滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【1004/131:選挙】近江八幡市長選 “合併のしこり”どう出る? あす告示・一騎打ちか 

2010-04-18 01:13:27 | Weblog
◇まちづくり争点に

 旧安土町との合併に伴う新・近江八幡市長選が4月18日に告示される。いずれも無所属の旧近江八幡市長、冨士谷英正氏(63)と前県知事公室長、深井俊秀氏(55)=民主、社民推薦=の一騎打ちの公算が大きい。3年余りの冨士谷市政の評価に加え、合併を巡り旧安土町民らが激しい反対運動を繰り広げただけに、新市のまちづくりが争点になりそうだ。【斎藤和夫】

◇3年余の実績訴え--冨士谷氏
◇県の経験を古里に--深井氏

 冨士谷氏は旧近江八幡市長就任直後から「株式会社近江八幡」を旗印に「病院PFI」を解約、総合医療センターを市直営にするなど、さまざまな行財政改革に取り組んだ。旧安土町との合併協議会長も務め、「合併を進めた責任者の一人として、合併して良かったと思われる町づくりをしたい」と訴える。

 深井氏は住民団体などの薦めで「近江八幡は豊かな自然が残り、住民の自治も根付いた素晴らしい町。県行政で培った経験を生かし、古里に恩返ししたい」と、昨年暮れに32年務めた県職員を辞し転身を決意。「結果重視ではなく、市民と情報を共有して対話で新しい町づくりに取り組みたい」と強調する。

 冨士谷氏は昨年9月、深井氏は同12月末に出馬表明し、既に激しい前哨戦を展開。ともに決起集会を済ませ、15日朝には両氏がJR安土駅前で鉢合わせする場面もあった。

 また、ぎりぎりまで候補者擁立を模索していた共産は自主投票を決定。公明は「中立」、自民党県連も15日、自主投票を決めた。

 立候補届け出の受け付けは18日午前8時半~午後5時、投票は25日。同日午後9時15分から同市鷹飼町のサン・ビレッジ近江八幡で即日開票される。

【関連ニュース番号:1004/130、4月18日;1004/122、4月16日など】

(4月17日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100417ddlk25010410000c.html


【1004/130:選挙】新市の選択 近江八幡市長選〈下〉 (朝日新聞)

2010-04-18 01:04:13 | Weblog
【写真:老朽化が進む第2クリーンセンター。移転新築先が見つからず、稼働を続ける=近江八幡市北津田町】

■大型事業案 目白押し/問われる財政運営の手腕

 近江八幡市北津田町のごみ処理施設、第2クリーンセンター。1982年に稼働し、旧近江八幡市域の約7万人のゴミはすべてここに集まる。地元との覚書で使用期限は当初97年3月までだったが、移転新築先が見つからないまま期限の延長を重ね、現在の使用期限は2012年3月。地元自治会のアンケートでは過半数が移転を望んでおり、もう後はない。

 事業費は80億円前後と見込まれる。市は09年1月、浅小井町に新施設を建設する方針を打ち出した。しかし、その後の地質調査で「地盤が極めて軟弱」との結果が出たために断念。新たな候補地選びに入ったが、今も未定のままだ。

 同センターは、県内では彦根市の施設に次いで2番目に古く、老朽化が進む。加えて処理負担も年々重くなっている。08年度に回収したごみは操業当初のほぼ倍の2万4845トンに上る。「次の施設ができるまで、なんとかこの施設をもたせないといけない」と、岡田安(やすし)センター長は言う。
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 計画中の大規模事業は、ほかにもある。

 「平成の大合併」は、合併自治体の交付税措置を優遇する「アメ」を用意して促進してきた。合併関連法に盛られている合併推進債は、借金の4割を国が賄う有利な起債だ。

 1914(大正3)年建設のJR安土駅のバリアフリー化を含めた改修は、単独町政では事業規模が過大なため、合併により実現しようという旧安土町の合併推進派の意向があった。

 乗降客数が1日平均5千人以下で「バリアフリー新法」の補助対象にならないが、合併推進債が利用できれば建設のハードルは格段に下がる。市は合併後、安土駅周辺整備室を立ち上げた。まだ計画は具体化されていないが、改修費用は40億円以内と見込む。

 また、野洲市、竜王町と共同で取り組むJR篠原駅の改修は2014年度中の完成を目指す。駅舎改修のほかに駅前へのアクセス道路などをつけ、市の負担分は約20億円。一昨年来の世界的な経済危機の影響で、事業費の削減策を検討中だ。
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 財政難に苦しむ多くの市町に比べ、市の財務体質は健全だ。合併前の2市町を合わせた一般会計の市債残高は、09年度決算見込みで209億円。これを人口で割った市民1人あたりの借金は約25万5千円で、県内で最も少ない。

 だが、予想される相次ぐハコモノ事業に伴う負担増に耐えられるのか。

 合併前、旧市町の合併協議会が作成した新市基本計画によると、クリーンセンターや駅の改修が12~13年度に集中するため、両年度の地方債の借り入れは例年の倍近い55億円に膨れあがる。13年度は歳入の18%が地方債で占める。だが、その後は発行を控え、19年度は歳入の6.9%、15億6千万円に抑えるとしている。

 財政課の堤昭憲課長は「市民に負担がかからない方策を見極めたい」と話す。市民に不可欠な施設整備をスムーズに進めることができるか。新市長の財政運営の手腕が問われる。

(この連載は河野隆二、大西英正が担当しました)

【関連ニュース番号:1004/122、4月16日】

(4月17日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001004170001