違う」(今井尚哉資源エネルギー庁次長)との考え。一方で、夏をめどに進めるエネルギー基本計画見直しでは、2030年の発電電力量に占める原子力の割合をめぐり議論百出で、着地点は見えていない。

 県は将来的な産業やエネルギーの基本にかかわる問題としてとらえるべきだとの姿勢。地元に協力を求めた政府自らが再稼働の必要性を説明しきれず腰砕けになり「はしごを外されかねない」とも警戒する。先の枝野経産相との会談で西川知事は「ぶれることなく国民の理解を得るよう努めていただきたい」とくぎを刺した。

(5月6日付け福井新聞・電子版)

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/34566.html

 


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