全国を上回るペースで増え続ける滋賀県民の医療費は、県医療費適正化計画に基づく取り組みを実施しても、実施前と比べた2012年度の削減額が37億円にとどまることが4月24日までに分かった。患者の年間平均在院日数の短縮幅を1日しか見込んでいないためで、近隣府県と比べても削減率は小さい。県は「これ以上の削減は難しい」としている。
県によると、05年度の医療費総額は3143億円で、12年度には4052億円に膨らむ見通し。適正化計画に基づいて平均在院日数を目標通り減らせたとしても削減額はわずかで、医療費総額は4015億円に上るという。
在院日数を減らすには長期入院のための医療型療養病床の削減が必要だが、県は介護難民が増える危険性に配慮し、削減数を抑えている。このため計画では、平均在院日数の目標を06年度の27・5日から26・6日に設定、短縮幅を微減にとどめている。
医療費適正化計画に基づく取り組みを実施しない場合と比べた近隣府県の12年度の削減額は、京都府が153億円、兵庫県267億円、大阪府410億円に上る。いずれも医療費総額に占める削減額の割合は滋賀県の2倍近くに上り、平均在院日数の短縮幅も滋賀県より大きい。
県医務薬務課は「滋賀県は全国と比べてもともと平均在院日数が短く、医療費そのものも少ない」と、削減幅が小さいことに理解を求めている。
(4月25日付け京都新聞)
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