交通事故などで脳に障害を持った人たちへの理解と支援の拡大を目指す「脳外傷友の会第7回全国大会」が9月29日、大津市の琵琶湖グランドホテルで開かれました。全国から当事者や家族ら約500人が参加し、当事者代表の5人が職場での苦労などを発表しました。
2001年に交通事故に遭い、現在は菓子製造会社でアルバイトをしている友の会「しが」の石黒勉さん(39)は「倉庫から商品を取り出す作業では、職場の同僚が面倒くさがらずに商品名や個数を書いたメモを渡してくれる」と周囲のサポートに感謝を示し、「仕事が遅くても、一生懸命こなすことが課題」と話しました。
北海道の友の会「コロポックル」の斎藤和子さん(55)は事故で重傷を負い、記憶喪失などの障害が現れましたが、「会った人の名前を忘れないよう、特徴を何度もメモし、記憶にとどめた」と克服法を紹介。現在はボランティア活動にいそしんでいるとのことです。
交通事故や脳こうそくなどが原因で、記憶障害や失語、感情コントロールの低下などの脳機能障害を抱える人は全国で30万人とされます。外見からは障害がわかりづらく、周囲の理解や協力が得られないと職場復帰が困難です。
こうした当事者を支援する友の会は現在、全国に18団体あります。大会を主催した友の会「しが」代表の上坂順子代表(49)は「脳機能障害についてもっと多くの人に知ってもらい、就労の機会や社会のサポートが増えてほしい」と期待しています。
(9月30日付け読売新聞が報道)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news003.htm