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【1010/243:バイオディーゼル燃料】東近江市、廃食油精製できず 法改正、規制強化で

2010-10-29 22:46:28 | Weblog
【写真:精製されていない廃食油が入ったポリタンク。6千リットル近くが保管されている(東近江市・あいとうエコプラザ菜の花館)】

 廃食油からバイオディーゼル燃料(BDF)精製に取り組む滋賀県東近江市が、6千リットル近くの廃食油を未精製のまま保管していることが10月28日、分かった。市は市営バスの燃料に使用していたが、昨年の法改正で品質の規制が厳しくなり、これまで通り利用できなくなった。普及のための法改正が、20年以上取り組む環境先進地の足を引っ張っている形だ。

 町内の家庭から回収した廃食油を化学処理してBDF化する取り組みは、旧愛東町が1986年に自治体では全国で初めて行った。地域資源の循環と温暖化防止が目的で、合併後の東近江市でも継続され、2005年からはあいとうエコプラザ菜の花館(同市妹町)で精製されている。同年8月からは、BDFを7~8%の割合で軽油と混ぜた混合燃料を使い、市営循環バス8台を運行してきた。

 しかし09年2月の法改正で、混合燃料の場合、特定の混合設備の設置が必要になったうえ、BDFの割合を5%以下にすることが義務づけられた。軽油を備蓄するための設備も必要で、混合燃料をバスに利用するのは財政面から困難になった。

 市は試験的にバス1台をBDF100%で走らせたが、固形物が多くフィルターが詰まり、維持作業が難しいため使用をやめた。年間約8千リットルのBDFを消費していたバスで利用できなくなり、未精製の廃食油は現在約5800リットルに上る。

 経済産業省エネルギー庁によると法改正はBDFなどの品質を高め、バイオ燃料を普及させるためという。菜の花館の鈴木教愛主事は「目的は分かるが、一定の品質で適正利用をしていたところまで一律で規制することになってしまった」と戸惑う。市は今後、他の利用方法を模索する。

(10月29日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20101029000048

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