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【1010/34:日韓併合100年】 高校生ら交流事業で来日 

2010-10-05 17:01:35 | Weblog
【毎日新聞特集「現場から記者リポート」:日韓併合100年/高校生ら交流事業で来日】

 ◇「もっと仲良くなれる」 違いを尊重し合いたい

 今年は日韓併合(1910年8月)から100年。政治的な駆け引きを含めた国と国との外交からすれば、民間のほんの小さな国際交流と言えるかも知れない。今夏、湖北を訪れた韓国の高校生らは地元の高校生や雨森(あめのもり)地区(長浜市高月町)の人たちと出会い、滞在時の感想を書き残して帰国した。そこには国と国、人と人とのかかわりで、忘れてはならない大切なことがつづられていた。【桑田潔】

 「(韓国で見た日本の)テレビドラマで覚えたの」。鄭娥英(チョンアヨン)さん(17)は滑らかな日本語で話してくれた。ソウル市立倉洞(チャンドン)高校2年生。留学経験、日本での滞在経験はない。鄭さんは「ドラマを見ているうちに話せるようになったの。日本のことにとても関心があるからかな」と話した。

 同校の同級生、教師ら41人が8月6日に来日。毎夏、韓国高校生との交流事業を主催する「雨森まちづくり委員会」の住民宅などに3泊した。江戸時代、対馬藩に任官し、朝鮮外交に尽力した儒学者、雨森芳洲を顕彰する施設「東アジア交流ハウス雨森芳洲庵」(同町)では琴の演奏を聴き、茶道も学んだ。

 その庵庭で、韓国の民族衣装を着た市立富永小の児童らが太鼓や笛の民族音楽「サムルノリ」を披露。日本側が韓国音楽の演奏で歓迎したのに対し、韓国生徒らは帰国直前のアンケートに「韓国が誇らしかった」「私たちの伝統をもっと学ばなければと感じ、恥ずかしかった」などと回答。「私たちと一緒にすれば、もっとすてきな演奏になる」とも。

 県立伊香高を訪れ、クラブ活動などを見学した時の感想は「韓国では勉強するために学校があるとすれば、日本は自分の夢を育てるためにあると思う」などで、日本の高校生との違いから自分たちの高校生活を見つめ直したようだ。

 同庵館長の平井茂彦さん(65)は「互いの違いを知り、尊重し合うことはとても大切。違いに気づくことは自分の置かれた立場や母国の状況をもっと知ることにつながる。国際交流の意義はそこにある」と言う。

 「韓国で考えていた日本と違っていたことは何?」との質問に、「日本人は素っ気ないと思っていたが、すごく親しく情がある」。また「悪いことばかり知っていたが、実際に触れてみるとすごく良かった」と書いた生徒も。「悪いこと」とは日本の植民地支配を含めた日韓関係の歴史も指しているようで「日本は悪」と教えられてきたのかもしれない。

 しかし、「日本と韓国はもっと仲良くなれる?」の質問に、25人が「はい」「もちろん」と答え、「お互いの固定観念を崩したら可能」「お互いを尊重すれば」などとコメントした。

 併合100年の年に政府要人らが出した見解や謝罪の言葉について、ここで論じるつもりはないが、真夏の湖北でステイ先の人たちに感謝し、手を振って帰国した韓国高校生らに逆に教えられることが多かった。

(10月5日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20101005ddlk25040489000c.html


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