滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1204/356:原発再稼働問題】「生活の糧」住民切迫 (福井県)おおい町説明会

2012-04-28 23:03:16 | Weblog

国、安全性を強調「不安残る・・・」の声も

 関西電力大飯原発3、4号機を巡り、地元のおおい町で行われた26日の住民説明会。政府から直接説明を受けた参加者らに終了後、感想を聞くと、安全性に対する不安は残る一方、再稼働は必要という切迫した声も目立ち、原発を<生活の糧>としてきた地域の複雑な思いが伺えた。

 説明会には計713人が事前に申し込み、当日は雨の影響などもあり出席者は計546人。柳沢光美経済産業副大臣が約30分間、安全性などを力説した。

 同町尾内の無職男性(74)は説明会終了後、「福島の事故を踏まえた対策になっていることがよく分かった」と納得したが、農業男性(58)は「内容が広範囲にわたり、中身も難しいので、安全だと言い切る自信がない」と不安な様子だった。自宅でテレビを視聴した元小学校校長の早川治さん(74)は「今までの政府の説明の繰り返し。福島の事故の究明はまだで安心できない」と指摘。関電の協力会社役員の女性(52)は「内容は難しかった」としながらも、「安全だから責任を持って動かすという国の意欲が伝わった」と肯定的に受け止めた。

 大飯1、2号機は運転開始から32年。同3、4号機は19、20年。雇用や豊かな財源は若者の人口流出に歯止めをかけた。それだけに、長男(24)とともに原発関連企業に勤務する男性(61)は「息子の将来を考えると不安になる。雇用確保のためにも再稼働してほしい」と迷わず語る。協力会社に40年間勤務して5年前に独立した男性(60)も、原発機器の点検業務が仕事の9割を占めるといい、「我々には死活問題だ。早く再稼働してほしい」と訴えた。

 観光施設職員の男性(51)は「原発を再稼働しなければ町は活性化しない」と危機感を持つ。「放射性廃棄物や使用済み核燃料の最終処分先が決まらないと、反対派が納得しない。そういった問題点の解決策も国が示してほしい」と話した。

 26日の説明会では、国への要望も相次いだ。質問に立った女性が「消費地と原発立地で温度差がある。立地が悪者みたいな報道が続いている」と悔しい胸の内を語り、国に原発の必要性を説くよう求めた。そうした訴えに、うなずく参加者も。原発関連の仕事を請け負う建設会社経営、荒木和之さん(58)は「再稼働は安全が第一。経済や雇用の問題は二の次でいい。会社のために危険を冒していいなんて誰も思っていない」とした上で「30年間、都会の便利な生活を支えてきたことが理解されず、さみしい」と語った。

          ◇

 会場となった町総合運動公園の入り口では、降りしきる雨の中、午後5時頃から、関西中心の反原発団体約80人が「原発反対」などとシュプレヒコールを繰り返し、「30年以上皆さんに危険を背負わせて申し訳ない」と声を張り上げた。説明会が始まった約10分後の午後7時40分頃、男性数人が「中に入れろ」と柵を乗り越えると数十人がつめかけ、警備員や警察官ともみ合いになり、説明会が終わる午後9時頃まで騒然とした状態が続いた。

(4月28日付け読売新聞福井版・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20120427-OYT8T01219.htm


【1204/355:原発再稼働問題】大飯再稼働、迫られる難しい判断 町長と議会、民意どうくみ取る

2012-04-28 22:50:42 | Weblog

 

 

拡大関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐり、安全面での不安や地域経済の疲弊を訴える声が出た住民説明会=26日夜、おおい町総合運動公園体育館

西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐり、安全面での不安や地域経済の疲弊を訴える声が出た住民説明会=26日夜、おおい町総合運動公園体育館

 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に関するおおい町の住民説明会が26日終わり、時岡忍町長と町会それぞれの是非判断が焦点となってきた。両者とも説明会での町民の反応を判断の参考にするとしていたが、限られた時間の中で意見を述べたのは参加者546人のうち8人のみ。安全性に対する不安、疑問は根強く、町民の理解がどこまで進んだかは不明だ。運転停止による地元経済の疲弊を訴える意見もあり、複雑に交錯する町民の意思をどうくみ取るのか、町長、町会は難しい判断を迫られる。(青木伸方)

 説明会で経済産業省の柳沢光美副大臣は、スクリーンも使って2基の安全性と原発の必要性を説明した。ただ、質疑では「予想を上回る地震が起きたらどうなるのか」などと安全面への不安を訴える住民が多かった。会場では、再稼働への容認論、慎重意見が述べられると、それぞれ拍手も起きたが、多くの参加者はじっくりと政府の説明を聞く姿勢だった。

 終了後、柳沢副大臣は「理解いただくのはまだ(時間が)掛かると率直に思った」と述べる一方、「それほど強い反発ではなく、ある程度理解は進んだ」との認識を示した。時岡町長も「副大臣が説明し、町民も十分発言してもらい、目的は達成できた」と感想を述べた。

 ただ、大島地区の無職男性(65)は、質問しようと手を挙げたが、予定時間を過ぎて質疑は打ち切られ、発言できなかったと憤慨。「エネルギー政策の方針が決まらないのに再稼働を要請する説明会を開いても意味はない」と吐露する。

 町の人口は約8800人。説明会の参加者は1割にも満たないが、時岡町長は「民意集約は十分できる」との認識だ。再度の説明会やアンケート調査などはあらためて否定した。

  ◆  ◆  ◆

 「町は安全に対する不安、経済や生活の実害という二重苦の状況」。柳沢副大臣と町会の意見交換で、町議の一人は端的に町の窮状を訴えた。

 町の主要産業は原発との関連が深い。運転停止の長期化で定期検査や補修の仕事は減り、作業員が宿泊する民宿や仕出し弁当を扱う飲食業のダメージも大きい。早期の再稼働を求める町民は少なくない。町会には「早期の再稼働が一番の経済対策」との声もある。

 安全性か、地元経済かで町民の胸中は複雑だ。しかし、説明会で大島地区の男性は「経済面と安全面は切り離して考えるべきだ」と述べ、てんびんにかける問題ではないとも指摘した。

 ある町議は「安全確保と経済を二律背反の問題にしてはいけない」と強調。安全性はもちろん、原発を長年よりどころとしてきた地域経済も重要で、総合的に見極めて再稼働の是非判断をする考えだという。

 町会は19、20日に各地区で開いた議会報告会でも多くの意見を聞いた。町会の意思をどうまとめるか、27日も非公式に協議したが、慎重な意見が相次ぎ、結論は出なかったという。

 時岡町長も同日、記者団に「議会の集約を一番重く受け止める」としつつ「各種団体の人の話なども聞いて判断したい」と話した。

(4月28日付け福井新聞・電子版)

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/34443.html

 


「1204/354:原発防災問題】処分の検討は総合的に判断 / 職員懲戒を求めた市民団体に県

2012-04-28 22:28:03 | Weblog

 放射性物質を測定する県のモニタリング体制がずさんだったとして、市民団体「見張り番滋賀」が嘉田由紀子知事に県幹部の懲戒を求めた要望書に、県は26日付けで「処分の検討は個別に総合的に判断し、適切に対応したい」と回答した。

 県はモニタリングポスト運用停止に「当時の政策的判断によるもので、本年度に新たなポストの設置を予定している」と説明。ポストのデータ回収不備には「パソコソフトの不具合により、一時的にデータを取り出せなかった」と答えた。モニタリングカーで測定しなかった問題では「地域防災計画の見直しなどで多忙だった。今後、このようなことがないようにしたい」と陳謝した。

 回答を受け取った「見張り番滋賀」の澤忠起代表(73)=高島市今津町松陽台=は「文書に知事の名がなく、これが回答と言えるのか。今後の対応をメンバーと相談したい」と話した。

【関連ニュース番号:1204/244、4月19日】

(4月28日付け中日新聞)


【1204/353:県内大学動向】龍谷大学が27年4月 瀬田キャンパスに農学部開設

2012-04-28 18:04:52 | Weblog

=全国の仏教系大学では初めて=

 龍谷大学(赤松徹眞学長)は平成二十七年四月、瀬田キャンパス(大津市瀬田)にある「国際文化学部」を深草キャンパス(京都市伏見区)に移転するとともに、新たに瀬田キャンパスに「農学部」を設置する。農学系学部の設置は、全国の仏教系大学では初めて、私立大学としては昭和五十五年に旧九州東海大学(現東海大学)が農学部を設置して以来、三十五年ぶりとなる。
 瀬田キャンパスに開設される農学部では、「食の安心・安全」「持続可能な社会」の実現を図る教育を目指す。
具体的には、人文科学、社会科学、自然科学すべての領域を総合した四学科(食料経済学科、生物生産学科、農業生産基盤学科、食品栄養学科)で構成する。
 農学部合計は千六百六十人(入学定員四百人・編転入定員三十人)で、内訳は食料経済学科五百人(入学定員百二十人・編転入定員十人)、生物生産学科五百人(入学定員百二十人・編転入定員十人)、農業生産基盤学科三百四十人(入学定員八十人・編転入定員十人)、食品栄養学科三百二十人(入学定員八十人)。
 一方、深草キャンパスに移転する国際文化学部は一千八百六十人、同大学院四十二人となっている。
 嘉田由紀子知事は「農学系の学部が新たに設置されて、現在ある理工学部、社会学部との連携のもと、現代社会に求められる食の原点、その未来を追及していただけることは、県としてもありがたく思います」とのコメントを寄せている。

(4月28日付け滋賀報知新聞・電子版)

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0010108


【1204/352:豊島・汚染土壌問題】見えない着地点 豊島の汚染土壌処理問題

2012-04-28 17:50:23 | Weblog

 香川県の豊島(てしま)の汚染土壌が大津市伊香立途中町の処理工場で洗浄される計画に住民が反発している問題は、解決の糸口が見えない。市は、山崎砂利商店(大津市浜大津)に処理を委託した香川県に土壌搬入の見合わせを求めるが、香川県は早ければ五月にも処理を始めたい意向。工場がある地元の伊香立学区自治連合会は搬入中止に向け、この業者と直接交渉も考えている。

◆豊島以外からも

 「どこから、どれだけの量の汚染土壌が運び込まれているのか調べさせてほしい」

 四月上旬、和邇川流域に住む山田利春さん(69)らが工場を訪れ、山崎砂利商店の従業員に求めた。担当者の都合がつかず見学は実現しなかったが、住民の不安は根強い。

 琵琶湖に魅せられ、近くに移り住んだ米国人画家ブライアン・ウイリアムズさん(62)が「豊島だけが問題ではなく、工場そのものが不透明。どんな汚染土壌も持ってきてほしくない」と訴える。

写真

 業者によると、毎月一万トンほどの汚染土壌を処理しており、搬入先は関西や関東など。豊島よりも汚染濃度の高い土壌も運びこまれる。詳しい内容は「顧客情報のため明らかにできない」。担当者は、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニール、水銀など水洗浄できない有害物質は含まれていないことを強調している。

 香川県は「なぜ豊島だけが駄目なのか」と戸惑いを見せ、山崎砂利商店の担当者も「豊島の土壌以外では、今まで地元から反発はなかった」と話す。

◆工場への不安

 工場では二〇一〇年九月、汚染されていない土壌の洗浄設備から、水が和邇川にあふれ出た。汚染されてなかったものの、構造は汚染土壌の洗浄設備と同じ。山崎砂利商店は昨年五月、厚さ五十センチ、高さ二メートル以上のコンクリートの防護壁を設け、水があふれても、せき止める対策をとった。担当者は「迷惑をかけたことは事実。謙虚に受け止める。今は百パーセントに近い安全対策をさせてもらっている」と強調する。

 山田さんは「搬入中に汚染土壌が飛び散り、地下水が汚染されるのではないか」と懸念する。業者は汚染土壌を袋に密封し、トラックにシートをかけて運ぶ計画を示し「土壌がこぼれ、飛散したりすることは考えられない」と言い切る。

 ウイリアムズさんは「夜に工場から和邇川へ、水を垂れ流しているのを何度も見た」と話す。業者は、川や下水に排出しているのは雨水と主張し、洗浄処理の水は「循環利用し、外に漏れることは絶対にない」と説明している。

◆市の責任

 香川県は工場から汚染物質が流出した場合「業を許可した大津市が責任を負うのが本来の形」と主張する。

 汚染土壌の搬入中止を求める請願が提出された二月市議会。河井昭成議員(市民ネット21)が「事業認可したことが適正ならば、市民に説明を尽くすべきであり、事業を行えないというのなら許可の取り消しを行うべきだ」と問いかけた。

 市は二〇一〇年四月に山崎砂利商店に汚染土壌処理業を許可した。業者を監視し、住民の不安にこたえる努力が求められている。

 (滝田健司)

 <豊島の汚染土壌問題> 90万トン以上の産業廃棄物が不法投棄された豊島で、汚染土壌の最大7万トンを2017年3月までに山崎砂利商店の途中工場(38万4800平方メートル)で水洗浄する計画。香川県が昨年7月に実施した一般競争入札で、山崎砂利商店が1トン当たり6405円で落札した。和邇川流域の住民が農業や漁業への水質汚染を訴え、大津市や香川県に計画中止を求めている。山崎砂利商店は砕石業や産業廃棄物処理業も営み、県内では唯一の汚染土壌処理業の許可を受けている。

(4月28日付け中日新聞・電子版)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20120428/CK2012042802000006.html